【第22話】世論を気にしてコロンと転ぶ
みらにちは、 未来人J です!
前回は「上司」について話しました。
今回は「マスコミ」について話します。
未来では、殺人事件や火災や交通事故などの
ニュースをマスコミは報道していません。
A.Iが関係者に速報で伝えてくれるので、
マスコミが報道する必要がなくなりました。
マスコミの報道は
犯罪者に社会的制裁を与える意味がある
という効果もあったので、その代わりに
未来では、有罪判決が出た時点で
氏名、住所、顔写真等が公開されます。
プライバシー?
犯罪者にも人権がある?
容疑者段階で報道されるよりは、
全然マシだそうです。
また、前科がある者が外出すると、
A.Iの監視が人一倍厳しくなるため、
犯罪行為に着手した瞬間に逮捕されます。
そのため、未来では再犯率は低くなり、
再犯による被害は著しく低いです。
では、未来のマスコミは
何を報道しているのでしょうか。
未来では、全世界で起こった出来事、
事件や事故、現象などを
総合的に情報収集、調査し、
そして、そこから考えられる未来予測を
マスコミは報道します。
現在の天気予報のように。
経済予報、政治予報、情勢予報。
マスコミ各社が揃えた知識人たちが
頭に汗をかいて予測しています。
予報が当たるかどうかで
各社の視聴率に差が出てきます。
なので、未来ではニュースと言わず、
Comes(カムス)と言っています。
”来る”ってニュアンスですね。
ところで、
現在のテレビを見ていると、
よく謝っていますね。
単純な言い間違いを誤ったり、
バラエティ番組で
不適切な表現があったと謝ったり…
友人に
「あれは誰に謝っているのか?」
と聞いたら、
「世間だよ。」
と言われました。
人間の集団=世間
狭い社会だなとは思いませんでしたが、
世間い社会だなと思いました。
「あぁ、現在のマスコミは謝ってばかりで
大変だなぁ・・・」
と思っていたら、
痴漢で捕まったけど誤認逮捕だった場合には
謝っていませんでした。
よくわかりません・・・
日本で一番重要な法律である
憲法の本には、
表現の自由だとか、
報道の自由だとか、
知る権利だとか、
表現の萎縮だとか、
色々書いてましたが、
要するに、
表現することは
人間の尊厳に関わる
とても重要な行為で
マスコミはその重要な役割を
担っている。
誤認逮捕のたびに謝ってたら、
そのうち何も報道しなくなる。
マスコミが報道しなくなったら、
国民の知る権利に関わる。
マスコミの表現を
萎縮してはいけない。
明らかな間違いは謝るが、
その他は謝らない!
ってことでしょうか。
名前を言い間違って謝って、
犯罪者扱いしても謝らない。
私も、憲法の本を読んだから、
そんなもんかなと思います。
しかし、
憲法の本を読んでいなかったら。
名前を言い間違って謝るのに、
犯罪者扱いして謝らないなんて、
おかしいんじゃないかと思います。
まぁ、安心してください!
先ほども言ったように、未来では、
事件や事故のニュースは、
A.Iが伝えてくれます。
あなたにとって、重要なニュースから
伝えてくれます。
すぐに、教えてくれるニュースは、
近隣で起きた事故や事件のニュース。
例えば、現在の事件で置き換えると、
逮捕者が逃げ出したときには、
周辺住民にはA.Iがすぐに伝えてくれます。
その間、1秒。
住民はすぐに対応できます。
つぎに、教えてくれるニュースは、
生活に関わるニュース。
新しいオレオレ詐欺の手法が出たら、
すぐに教えてくれます。
だから、マスコミが
ニュースを流さなくても
全然問題はありません。
ちなみに、未来予測を外しても、
当然、マスコミは謝りません。
外れることがあることを
視聴者は理解しているからです。
ただ、未来のテレビみたいなものでは、
バラエティ番組はなくなりました。
世間という誰かわからない相手を
気にしすぎて、
また、優等生みたいな対応で
何かある度に謝り続けたテレビは、
いつしかできることがなくなりました。
優等生は開き直ることもできず、
手も足も縛られたみたいになりました。
そして、
世論を気にしすぎた結果、
コロンと転んで立ち上がれなくなりました。
だから、未来では、バラエティは
YouTubeみたいなネット動画の
独壇場となってます。
スポンサーにとっても、選択肢も多いし、
不適切動画があればすぐにCMを外せるので
都合がいいそうです。
次回は「猫」について話します!
お楽しみに!
注意 この記事はフィクションです。