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約束は好きですか?

『ねえ、カナ。約束って好き?』

『約束?とくに好きとか、きらいとか思ったことないけど?』

『私ね、実は約束ってちょっと苦手だったんだ』

ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。ミホはいつも、私にいろんな心の話をしてくれるの。

『え?どうして?』

『ほら。約束って、守らなくちゃってプレッシャーとか、ちゃんと守ってくれるかなっていう不安を感じたことない? 』

『あー。それはあるけど、わざとじゃなければ仕方がないよね。私は、あんまり気にしないほうかな』

『そっかー。別に約束をわざとやぶるつもりはないんだけど、約束って信頼とか誠実さみたいなのを宇宙から試されてるみたいで、なんかイヤだったの』

『いいじゃん。信頼と誠実。例え、約束がうまくいかなかったとしても、精一杯向き合えば私はそれでいいと思うな』

『だよね。私ね、最近やっと、それを受け入れられるようになってきたの。約束はもちろん守れた方がいいけど、それが困難なときも含めて、結局はお互いの心の信頼関係なんだよね』

『そうそう。それに、私は信頼している間柄なら、たとえ実現できるかどうかわからないような未来を約束をするのだってありだと思うよ』

『実現できるかわからない未来?』

『そ。来世でも会おうね。とか。先に死んだら会いに来るねとか。ミホ、大好きでしょ?』

『うん。カナとのそんな約束なら、大歓迎だよ』

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