見出し画像

GARNET CROW 『THE ONE 〜ALL SINGLES BEST〜』LINER NOTE_music freak Es vol.41(2013年5月号)バックナンバー

こちらは、音楽雑誌「ミュージックフリークマガジン」(1994-2009 フリーペーパー/2010-2015 有料会員制雑誌)のバックナンバーを紹介するブログコーナーです。
今回は、皆さんからのリクエストが多いGARNET CROWをピックアップ。

2013年に行われた解散ライブで、ヴォーカルの中村由利さんが、

「私たちは解散しますけれど、楽曲は生きています。
 皆さんの心の中で、ふとした瞬間、また、皆さんの人生の節目の瞬間に
 私たちの楽曲がまた流れて、そして、皆さんの人生がもっともっと実り
 多いものであるように。そう願っております。
 これからも私たちの作り上げてきた作品をどうぞ大切に聴いてください。 
 よろしくお願いします」

と語りかけましたが、実際、解散から10年以上経った今なおも、彼らの楽曲を愛してやまない熱い支持者は多く存在します。
“なぜこんなにも長い間、GARNET CROWの楽曲は愛され続けるのか? ”
その問いを探るべき、3枚組のシングルベスト盤『THE ONE 〜ALL SINGLES BEST〜』(2013年5月22日リリース/活動13年の軌跡を全シングルで辿るパーフェクトシングルコレクション)のライナーノーツを公開。
「music freak magazine」に掲載してきた数々のインタビューより、曲ごとのメンバーのコメントもピックアップ。制作秘話や楽曲に込めた思いなど、ここでしか語られていない貴重なエピソードも!! ライナーを読みながら、改めてGARNET CROWの深遠な音世界に浸ってください!

※こちらの特集は、「music freak Es vol.41」(2013年5月号)に掲載したバックナンバーになります。
記事を最後までお読みいただいた方の中から抽選で2名様に、冊子「music freak Es vol.41」(2013年5月号)をプレゼントいたします。応募方法は、最後の「プレゼント応募方法」をご参照ください。

music freak Es vol.41(2013年5月号)

『THE ONE 〜ALL SINGLES BEST〜』  LINER NOTE

◉インタビューが残っている作品についてはメンバー・コメントを、インタビューのない作品は編集部執筆の曲解説を掲載いたします。

▪️DISC 1

01. Mysterious Eyes
(1st/2000年3月29日リリース)
読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」オープニングテーマ
 
メジャー・デビュー・シングルとして2枚同時リリースされた内の一曲。
軽快なリズム・トラックにからむ中村の澄んだ歌声が初々しい。煌めくスタンダードなポップ・サウンド。
 
GARNET CROWの歴史がある曲なので思い入れのある一曲です。(岡本)
(from music freak magazine vol.74)

 
 
02.君の家に着くまでずっと走ってゆく
(2nd/2000年3月29日リリース)
 
メジャー・デビュー前、1999年12月にリリースしたインディーズ・ミニアルバムのタイトル・トラックでもあり、またメジャー・デビュー・シングルとしてもリリースされた楽曲。インディーズ盤とメジャー盤とではアレンジが異なっているが、今回はメジャー・シングルVer.のMiguel SaPessoa & 古井弘人ヴァージョンを収録。アコースティック・ギターの澄んだ音色、爽やかなコーラス、効果的なサックス・ソロなど、緻密なアレンジが施され、歌詞は何気ない日常の中で感じる幸福感を切り取った癒しのナンバーに仕上がっている。
(from music freak magazine vol. 74)

※MVの音はインディーズVer.になります

 
03.二人のロケット
(3rd/2000年5月17日リリース)
“I’m MUSIC FREAK”キャンペーンソング
 
インディーズ・ミニアルバムにも収録されていたナンバー。シングル・リリースにあたり、生ベースと生ドラムが新たにアレンジに加えられた。素直なメジャー調のメロディの中で、中村のヴォーカルが跳ねている。高音で歌われるサビ部分が印象的。今ではライヴにかかせない人気ナンバーになっている。
(from music freak magazine vol.74)

 
04.千以上の言葉を並べても...
(4th/2000年9月27日リリース)
(株)童夢CMソング
 
秋という事で、心にじわじわと染みてくる切ない感じの曲になっています。(歌入れは)言葉の響きを大切に、そしてバックのオケにうまく溶け込むように歌いました。(中村)
 
誰が悪いわけでもなく、寄り添っていけない関係を少しでも優しい感じに・・・と思って詞を書きました。(AZUKI 七)
 
