世界一のホテルチェーンを作った男、ケモンズ・ウィルソン

皆さんはホリデイインをご存知でしょうか?

ホリデイインは、インターナショナルホテルグループ(IHG)の傘下にあるホテルグループです。1988年にバス・ホテルズに買収されました。

買収時点で、世界最大のホテルチェーンはどのようにして設立されたのでしょうか?

鍵となるのはこの人物。

彼が、一代で世界最大のホテルチェーンを気づいた男「ケモンズ・ウィルソン」です。

ウィルソンはワシントンD.C.への家族旅行の後にホリデイインのアイデアを思いつきました。その当時のロードサイドのホテルの質に失望したのです。

1952年に彼は生まれ故郷のメンフィスに初めてのホリデイインを開業します。

1957年には、ホテルチェーンとしては初めて「フランチャイズ」を導入します。

飲食業界で導入されていたフランチャイズ方式によって、物件の質が平準化され、清潔で、予測可能で、家族向けで、道路の通行者とって使いやすいという今日のホテルチェーンにつながる経営方式を導入しました。

その結果1958年には50施設、1959年には100施設、1964年には500施設、1968年には1000施設と劇的に成長しました。

ここで、ホリデイインの驚異的な成長にはいくつかの理由があります。

1.1950年代以降、アメリカ人の交通手段が自家用車へと変化する中で、都会のホテルではなく、広い駐車場がある郊外のホテル(モーテル)が必要となった点
2.清潔で質の高いサービスを低料金で提供した点
3.人件費を圧縮するため、セルフサービス方式を導入した点
(チップが不要になった)
4.清掃作業の効率を高めることで職員の数を減らした点
5.ホテルの設計や施工の面、そして大量生産によるコストカットで建設費用を削減した点
6.航空会社が導入していたコンピュータ予約システムを応用し、空室状況によって部屋価格を変動させるダイナミックプライシングを導入した点
7.満室の場合、責任を持って他のホテルを紹介する点

これらの「顧客を安心させる」「セルフサービスの導入」「低廉な価格での提供」といった考え方は格安航空会社でも用いられています。

これは、ウィルソンが当時のホテルに対して抱いた失望・不信感が素となっています。また、飲食業界ですでに成功していたフランチャイズをホテル経営に持ち込むことも急激な成長の鍵となりました。

あなたの周りのちょっとした失望も、新しいビジネスを築くチャンスとなりうるのです。

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Garyu
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