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人生の迷子に成らないように

数少ない同年代現役デザイナーの友達から電話があった

1年面倒見てた20代前半フリーランスとの契約を切ったらしい
理由は成長の遅さ。
1年かけてこちらが求めているレベルに育ってくれたらということで
文字組や紙面のレイアウトなどDTPオペレーターみたいな仕事をずっと任せていた二人のうちの一人。

給料もしっかり払いつつ添削をして、精度を上げるために納期の長めのものを任せるなど、およそ仕事というレベルでなく、実案件指導のようにやっていた。たしかに時折「しんどいわ〜一人でやったほうが楽だよ」なんて冗談交じりの愚痴も言ってたが、それでも若手を育てたい気持ちが強く真剣に向き合っていたし楽しそうだった。

私もその若手を交えて一緒に飲みに行ったり、時にはデザイン論とか話して聞かせたりしてたのである程度どういう人物なのかは知っていて

その二人は言うならば
Aはイラストをメインにしたいデザイナーで、デザインが出来たほうが強いし仕事も取りやすいと言う理由で勉強していた

Bはデザイン全般に興味があって、時代のニーズに敏感で色んな事ができるように成りたいタイプ


結果、契約更新できなかったのは【B】だった。


契約更新できないと言うはなしのときに「これだけ成長しました!見て下さい!」と見せられたのが【写真のレタッチ】【AEのタイポ動画】だったらしい。同期のデザイン事務所はバリバリの紙物の広告屋でその事は皆わかってる。でも彼は自分のやりたいことだけやってきたのだ、そして残念ながらその全てがプロとして対価を出せるレベルではなく「やったことあります」レベルでしかなかったらしい。

それを見たとき友人は「俺はこれ見せられてどうしたら良いの?これの営業してこいってこと?」そう聞いたそうだ。それに対するBの回答が「自分は自分のペースで進歩してます!努力してます!そこを評価して下さい!」だったそうだが、「でもその技術うちじゃ使えないよね?」と言いAが作った直近のレイアウトを見せた。おそらくそれを改めてマジマジと見たBも思うところ有ったんだろう「自分は才能がないんですか?」と聞いてきたらしい。友人は「Aはイラストやりたいからって絵の基礎練習と、こっちの仕事の紙面レイアウトの練習だけを1年頑張ったらしいよ、才能よりその差じゃない?」と答えた

新しい技術やソフトは魅力的だし触りたく成るのもわかるけど、それを触ってる時間が遊びなのか自分の今に対する勉強や努力の一部なのかは履き違えてはいけないということ、その結果がモロに出た話、そして同様の話をこの1〜2年嫌というほど見聞きしていて、沢山の人がこの現象にとらわれていると思います。

なので正直この話を聞かされたときの私の印象は「またか・・・」でした。

指導者の責任と言われたらそうなのかもしれません
でも指導者とは言え、四六時中側についてアレをしろコレは駄目だということは出来ないし取捨選択していくのは本人の責任です。何を目指していてそのために何をするのか?時々立ち止まってそこをしっかり見据える確認作業をしないと、人は案外簡単に道に迷ってしまいます。

コレを読んでくださったみなさんも、どうか迷子になる前に道を確認して下さい。

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