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ニュースが出た今、ホール&オーツ愛は深くなる一方で

先日の投稿はこちら。

今回は↑の続きのつもり。


と書こうと思ったら、来日中にいきなり飛び込んできたニュース。少しずつ詳細がわかってきたようだが。

彼らを「デュオ」と紹介している媒体をよく目にするが、
そもそも「デュオ」と呼ぶこと自体、彼らのことを誤解している。

"Daryl Hall &John Oates"とは「Daryl HallとJohn Oatesという二人のアーティストが一緒に活動しているよ」というスタンスだと、何かの本で読んだことがある。

ということだから、自分が書いた曲は自分が歌う。ダリルのほうが生産量が多いから、自然とメインを取る曲の数もダリルのほうが多くなる。

「ホール&オーツ」とはそういう形態、「解散」という形で表現できない集合体なんだと認識している。

一緒に活動したくなったらまた集まるのだろうし、その気がなければこの集合体にはお目にかかれない。


二人が作る作品が好きだから、
騒動は円満に解決して欲しいと願っているし、
その日が来ることを信じて待つしかない…


愛は伝わっただろうか。。。


音楽ジャーナリストの吉岡正晴さんが、とてもわかりやすく解説しておられるので、リンクを貼らせていただきます。


さて…

ダリル・ホールの2ndソロ・アルバム以降と、その頃のホール&オーツ名義のアルバムから、実質最後(直近?)のオリジナル・アルバムまでを年表にしてみた。

アルバム発売年表
(赤で囲んだ年にH&Oは来日している)


長ったらしいタイトルだったダリルのソロ2作目のあと、
ホール&オーツ名義で2枚のアルバムを発表している。

この2枚を聴くと、それまでの「全米No.1ヒット曲連発」アーティストから、次のフェイズに入ったように感じる。楽曲に深みが増したというか。

アルバム『Ooh Yeah !』の中でもダントツに素晴らしい、
「Everything Your Heart Desires」。

次のアルバム『Change Of Season』収録のジョン・ボン・ジョヴィがプロデュースで関わった「So Close」は名曲。最近ライブで演奏してくれないけれど、この来日公演のライブ映像は屈指の名演だと思う。

どちらもシングル曲だけれど。


このあとダリルはソロ3作目を発表する。

『Soul Alone』(1993年)

1993年発表。
プログラミングされたサンプリング・ドラムの上にソウルフルな歌が乗っかっている感じが、今聴くとかなり90年代っぽい。

ダリルのアルバムの中では一番よく聴いた作品かも知れない。
90年代はHip-Hopをはじめとして、かなりブラック・ミュージックを聴いていたので、当時のブラック・ミュージックを意識して作られたであろうこのアルバムはすんなり入ってきた。そしてこの作品における歌唱表現が好きだ。


『Can't Stop Dreaming』(1996年)

その後のホール&オーツのライブでも何曲か取り上げられているが、正直このアルバムは新鮮に感じなかったし、ワクワクもしなかった。
「She's Gone」をセルフ・カヴァーしているが「で?」というのが正直なところ。
翌年に発表されるホール&オーツの久しぶりのオリジナル・アルバムを待ち焦がれていたこともあって印象が薄い。
個人的趣向による感想。

一応、Spotify貼っておく。


Hall & Oates 『Marigold Sky』(1997年)

1997年に発表されたホール&オーツ『Marigold Sky』を引っ提げて、翌1998年に来日する。

日本ツアー初日がなんと!地元の浦和市文化センター(現・さいたま市文化センター)で行われた。
大好きなアーティストが浦和に来る! 当然、浦和公演のチケットを取り母親とふたりで見に行った。忘れられない思い出だ。


Hall & Oates 『Do It For Love』(2003年)

ホール&オーツ名義最後(直近?)のオリジナル・アルバム。
アルバム発表後、ツアーで来日している。

来日中、テレビ朝日系列の夜の報道番組『ニュースステーション』で生演奏を行った。極東のいち報道番組で、当て振りでなく生で演奏するところに誠実さが伺えたし、とにかく演奏が素晴らしかった。ファンで良かったと思えた瞬間だった。


