日記 2025.02.03~02.09
2月3日
病院の帰りに、母とやよい軒でお昼ご飯を食べた。私も母もやよい軒は初めてだったのだけど、思った以上においしかったし、母は食事の提供の速さにとても感動していた。
隣の席に若いカップルが座った。黒いダウンジャケットを着た男の子と、へそ出しのトップスを着たギャルっぽい女の子。
男の子は何回もご飯をおかわりしていて、若さがみなぎっている。
すると、男の子が「天気予報ずっと晴れなんだよ、最悪だ……」と話しているのが聞こえた。
ああ、ガテン系の仕事をしている子なんだな、と思う。うちの親戚にガテン系の仕事をしている人がいて、以前雨の日は仕事にならないから休みだと話していたことがあったのだ。
私は天気が悪いと体調もいまいちな感じがするのだけど、仕事柄、雨天がうれしい人たちもいるのだな。
男の子は店を出ていくとき、「ごちそうさまでした」とあいさつをして、女の子もつられて「ごちそうさまでした」と言って出て行った。
ガテン系は縦社会だから、厳しい親方にあいさつをするように日ごろから言われてるのかもな、なんて勝手に想像してしまった。
2月4日
恋人と美術館へ行った。知らない人の作品と並んで、アートに疎い私でも知っているような、ピカソやシャガールやレンブラントといった有名な人の作品もしれっと飾られていてびっくりした。
ピカソの絵の解説にはキュビズムについて書かれていて、アートに関する知識がある彼が「ゲルニカ」を例にわかりやすく教えてくれた。
私にとってキュビズムといえばチェコのキュビズム建築なのだけど、彼はあまり知らないようだった。
育ってきた環境というか、興味を持ってきたものが違う二人。私たちは考え方は似ているところが多いけど、興味を持つ対象は微妙に違う気がしていて、それが新鮮に感じられるから、長く楽しく付き合い続けられているような気がする。
2月7日
最近、初めてクラウドファンディングの支援をした。もっと地元を大切にするというか、地元での暮らしを楽しもうと思っていたところ、市内でカフェを始めるという方を知り、微力ながら応援できればと思って。
そして、そのリターンとしてお店で使えるクーポン券を受け取りに開店前の店舗に伺うことになった。
リフォームされたばかりのお店でお茶をごちそうになる。広くはないけれど、きれいな店内だ。
買ったばかりだというエスプレッソマシーンを使う様子も見させてもらった。コーヒーのいいにおいが店内に広がる。けれど、私はカフェインが苦手でコーヒーを飲めないので、なんだか申し訳ない……。
あっという間に時間は過ぎる。お店のお二人の話が楽しくて、気づいたら二時間(!)も経っていた。
帰宅して、さすがに長居し過ぎたな……と反省。初対面で二時間、どう考えてももっと早く帰るべきだった。ああ、やっちまった……。
でも、これがご縁で何か楽しい展開が待っているかもしれない。
最近、人と知り合うことって、実は思っている以上に面白いことのような気がしている。
元ひきこもりの私は人づきあいが苦手で、友達と呼べるほどの関係はなくてもいいかなと思っているけど、知り合いは多いほうが楽しいことにつながっていきそうじゃない? 自力だけでは行けない場所に行けそうじゃない?
ただ、人づきあいの経験が少ないので、いっぱい失敗もしながらやっていくことになるんだろうな。初対面で二時間も帰らない、とか!
普通の人が十代で経験するようなことを三十代でやっていく私を温かく見守ってほしい。
2月9日
ここ最近、寒くて風も強い日が続いている。ニュースによると、最強最長の寒波がやってきているのだとか。
それなら出かけられなくても、運動不足でも仕方ないよね。すべては寒波のせい。寒波は操れないもの。こたつに入ってしまうと出られなくなってしまうけど、寒波なら仕方ないな。
私は冷え性だし、寒さには人一倍気を付けないといけないからね。私が悪いわけじゃない。怠けているわけじゃない。
誰かに何かを言われるわけじゃないのに罪悪感のようなものがあるけど、ぜんぶ寒波のせいにして、私は私を甘やかすぞ。
よく眠れたし、今朝はいつもより遅く起きた。おかげで一日がのんびりと進む。
おやつに冷凍の今川焼をレンジでチンして食べた。あたたかいって、ありがたい。
こたつで白湯を飲みながら、何もしなかった。何も……。
来週はがんばりましょう、私。