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自分の機嫌を取りながら(5月前半の日記)

5月4日
自転車で図書館へ。
前回は歌集2冊ととエッセイを借りて、結構頭を使いながら読む感じで疲れたので、今回は雑誌感覚で読めそうな写真とイラストが多めの本を中心に借りてみた。
ミニマリストの方の本とか、暮らしのアイデア的な本。あと、予定は未定なのでかなり気が早すぎるけど、結婚する人向けの本も勉強になりそうだったので借りてみた。

図書館のそばには中学校があり、休日だけど部活動が行われていて、いろいろな音が聞こえてきた。吹奏楽の練習の音、バッシュが体育館の床で止まるときのキュっという音、何部かわからないけどグラウンドで談笑する声……青春かよ。
ついつい自分の中学時代と比べちゃうけど、私の中学時代は20年も前のことだと気づく。っていうか、私はもうどちらかというと親世代で、中学生の子供がいてもおかしくない年なんだな……。そう思うとゾっとして、急いで自転車を漕いで帰る。

帰り道、田んぼには水が張られていて水面がキラキラしているけど、よく見ればそれは泥水で、真水に戻すことは難しい。私の核の部分は泥水なんだよなーと思う。十代のころから積み重ねた劣等感や希死念慮でいまだに淀んだままなのだ。

実家暮らしでまだまだ子供気分が抜けてないのに、四捨五入したら40歳……なんだか焦る。焦っても何もいいことはないと分かっているのだけど。


5月5日
バスで行きつけのスタバへ。
初めて注文したほうじ茶ラテがおいしい。
1日にタリーズに行って、そのときもほうじ茶ラテを飲んだ。
私の中で突然のほうじ茶ラテブーム到来。甘さ控えめが今の気分なのだろう。


5月8日
精神科の通院日。
働かないこと、体調を優先したいことについて肯定してもらえたのでうれしい。
薬も減らすことになった。

病院後の昼食は今回もココスで。
商品券を持っていたので、奮発してチーズケーキも食べた。めっちゃふわふわで温かなチーズケーキにびっくり。おいしかった。


5月11日
入院していた祖母が老人ホームに移ったので面会できることになった。
週に1度、15分程度、3人までという決まりだそうだ。
母と妹と面会に行く。認知症が進んでしまったと叔母に聞いていたから覚悟して行ったのだけど、やっぱり私たちのことは分からないようだった。「あなたたち三姉妹?」と言われたりした。そりゃあないぜ、ばあちゃん……。

会話は普通にできる。けど、すぐに忘れちゃって、同じことを繰り返して言う。
「みんないい人たち」「ありがたい」と何度も言っていた。文句とか嫌味ばかり言う年寄りになっていなくてよかった。

「手が白くなったね」「畑仕事してないもんね」と話しつつ、私たちは祖母の手をさすった。
今すぐに死を意識するような病状でないとはいえ、もう祖母には私たちが誰かわからないこと、今後会える回数が多くても数十回程度なんだろうということが切ない。

なんだか涙が出てきてしまって、鼻水も出てきて、マスクがあってよかったと思った。
面会後、車に戻って鼻をかむ。母と妹も鼻をかんでいた。たぶん、みんな泣いていたんだと思う。


5月12日
気持ちが落ち込むことがあったので、数日前にたまたまグーグルマップで見つけた焼き菓子屋さんに行ってみることにした。
バスで約25分。乗り物酔いがひどい私、最近は少しずつバスにも慣れてきたけど、15分以上乗るのは初めて。
地元だけど家からは離れた地域なので、バスは私の通ったことのない道も行く。で、その度にちょっとだけ緊張してしまう。「わー知らない道だ」「こっちであってるよね?」と不安になりながらも、無事目的地到着。

焼き菓子屋さんは個人でやられていて、毎週金曜日だけオープンするという小さなお店。
クッキー、フィナンシェ、パウンドケーキ、マフィン、マドレーヌ……焼き菓子が机にたくさん並んでいて、焼き菓子好きの私はテンションが上がった。
小さなお店にはレジもなく、店主の方が電卓で計算をして、缶からお釣りを出してくれる。1000円分ほど買って店を出た。もうすでにほくほくした気持ち。ぜったい今後も通う気がした。

帰宅して、まずは賞味期限が短めのバナナケーキを食べる。
しっとりしていて、バナナも存在感がある。シナモンも効いていておいしい。
次はクッキー。数種類買った中からミルクティークッキーを食べる。
私より先に一口食べた母が「好きなクッキーだ!」と言う。ほろっと口で崩れていくおいしいクッキー。紅茶の香りもしっかりと感じられた。
とにかく、どれを食べてもおいしくて、落ち込んでいた気持ちもかなり回復した。

自分の機嫌は自分でとる。おいしいものを食べることは機嫌を取るのに一番手っ取り早い。
自分の取り扱い方がうまくなってきた気がする。

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