じわりじわりと人の耳を引きつけ、聴き終わった時には、一本の映画を観た後のようなアレンジになるよう努力しました。(古井)
 
(ギターは)良質な無機質感を演出する事を心掛けました。(岡本)
(from music freak magazine vol.70)

 
05.夏の幻
(5th/2000年10月25日リリース)
読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ
 
ノリよく、さわやかで爽快なイメージが出るよう心掛けました。色に例えると“澄んだ青色”のようなイメージです(中村)
 
(聴き所について)よりいっそう中村さんの声に惚れてしまいますね。随所に見られる響きの心地よさを堪能してください。(AZUKI 七)
 
曲全体を通して、これまでとまた一味違うガーネット、そして中村の魅力を感じて頂けたらと思います。(古井)
(from music freak magazine vol.71)

 
06. flying
(6th/2000年11月29日リリース)
ナムコプレイステーション用ゲームソフト「テイルズ オブ エターニア」
テーマソング
 
重々しいイントロで始まるが、曲が進むにつれてどんどん音世界が広がり、軽くなって、まるで空に羽ばたく鳥のような気分を味わわせてくれるナンバー。テーマソングとなっていたゲームの世界観ともリンクしたファンタジックでスケール感のある作品に仕上がっている。
(from music freak magazine vol.72. 74)

 
07. Last love song
(7th/2001年5月9日リリース)
テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」エンディングテーマ
 
覚えやすくキャッチーな曲をと思って作りました。実はこの曲、歌入れの直前に怪我をしてしまって、とてもとても痛い思いをして歌ったという大変思い出深い曲です。(中村)
 
(歌詞は)儚い性質を持つ真理の中で、人の持つ懲りない感情の温度をなんとなく。(AZUKI 七)
 
シンプルに聴こえるけど、リズムは凝った事をやってるんです。ミディアムだけど、スピード感を出したかったので•••••。(古井)
 
アコギはアルペジオを複数重ねてダビングしたんです。12弦を使ってクリアな感じに聴こえるようにしたり。(岡本)
(from music freak magazine vol.78, 89)

 
08. call my name
(8th/2001年8月8日リリース)
テレビ東京系アニメ「プロジェクトアームズ」エンディングテーマ
 
スケールの大きなバラードをやりたくて作った曲。古井さんの超お気に入りの曲です。(中村)
 
個人的にシングルにしたかった曲なんです。中村のデモを聴いた時に壮大な感じがして、ブリッジとかイメージが浮かんできたから、すぐに忘れないうちに作りました。(古井)
(from music freak magazine vol.89)

 
09. Timeless Sleep
(9th/2001年11月21日リリース)
テレビ東京系アニメ「プロジェクトアームズ」エンディングテーマ
 
ピリッとした緊張感のある張り詰めた中で、繊細なメロディに美しいギターのフレーズ等をのせて、しかし、あえて歌は生々しく力強く歌う事で、皆さんの心により深く訴えかけられるように心掛けました。歌とサウンドの対比を楽しんでください。(中村)
 
ロックを全面に出した仕上がりで、言葉で言うと冬のひやっとした冷たさの中の暖かさ、を感じて頂けるのではないでしょうか? サビに出てくるストリングスのピチカートは、切なさを一層引き立ててくれるはずです。(古井)
 
制作時間長かったー。(AZUKI 七)
(from music freak magazine vol.84)

 
10.夢みたあとで
(10th/2002年3月13日リリース)
読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ
 
このアレンジになって1年くらいあたためてきた曲。とても大切にしてきた曲なので、じっくりと聴いてもらえたらな・・・・・・と思います。春が似合う曲ですね。(中村)
 
Bメロの所に言いたい事というか、大事かなって思う言葉が多い。とくに歌詞で言いたいというよりは、曲全体を聴いて色んな意味を感じ取って貰えたらと思っています。(AZUKI 七)
(from music freakmagazine vol.88. 89)

 
11.スパイラル
(11th/2002年8月14日リリース)
フジテレビ系「感動ファクトリーすぽると!」イメージソング
 
アルバム『SPARKLE~筋書き通りのスカイブルー〜』と同時進行で制作していた楽曲。夏らしく元気なものをやってみようという事で進めていました。(中村)
 
確かにアルバムとはまた別の発想で考えていたりしました。また新しいGARNET CROW感と、リリースする時期とかも考えると、テンポ感のあるスポーティな仕上がりにしたかったので。
始まりのゆったりした部分から立ち上がって行く所や、走り出してからのグルーヴ感など細部に渡りこだわって作っています。(古井)
(from music freak magazine vol.93)

