日記 2025.01.27~01.30
1月27日
家族と成田山へ初詣。午前中の早めの時間に行ったけど、やはり1月は人が多めだ。インフルエンザ諸々がこわいので、不安な気持ちが高まる。
ささっとお参りを済ませて、おみくじを引いて(吉!)、近くのイオンでランチを食べたり買い物をしたり……。
書いてみると楽しそうだけど、実際はあまり楽しくなかった。家族とのお出かけってこんなに退屈だっけ……?
はっきりとした原因はわからないけど、なんだか退屈で、家族から少し距離を取って歩いた。
両親に気を遣える妹が両親の歩く速さに合わせたり、荷物を持ってあげたりしているのを見て、私はつくづく気を遣えないなーと思うけど、これが退屈な理由ではない気がする。
これじゃない感じというか。ずっと実家で家族と暮らしているけど、それは好きだからではなくて選択肢がないからなんだよな、って再確認するような。
私はここにいたくないけど、いるしかない。私も家族も毎晩同じ家のなかで眠りにつき、翌日もそこで目を覚ます。一週間後も一か月後も、きっとその先も。
そんなことが、ずしーんと心に落ちてきて底まで沈んでいくような一日だった。
1月28日
気分転換のためにスタバへ。スタバに行くときはいつも本を持っていく。今日は図書館で借りた句集にした。ハードカバーのしっかりした本なので重い。
というか、トートバッグには本以外にも手帳やノートや水筒やスマホやポーチやお財布も入れているので当然重い。
重いな……重いな……リュックにすればよかったな……と思いながら、どうにかお店にたどり着いたのに、手帳を書いたり短歌を作ったりしていたらあっという間に時間は過ぎて、結局本を開くことはなかった。
ただ本の重さを運んだだけになってしまったけど、気分転換はできたのでよしとする。
帰宅してスマホを見ていると、ビームスとルルメリーのコラボ商品の情報が目にとまった。このコラボは毎回可愛くて、特にバッグが私の好み。レトロな印象の花のイラストがおしゃれだ。
でも、写真を拡大して見れば見るほど私の荷物の重さには耐えられないデザインだろうな、と思う。
ハンドルが細いし、素材はきっと合皮だろう。今まで荷物の重みで合皮素材のバッグをいくつも破壊してきた私はそっとページを閉じた。
1月30日
少し前にXでジュエリーに関する投稿がバズっていた。『三十代で数百円のアクセサリーを愛用していたけど、気づいたら同世代の人たちはいいジュエリーを使っていて、自分も……と思うけど何を買えばわからない』というもの。
これを読んで、私のことだ! と思った。そろそろ私もジュエリーの購入を検討したいけど、本当に本当に何も知らない。まずは知るところから始めなくては。
バレンタインの催事に行くついでに、デパートのジュエリーのお店を見てみることにした。
一件目のお店はお客さんも数人いて、思ったより入りやすい雰囲気だった。恐る恐る未知の世界へ近づく。店員さんもそんなに接客してくる感じでもない。
ジュエリーを見て真っ先に思ったのは「小さい」ということ。宝石が高級なのはもちろんわかっているけど、こんなホクロくらいの大きさの石が数万、数十万するなんて……。震えるというか、固まってしまう。どうやら私には宝石の価値が分からないようだ。
デザインとか好みとか、そんなことよりもとにかくまず値段を見てしまう。そして、「高っ! この小ささで!?」 と思ってしまう。
正直、ジュエリーに無縁だった私は、お店に足を踏み入れたら何かが目覚めてしまうのではないかと心配していた。宝石すてき! きらきらしてる! たくさん欲しい! と、沼に落ちてしまうのではないかと。
でも、実際には全然そんなことなかった。「小さいのに高っ!」としか思わなかった。
二件目のお店は他にお客さんがいなかった。店頭には数万円台のジュエリーが並んでいる。
思ったよりは安いと思ったものの、前述の投稿を引用して『ジュエリーや着物は店頭にお手ごろな値段の商品を並べてカモが寄ってくるのを待っているから注意』と書いている人がいたのを思い出した。
そんなことを考えていると、店員さんが近寄ってきてぐいぐい話しかけてきた。
「こちらは春の新作でして……」や、やばい! カモにされてしまう……! こわくなって急いでお店を出た。
もうジュエリーはいいや……と息を整えながら駅ビルのなかをうろうろと歩く。
ジュエリーのお店を見たあとに数百円台のアクセサリー売り場へ行くと、実にチープに見える。おもちゃじゃん、これ。今まで愛用していたのに、恥ずかしくなってくる。
いつも寄る洋服屋さんで、今まであまり見ることがなかったアクセサリーのコーナーを覗いてみた。きちんとしたカジュアル、みたいな印象の洋服屋さんで売られているアクセサリーは数千円台のものが多いようだ。おもちゃっぽさは感じない。これぐらいが私にはちょうどいい気がする。
数千円台の商品が中心のアクセサリー屋さんも見つけた。ジュエリーのお店にはなかった大ぶりなデザインのイヤリングに惹かれる。値段は約三千円。購入はしなかったけど、これなら買えるし落としてもショックが少なそうでいいな、と思った。
いきなり数百円台から数万円台に手を伸ばそうとするのは飛ばしすぎだったようだ。私は数千円台のアクセサリーを愛用しようと決めた。