スキマスイッチ・大橋卓弥さんが桜井和寿のボーカルを考察
スキマスイッチ・大橋卓弥さんが語ったMr.Children・桜井和寿さんのボーカルについての考察2017(年)
【大橋】ボーカル目線で見た考察
歌い方に幅がありすぎる桜井和寿の歌声~ストーリーに合わせ歌声を変えられる表現力
「僕がボーカリストとして桜井和寿さんを見た時に、曲によって声色を変えられたりもしてますけど、一曲の中でもストーリーに合わせて歌い方を変えてるんだろうなーって思うんですね
セオリー通りの歌い方ではないと思うんですよ。たとえば、腹式呼吸で太い声を出すというよりは、曲によっては喉をぐっと閉めて切ない響き方に持って行ったりとか。HEROって曲はそれがすごくよく出てると思うんです。Aメロですごく弱い主人公がサビでヒーローになりたいんだって思いにつながっていくんですけど、一番では、それがまだ確信ではなくて、だから、サビの途中でファルセットを使ってると思うんですよね。最後のサビになると、それが地声になるんですよ
日本人の発声って、喋ってる時に腹式呼吸じゃなくて喉で喋ってるって言われますけど、そういうのを歌にも使うことによって、喋りかけてるような雰囲気を出したりとか。、で、ファルセットを使わず地声で歌うってところで、主人公の意思を言葉と同時に喉で表現してるような風に思うんですよね」
「あとは、タガタメという曲なんです。タガタメも歌い出しは、すごくちっちゃなテーマ、日常の一瞬を切り取ったかのようなテーマからものすごい大きなテーマへ最終的に広がっていくんですけど、最初のうちは日常の幸せなワンシーンから始まって、それが後半にくるに従って心の叫びに広がっていく。で、タガタメの最後の方ってもう喉を潰すぐらいに歌ってるんですよね
ボーカリストって、喉を潰さない歌い方を基本的に教えてもらうと思うんですけど、それをじぶんが喉が潰れるくらい叫ぶことによって、これが伝えたいんだってことを人に叫んでいるわけですよね。それって、歌が上手いっていうのを超えたもののような気がして
頭で思い浮かべた演出を喉で表現できる人、歌だけでも表現できる人なんだろうと思いますね。すごく斬新だし、新しいなーとは僕は思いましたね」
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