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The musician to the musician vol.13_Seiki Takayama (from ZYYG)

デビュー30周年となる今年、「ZYYG ~30th Anniversary~ LIVE ROCKIN’ HIGH 2023『RE:』」が東京、大阪で開催。ブランクを感じさせない貫禄のライブパフォーマンスで、往年のファンはもちろん、近年のスラムダンク人気の影響でファンになった若い世代も巻き込んで大熱狂のロックライブを繰り広げた4ピースバンド・ZYYG。
ライブ中MCで、「年内に、過去に発表した楽曲のサブスク解禁を目指していること」、「25年ぶりの新曲の発表も考えていること」、「30周年イヤー(来年5/19まで)にまだまだライブを開催すること」等のニュースが発表された。
ライブバンドとしての高い実力と、楽曲そのもののクオリティーの高さを証明することとなったアニバーサリーライブを経て、今後の活動に期待が高まるZYYGに、music freak magazine編集部は再び注目!

ZYYGの音楽性にも深く影響しているであろう、ソングライティングを担当するヴォーカル高山征輝の音楽ルーツを探った過去の特集『The musician to the musician』(music freak magazine vol.34 / 1997年9月掲載号)を振り返ってみた。

今後は、メンバーの最新インタビューなども企画したいと考えているので、どうぞお楽しみに!!

ZYYG〜30th Anniversary〜 LIVE ROCKIN’HIGH 2023 『RE:』ライブレポートはこちら→http://www.mfmagazine.com/press/rele_live/


■『GET HAPPY!!』/ ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS
「ゲット・ハッピー!!」/エルビス・コステロ&ザ・アトラクションズ)
 
日本の中で好きなアーディストは何人かいますが、氷室京介さんもそのうちの一人で、以前その氷室さんがシングルのカップリングでコステロの「アクシデント・ハブン」っていう曲をカバーしてた事があったんです。それまでコステロの事は全く知らなかったんですが、それをきっかけに聴きだしたらメロディが良く、洗練されていてとても好きになりました。イギリスの古き良き時代のメロディ・ラインが残っているアーティストの一人とも言えますが、日本にも彼の影響を受けたアーディストはかなりたくさんいるようですね。彼は家庭を持っている人なんですが、家庭を守る為に音楽をやってるみたいなところもあって、そのわりきり方にも共感できる部分がありました。
このアルバムで一番気に入ってる曲は、1曲目の「RIOT ACT」です。

■『GET HAPPY!!』
MSI  MSIECC-4  1980.2.25

1954年ロンドン出身。
1977年に発表されたデビュー・アルバムがいきなり全英チャート20位にランク・インし、当初はパンクの新人として脚光を浴びる。その後アメリカン・ミュージックをルーツとする独持のポップ感覚で、ニューウェーブ・ポップの人気アーティストとして次第に定着していく。この作品は通算4枚目にあたる作品で、オランダでレコーディングが行なわれた。毎回曲数の多いコステロだが、本作にはなんと20曲が収録され、その内容もバラエティに富んだボリューム感たっぷりの作品になっている。


■『TROUBLECUM』/ THERAPY?
(「トラブルガム」/・セラピー?)
 
このアルバムはジャケットのデザインが変わっていたので、ちょっと参考にしようかなと思って、行き当たりばったりに買ったんです。そうしたら大当たりというか、とてもカッコ良くて……。
俺は音楽を聴く時一番、メロディの良さと、サウンドのカッコ良さを重視してしまうんですが、メロコア系のバンドの中でもただ吠えてるだけのバンドとは一線を画し、セラピー?はメロディもきっちりしてるし、カッコいいと思います。簡単に言ってしまえば、イギリスのパンクっていう感じなんですが、サウンド的なギターの部分やアレンジ全体を含めて、ZYYGの2ndアルバムの『Noizy Beat』は彼らの影響を多分に受けていると思いますね。

■『TROUBLEGUM』
POLYDOR  POCM-1062  1994.2.16

アイルランド・ベルファスト出身の3人組バンド。イギリスを活動の拠点とし、メジャー・レーベルのA&Mと契約。彼らはメジャー・デビュー・アルバム『NURSE』をリリースする前から、アメリカやヨーロッパ各地を回り積極的にライプを行っていた。
その強力無比なライブ・パフォーマンスが話題になり、イギリス、アメリカで注目を集める。1st、2ndアルバムがハード・コア・アルバムだったのに対し、3rdアルバムとなる本作は、メロディアスでポップな仕上がりになっており、新境地を謀っている。


■ 『SHERYL CROW』/ SHERYL CROW
(シェリル・クロウ/シェリル・クロウ)
 
シングル・カットされた「If it makes you happy」を初めてラジオで聴いた時に、久々に”すげーな“って思いました。ケイト・ブッシュをはじめ、女性アーティストものも結構聴くんですが、ここ最近個人的にいいなと思うアーティストや曲がなかったので、この曲は衝撃的でしたね。この1曲を聴きたいがためにアルバムを買っちゃいました(笑)
ZYYGに「雨に隠れた涙」という曲があるんですが、その曲は「If it makes you happy」を聴いて参考にしたというか、こういうニュアンスの攻め方したいな、作りたいなと思ってギターで作ったんです。
今後ZYYGのアルバムにもこういうアプローチの曲が入ってくるかもしれません。シェリル・クロウはZYYCのサウンドとして試してみたいものの一つですね。

■『SHERYL CROW』
POLYDOR  POCM-1200  1996.9.26

1993年に発表されたデビュー・アルバム『TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB』
(1995年グラミー賞獲得)が高い評価を得、好セールスをあげてから、およそ3年ぶりに発表された2作目。レコーディングはニューオリンズとロサンジェルスのスタジオで行なわれた。自らプロデュースを手掛け、演奏もほとんど本人が行うという、まさにタイトルが示唆する内容の一枚。