 
12.クリスタル・ゲージ
(12th/2002年12月11日リリース)
TBS系TV 「pooh!」12月度エンディングテーマ
 
バンドっぽいというか、ギター・ポップというか……。アコースティック・ギターがメインで、みたいなところから始まった曲です。
アコースティック・ギターと、歌と言葉の響きの絡みみたいなものを聴いて貰えたらと思います。(中村)
 
あまり今回はこういう事を言いたいっていうテーマはないというか、それよりもイメージがあって。声がなかったら、書けていないですね。メロディだけなら、こうなってないです。(AZUKI 七)
(from music freak magazine vol.97)


▪️DISC 2

01.泣けない夜も 泣かない朝も
(13th/2003年7月23日リリース)
テレビ朝日系「内村プロデュース」エンディングテーマ
 
大きなテーマとしては、初めて経験する事が多かった中で、それらを踏まえて”もう一度がんばろう!”とか “生きよう!”みたいな気持ちがあって曲を書きました。Aメ口、Bメロは懐かしい、ノスタルジックな雰囲気が出るようにしました。故郷を懐かしむ、そんな感じかな? 私自身としては、ライヴの経験が「今は懐かしいなぁ」なんて、そんな感情からこのメロディが出てきたんだと思います。(中村)
 
以前からストックしていた曲ではなく、まったくの書き下ろし。だからというか、今までのGARNET CROWの匂いを残しつつも、新しい香りというんでしょうか、そういう雰囲気が感じて貰えるんじゃないかと思います。例えば、ラップをちりばめたりして、身体が思わず踊り出してしまうような、そういうイメージを持った曲だと思います。(古井)
(from music freak magazine vol. 104)


02.君という光

(14th/2003年9月10日リリース)
読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ
 
「泣けない夜も 泣かない朝も」と同時進行で作っていた作品で、バラードは秋口くらいに聴きたいかなぁ、と思ったので2作目のリリースになりました。この曲はサビで泣きそうになりながら歌っていました。ハマリ過ぎてるくらいなメロディと歌詞を歌うと、本当に切なくなりますね。(中村)
 
デモ・テープを1回聴いて、言葉と映像と全部いっぺんに出てきました。なんにも考えなくてももう全部、来た。頭から書いていったらサビもするっとその言葉が出てきて、で、終わりまで一気に出来てしまいました。誰が歌ってもあの感じというのはなくて、あの声の質感と空気感は代換品が本当にないと思いますね。(AZUKI 七)
(from music freak magazine vol. 106)

 
03.僕らだけの未来
(15th/2004年1月14日リリース)
フジテレビ系「感動ファクトリーすぽると!」イメージソング
 
最初はアルバム収録用に進めていた曲だったんです。もっとラテン系でエスニックな感じで、アルバムの中ではスパイス的な曲になるように仕上げていたんですけど、シングルにするにあたって、どちらかというとちょっとロック寄りなアレンジにしてみました。ラテンの香りはまだちょっと残っていますけど。(中村)
 
(歌詞は)すごく前向きですよね。年明け新年、景気付けの一曲という事で(笑)(AZUKI 七)
(from music freak magazine vol.110)

 
04.君を飾る花を咲かそう
(16th/2004年6月16日リリース)
テレビ東京系アニメ「モンキーターン」エンディングテーマ
 
この作品には自分の大切な人、家族、友人、恩人、恋人とかそういう存在をもう一度確かめて欲しいという思いがすごくこもっていると思います。(中村)
 
デモを真っ白な状態で聴いた時に、人が旅立っていく様子が映像として浮かんだんですね。それも死んで旅立つイメージが一番に浮かんで、自分よりも先に旅立っていく人の事を考えていて、どういう風に見送りたいかなぁと思っていて……。それで一面に花畑を作った中を見送る葬儀みたいなものを想像して、そこから一気に出来てしまいました。
すごく優しくて暖かくて力強い印象をデモから受けたから、こういう結果になったのだと思います。(AZUKI 七)
(from music freak magazine vol.114)

 
05.忘れ咲き
(17th/2004年11月17日リリース)
読売テレビ・日本テレビ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ
 
(タイトルは)曲をボーッと聴いていて、それが一番先に浮かんだ言葉なので、そのまま使いました。(AZUKI 七)
 
歌詞が出来てから曲の世界が拡がった感じはありますね。私のデモの段階よりも歌詞が上がってアレンジが上がった時に、すごく懐かしい風景だとか優しい感じ……そういうのが出てきて、世界がすごく拡がりました。(中村)
(from music freak magazine vol.120)

ここから先は

6,380字

¥ 350

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?