格言_181210

芸能界に入った時は、オレも一年生。演技もしたことないし、セリフも覚えたことはない。

 

だからみんな先輩、楽屋では子役のところにも挨拶に行った。

お芝居なら覚えられないセリフも必死で、本番まで覚えたよ。

 

バラエティならみんなが読まない脚本も読んで、きっちり自分の役割をこなした。

だから、『ガッツさんちょっとおかしい』とも言われたね。

ケーキは顔に塗られるし、馬鹿な役もやらされる。

『チャンピオンも引退したら悲惨だね』って言われたよ。

 

でもね、『おしん』というドラマの時にいきなりセリフの多い役で大抜てきされた。

聞くと、橋田壽賀子先生じきじきの指名だよ。『先生、なんで僕を選んだの?』って聞いたの。

そしたら、先生からは意外な言葉が返ってきた。

ボクシングで言えばカウンターパンチみたいなもんだ。

橋田先生の言葉はこうだった。

 

『あんた、一生懸命やってるじゃない。普通、ボクシングのチャンピオンでこの業界に入るとみんな天狗で鼻持ちならないのよね

あんたは、チャンピオンのガッツ石松ではなくて、役者の、芸人のガッツとして頑張った。だからこの役はガッツ石松のために用意したのよ。あんたが一生この業界で食っていけるように』

 

オレは人目もはばからず泣いたよ。

見てる人は見てるんだって思ってさ、、、、。

 

 

ガッツ石松

 

~Shimamurythm~


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