■『WAKING UP THE NEIGHBOURS』/ BRYAN ADAMS
『ウエイキング・アップ・ザ・ネイバーズ』/ ブライアン・アダムス)
 
彼は純粋にロッカーなんですよ。小難しい事は演らずに、コードも3コードに近いし、音も単純というか、シンプルなところが逆に良くて。2年くらい前にライブに行ったんですが、武道館だからといって特別にセットを組む事もなく、ライブハウスみたいな感じで、ロックン・ロールばかり演って、そんなシンプルな構成でも観客全員がノリまくっているのを見て、純粋にカッコいいなーって感動しました。
このアルバムは昔九州にいる頃車の中でよく聴いていて、それからずっと聴いています。メロディがきっちり作られていて、特にバラードがいいんです。
彼は万国共通というか、世界中どこへ行ってもロックが好きな奴なら、純粋に共感できるものを持っていて、そういう所がすごいと思います。それに彼は、ロックをよく知ってるヴォーカリストだと思います。尊敬できるロッカーの一人ですね。

■『WAKING UP THE NEIGHBOURS』
POLYDOR  POCM-9001/8  1991.9.26

1959年オンタリオ州キングストン出身。
1979年にA&Mレコードからアルバム『GIVE 'ME YOUR LOVE』でデビュー。1982年に発表された3rdアルバム『CUTS LIKE KNIFE』でブレイクし、その後4thアルバム『RECKLESS』('84)が全米1位となり揺るぎない人気を決定づける。
この作品は通算6枚目にあたる作品で、31歳になった彼が自らの音楽ルーツを振り返りながら、より新しく、よりパワフルに、風格さえも漂う一枚に仕上げている。


■『the shazam』/the shazam
『ザ・シャザム』/ザ・シャザム
 
このアルバムのプロデューサーのブラッド・ジョーンズという人は、これまでインペリア・ドラッグなど色々なバンド系を手掛けてきた人で、以前から名前だけ知っていて興味を持っていました。
そんな彼が新人を手掛けたというので聴いてみたんですが、これが非常にいい作品で。なんか若さが出ていて、変に大人びてなくていいんですよ。パワー・ポップ系のバンドはどれも好きなんですが、このアルバムは曲自体の質も高くてお薦めですね。何が一番いいのかって、ギターの音色がすごくいいんです。勝手な推測ですが、今ビートルズが演ってたらこういうサウンドなんじゃないかな、なんて思います!

■『the shazam』
TOSHIBA EMI  TOCP-50247  1997.7.30

ハンス・ロッテンベリー(G.)、ミック・ウィルソン(B.)、スコット・バルー(Dr.)の3人で構成されたこのバンドは、1995年にナッシュヴィルで結成され、ライブ活動だけで既に評判になっていた。本作は彼らのデビュー・アルバムにあたる。この作品のプロデューサー、ブラッド・ジョーンズはインペリアル・ドラッグ、ジル・ソビュール、マーシャル・クレンショー、スティーヴ・フォーパートなども手掛けている有名人。バワー・ポップ系の中でも、全く捻りのない素直でドリーミーなメロディが魅力。


■『JOHN LENNON COLLECTION』/ JOHN LENNON
(『ジョン・レノン・コレクション』/ジョン・レノン)
 
無人島にCDを一枚だけ持っていけるとしたらこのアルバムかもしれませんね。「スターティング・オーバー」っていう曲がすごく好きなんです。昔、学校を辞めた時、これを聴いて頑張ろうかなって思った曲で、今でも落ち込んだ時によく聴きます。他の収録曲では「ウーマン」と「ラブ」をよく聴きますね。
俺の父親と母親がビートルズ世代で、生まれた時からいつでも自分の周りにビートルズが流れてて、自然と耳に入ってくる環境の下で育ったんですよね。実際自分から好んでCDを買って聴くということはないのに、意外とマニアックな曲でも曲目は言えなくてもメロディは歌えたりするんですよ。きっと無意識のうちに影響を受けているんでしょうね。もしかしたら、今俺が曲を作ってる一番の根底になっているのも、そこに通ずるのかもしれません。

■『JOHN LENNON COLLECTION』
TOSHIBA EMI  TOCP-5923  1982.12.8

1940年10月9日リバプール出身。ビートルズの中心的メンバーで、ビートルズ時代、ポール・マッカートニーと共に数えきれない程の名曲を世に送りだした天才的ミュージシャン。この作品はジョンが狂信的なファンに射殺されたちょうど2年後の命日に発表されたベスト盤。ジャケット写真はジョンがこの世を去る直前に撮影されたものの中から使用されている。

「今回はみんなにも聴きやすいものを選んで持ってきたんですが、この6枚を一通り聴いて頂けるとZYYGのルーツになっている部分や、ZYYGが目指しているメロディアスな部分が、わかってもらえるかもしれません。同じロックでも6枚とも違うアプローチのものですが、基本的にメロディアスでキャッチーというラインは共通していますね」

〜取材を終えて〜
今回彼が持ってきてくれたCDを見た時、もっとロック一辺倒なものを想像していた自分にとって、すごく意外なセレクトだった。しかし、話を聞いていくうちに、彼のメロディ・ラインを重視する作曲のセンスが、ZYYGの強気ながらも、どこか繊細さを含むサウンドにつながっている、そんな気がした。優しく、人間くさい彼の側面がひしひしと伝わる今回の取材だった……。

<※今回の内容、music freak magazine vol.34(1997年9月号)に掲載したものになります>

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