【1万円のスパゲティ】
1皿1万円のスパゲティの話だ。
さぁ何を作る……となれば大して難しい話ではない。3000円〜5000円ぐらいの材料費をかければ1万円のスパゲティは作れるさ、原価率30%付近なら妥当なところだろ、簡単な話なんだ。
作るだけならそう、それで良い。けどこれを売るとなると話は変わってくる、久しぶりのnoteはそういうテーマ。
たっぷりのイタリア産フレッシュポルチーニと黒トリュフでも使ってみようかな。白トリュフまで使ってしまうと気がついたら1万円超えてしまうからそれは控えよう。チョンとのせるぐらいならアレだけど、トリュフはわりとたっぷり仕上げに使いたい派。
分かりやすい食材ならお客さんも原価を想像しやすいから、トリュフ、ポルチーニ、スカンピ、なんかはよく使う。と言ってもなかなか1万円のスパゲティで……とはならないけど。
北海道産の食材なら雲丹なんかも良い。100gの雲丹をのせたらそれだけで原価は3000円を超えるしね。北海道産塩水雲丹たっぷりのスパゲティとか1万円でいかがだろう?
さて、難しいのはこれを売ることなんだけど、原価300円で作った1000円のスパゲティと、原価3000円で作った10000円のスパゲティって、同じ原価30%なんだけどだいぶ違う。
それはなぜかってやっぱり一般的な普通のスパゲティの価格が1500円前後だからだろう。そのイメージがあるから同じ減価率でも10000円は価値としてではなく、価格として高いという印象を与えてしまう。
そんな値段じゃ誰も注文しないから……ってことでだいたい1500円前後のメニューが溢れるよね。
けど、原価1000円で食べたお客さんが納得する1万円のスパゲティを作る方が、原価100円で食べたお客さん納得する1000円のスパゲティを作るより簡単だと思ったりもする。これは料理人ならなんとなく理解してくれるんじゃないかな。それを20皿作るってなったらより分かりやすいかもしれない。
1500円前後のメニュー構成の中に1万円のスパゲティをぶち込んだら売るのは大変だけど、全部のメニューが1万円前後ならそんなに難しいことではない。そんなの誰が食べるんだよって言う人もいると思うけど、じゃあ50g1万円のキャビアはなんで売ってんだよって話で、そこには必ず需要があって、だから供給があるんだし、そういうお店って実は『流行りの……』とかではないところでたくさんある。
なんの話だっけ?