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東海道新幹線開業60周年に寄せて

2024年10月1日は東海道新幹線開業60周年の日。もう既に60周年、自分の両親とそう年齢が変わらないらしい。このことは深く突っ込むと母親に怒られそう、やめておこう。

自分は以前noteに書いた通り、遠距離恋愛で相手に会いに行く手段として使うことが多い。
でもそれは1年半前くらいからの話。それまではあんまり東海道新幹線には縁のない生活を送っていた。

今はどうだろう、新幹線に関係する情報を見たり聞いたりするとつい意識がそちらに向いてしまう。それは恐らく、「東海道新幹線という、世界に誇るインフラ」のヘビーユーザー(と言うとビジネスマンにマウントを取られそうだが)であることのある種の誇りなのかもしれない。鉄オタでもないのに友達や知人にもついすごさをプレゼンしてしまう。

そんな東海道新幹線と自分の話、そして自分から見た東海道新幹線の凄さ、乗車時の注目ポイントなんかも書いてみよう。日本の大動脈を支えてきた、そしてこれからも役割を少しずつ変えながらきっとずっと支え続ける東海道新幹線に向けて。

自分と東海道新幹線の話

最初に乗ったのは自分が5歳かなんかのとき、品川~小田原で乗っていたらしい。そんなの記憶になかった。理由は「自分が電車が好きだったから」で、父親が連れて行ってくれたらしい。自分の家は航空会社に勤めている身内がいることから、大体の旅行は飛行機だった。東海道新幹線は敵とまではいかないが、ライバル視していたのだろうか。

そんなこともあり、自分の記憶の中では東海道新幹線に初めて乗ったのは小学校6年生の修学旅行のとき、京都までだった。
車内で同じ班の人とワイワイしていたからそんなに覚えていないけど、「速いな」とは思っていた。この時の自分にとっての新幹線は『まさに夢の超特急』だった。中学生のときも友達との日帰り旅行や、修学旅行で利用した。

時は進み、高校生。乃木坂のオタクをしていた自分は、ライブで遠征する機会があった。確か2018年の全ツ名古屋、大阪での西野の卒コン。次の日の学校に間に合わせるべく、毎回ライブ会場からダッシュで駅に向かってたっけ…。この時期の自分にとっての東海道新幹線は『推しに会いに行ける、元気を与えてくれるもの』に変化していた。

さらに時は進み、大学生。京都に友人がいたこともあり、京都まで乗車することが多かった。

大学2年生にとき、今の彼女と一緒にライブに行くことになった。名古屋から新幹線でやってくる。気づいたら新幹線は『好きな人に会える、魔法の乗り物』になっていた。
2年生の春休みのとき、相手に告白した。東海道新幹線の改札でだった。改札に足を踏み入れて帰りそうな相手を引き留め、死ぬほど緊張しながら想いを伝えた場所も新幹線に関係する場所だった。返事は保留されたものの、結果はOK。距離300km以上の乃木オタ同士の遠距離恋愛がスタートした。

新幹線は『遠く離れた相手との心を結ぶ、コミュニケーションツール』になった。もはや乗り物じゃない。
でも本当にそうだと思う。家族、恋人、ビジネス、誰だってみんな誰かしらに「会いに行く」んだから。

東海道新幹線の凄さ

  1. 安全
    会社の過失で人が亡くなる事故は開業以来60年間ずっと0件らしい。日々の補修作業、そして運航に携わる人たちのおかげ。

  2. 速い
    線形の関係で最高速は285km/hだけど、それでも十分速い。最近だとあのカーブのキツい熱海駅ですら200kⅿ/h通過らしい。そのうち最高速通過するんじゃないかって思わせてくれる。
    速さもそうだけど、東海道新幹線のキモいすごいところは、通勤電車並みの加速度を持ちながらあのスピードを出しているところ。詳しいことはわかんないから、気になったら鉄オタに聞いてもろて。

  3. 本数が多い
    普段も大概だけど、東海道新幹線が本気を出すのは年末年始・GW・お盆。朝の8時台から1時間当たり17本のダイヤを組んでる。日中の京浜東北線や東横線よりも多いらしい。え、きも
    それでも上記の時期は満席になって立ち客が出てパンクしているんだから、如何に東海道や3大都市の往来が激しいかがよくわかる。こうなると早くリニアを作ってほしいよね。頑張れ東海。