『Laughing Down Crying』(2011年)

2007年から『Live From The Daryl's House』がはじまる。

ダリル・ホールを新しく知った人は、自宅からライブ番組を発信しているアーティストというイメージなのだろうか。
そのむかしホール&オーツという名前で活動していたんだよ、という感じ?
いやだいやだ。

そして2011年にDaryl's Houseの雰囲気をそのまま詰め込んだような、とてもリラックスしたサウンドの5枚目のアルバムを発表した。

メガヒットを求められることもなく(想像)どこまでも自由。
自分の思いのままを制作できる環境ってなんて素晴らしいことだろう。

フォーキーな曲調の源流はやっぱり『Change Of Season』。80年代と一線を画した作風のはじまりだった。そこからの道筋も見えると思う。

M-4「Eyes For You (Ain't No Doubt About It)」は、ホール&オーツ・ファンなら思わずクスッとしてしまうアレンジになっている。彼なりのユーモアなのかしら。



ヒットメイカーの宿命だけれど、ライブではこれまでのヒット曲を求められ続けるだろう。
全米No.1ヒットが6曲もあるわけだし。

今でも「Private Eyes」を演奏する気持ちってどんなだろうか。

個人的な意見を言うと、セットリストから外してもらってもいいと思っている。

サビでクラップするアレ、なんか恥ずかしくないですか。


NHK『サラリーマンNEO』という番組で、
「Private Eyes」がBGMで流れている喫茶店で、80年代風のスーツを着た客たちがそれぞれ思い思いの時間を過ごしているなか、サビが流れた途端全員一斉に「パン!パパン!」と手拍子するというコントがあった。


80年代にマッチし過ぎていて「懐メロ」という感じがする。

それに比べると「You Make My Dreams」のようなソウルフルでファンキーな楽曲は、とくに近年のライブパフォーマンスはカッコ良く、時代を超えた楽曲の魅力を感じる。
これもじゅうぶん彼らの代表曲ではあるけれど。

我々はアンコールのことをよく「残業」と言っているが「Private Eyes」は ”サービス残業” の最たる例じゃないか。

世間的にはやっぱり「ホール&オーツ=プライベート・アイズ」ということなんだろうか。そんなイメージに固められているようで、勿体ないなと思う。


『Before After』(2022年)

5枚のアルバムをまとめたベスト盤。
年代順に並んでいないところ、ダリル本人が曲順を決めたということで、あれこれ想像しながら聴いていくのも面白いかも知れない。



ということで繰り返しになるが、
今回のダリル・ホールの来日公演には行っていない。

ライブを見た人たちのダリルの歌唱に対する高い評価がSNSで多く見ることができた。

同じことはホール&オーツでの公演でも感じた。
毎度凄いと思うのは、オリジナルKEYで歌い続けていること。年齢を重ねるとともにKEYを下げて歌うアーティストがどれだけいることか。絶対音感がなくても聴くと「なんか違う」と感じてしまうし、それでテンション下がることだってある。

と思ったら今回の公演「I'm In a Philly Mood」は長2度下げて歌っていた。

まあまあ。



騒がしいニュースが出たこんなときだから。


ダリルの横にはジョンにいてもらわないと落ち着かないのだ。
ステージには2人並んで立っていて欲しい。

今回の来日公演ではホール&オーツの曲も演っただろう。
それは頼もしいことだと思う。

ホール&オーツのライブ見ているとどうしてもダリルに目が行ってしまう、
これは事実。

でもダリル1人じゃ何かが違う。
ジョンの存在って大きいんですよ。


だから今回のチケットは取らなかった。


ホール&オーツで日本を訪れてくれる日が来ることを願って祈っている。


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も〜がん|Keiichi TAKENAKA
どうもありがとうございます!