乗車時の注目ポイント

  1. ホームのアナウンス
    特に英語に注目してほしい。「Please stay behind the yellow lines. Non reserved seat is available~」のクセがちょっと強め。

  2. 運行関係者の動き
    ホームの人たち、車掌の人の動き、みんなピシッと決まってる。
    発車ベル~発車までの動き、アナウンスが結構すき。

    駅員「〇番線、出発ヨシ!」
    (発車ベルの音)
    アナウンス「From track number 〇, NOZOMI bound for Shin-Osaka is now departing. Please stand clear of the closing doors.」
    駅員「ドア閉まりまーす!安全ヨシ!」
    (乗降終了ブザー) & 『乙女の祈り』(ホームドア開閉)


    声出してやってくれるのいいよね、ずっと続いてほしい。新幹線のホームドアは駅員がボタンを押して開閉してる、新幹線の安全は人の手によって守られていると感じる瞬間。
    あと、ホームドア『乙女の祈り』は変えないでほしい。

  3. 熱海通過
    途中で1回減速する場面があり、カーブがキツめの熱海駅を通過する。通過線もないので、ホームの真横を200kⅿ/hで通過。普通電車でやられたらたまったもんじゃない。

  4. 富士山
    D、E席に座っていると三島駅周辺でよく見える。晴れていると見事な姿を見せてくれて、たまに車掌のアナウンスの案内がある。意外と優しい。

  5. 三河安城駅
    東海道線は普通以外全通過の悲しい駅だけど、こだま号の停車駅。
    注目ポイントは、下り方面のみで行われるこんな放送。

    「ご案内いたします。この電車はただいま、途中の三河安城駅を時刻通りに通過致しました。次の名古屋まで、およそ8分です。〇番線到着、お出口〇側です。」

    この放送があること、駅の扱われ方からこの駅は「名古屋まであと何分かを知らせるための駅」なんて言われてる。いつも時刻通りの通過を知らせてくる辺りさすが東海道新幹線。ちなみに筆者は今年8回乗っているけど、定刻通過チャレンジの戦績は7勝1敗。

    上り方面は小田原を通過した辺りで新横浜まであと何分かを教えてくれる。

  6. 岐阜のクソデカ建物
    パナソニックの建物らしい。これも確かD、E席側。

  7. 727の看板
    コスメブランドの看板らしい。あちこちに生えてる。

終わりに

東海道新幹線について書いただけで2600文字近くなっていた。それだけこの『夢の超特急』はすごいし、日々進化しているのだ。

よく相手のお見送りでホームに行くけど、あの時間の寂しさといったらそれはもう。
駅員の「出発ヨシ」を合図に相手は電車に乗り込み、『乙女の祈り』と乗降終了ブザーに続いてドアが閉まってしまう。新幹線はあっという間に加速して、テールランプを光らせながら暗闇の中に姿を消す。
また会える日を思い浮かべながら見送る時間が寂しいけど、嫌いじゃない時間。

気づいたら、新幹線の予約票や無効印を押してもらった切符や入場券がたくさん溜まっていた。一個一個が自分達2人を安全に運んでくれた証でもある。

自分は恋人に会いに行くために使っているけど、帰省や出張、部活やオタ活の遠征の人だっている。さっきも書いたようにみんな誰か、もしかしたら何か、に「会いに行く」のだ。なので、JR東海の作る『シンデレラ・エクスプレス』や『会いに行こう』のCMは話題を呼ぶのだろうし、大切な人が離れている場所にいる人の心に響くのだろう。
時間と距離の概念を変えうるリニアが作られ、徐々に役割をそちらに渡すことになっても、大切な人とのコミュニケーションツールとしての新幹線がこれからもずっと走り続けられますように。


開業60周年を迎えた日でも、いつも通り人と人の心を繋げてくれる。今日も走り続けてくれてる…
CMのキャッチフレーズじゃないけど、

「いこう、待ってる人がいる」


そして、会いに行く人、待ってる人のために今日もこの声が各駅で響く

「安全、ヨシ!」

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