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2024年前期描いた絵を総括する。
前提として
生まれてから今まで、絵というものを描いたことがない人間が2022年12月より思い立って絵を描いて公開出来るようになるまでのお話は、過去の記事より御覧ください。
年に一回総括する予定だったんですが、現在二次創作活動を休止しているため、原稿に割いていた時間をほぼ全て絵の練習に費やしているせいなのか、枚数が今の時点で去年の枚数を超えてしまいそうだったので、今年は前期・後期で分けることにしました。
もともと過集中気味であるのと、なにかしていないと落ち着かない回遊魚のような人間なのでかくあるべし、という感じです。程々ができんのか。
とはいえ、去年の総括以上に、この半年間で絵に対しての気付きが多かったのも事実ですので、良いタイミングだったかもしれません。もともと自分用の備忘録のつもりでしたので。
2023年12月のお絵かき
この期間何をしていたかと言うとTRPG(CoC)をずっとしていた気がします。そうなると立ち絵が欲しくなる人間なので描く枚数が必然的に増えるわけですね。いいかどうかは別として、とにかく人体を描ける様になるなあ、と思います、TRPGって。
もちろん卓をするに当たって、別に立ち絵は必須のものとは思っていないのですが、自分の場合は練習を兼ねて時間がある場合、継続探索者でいくシナリオでも新規立ち絵を描いているんですよね。とにかくこの時期はいろんな立ち絵を描いていたと思います。
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上を見ればわかると思いますが、1ヶ月で6人はどうみても描きすぎですね。
実際は4シナリオだけなんですけど楽しくなりすぎて1つのシナリオで3枚描いているという謎の行動力を出しているため、こんな事になっているわけです。
ただ枚数を重ねることによって様々な気づきがあったので以下に箇条書き。
線画と塗りの相性
上達のために必要なことは質より量ではない
光と影のお話
まあ、こんなところでしょうか。では一つ一つ説明してみます。
線画と塗りの相性
これは塗り方について、去年迷走した結果分かったことでした。
私の線画は線が少ない方だと思うのですが、このときの塗り方はいわゆるアニメ塗りをしていて、絵に対する情報量を色で書き足すやり方をしていました。
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グリザイユに手を出したのもこの頃です。確か立ち絵画像の一番左はグリザイユで塗っていた気が。
今でこそ絵の情報量を増やすという言葉はすんなり頭に入ってくるのですが、この時点では「え、ようはいっぱい描き込めばいいってこと???」となっていたので、いまいちよくわかってなかったんですよね。
一番目を引きたい部分の情報量を増やすことでそこに目を行きやすくする、という事を理解できていなかったので、この頃は線も塗りもとにかくあっさりしています、あっさり。
なので、お絵かき初期に比べれば人を描けるようにはなったけれど安定感がない(=惹かれない、魅力を感じづらい)状態がこの時期でした。
ここから4月までしばらく塗り方迷走時代が始まります。
上達のために必要なことは質より量ではない
これは絵が上手い知人から言われて納得したことです。
立ち絵を書く時、だいたい1枚につき5~6時間くらいでラフ~仕上げまで行っていたのですが、それで今の絵がかけるのならば更に倍かけてみろ、と。時間をかけて線画から塗りまで見直すこと、人体でおかしいところはないか、不自然さはないか、線は一定でいいのか抑揚があったほうがいいのか、塗りはこれで正しいか、光源からの影は正しいか、色味はおかしくないか、色合わせはちぐはぐではなく統一感はあるか……などなど。
彼女が言うには結局、落描きのようなクオリティのイラストを100枚描くよりも1枚の絵に同じだけ時間をかけたほうが得られるものは多い、と。
これは目からウロコでした。当時はとにかく描き続ければいいと思っていたので。
光と影のお話
これは未だに出来ている気がしませんが……。
ご覧の通り、私は影の付け方がかなり苦手です。そもそも肌と洋服で影というか反射の仕方も違うんだよなあ、ということすら最近知った人間ですし……。
ここのあたりは上手く説明できる自信がありませんが、12月の時点では一律影は下塗りした色より少し深い色で塗る、で終わり。よいこのぬりえだってもうちょっと頑張ると思うの。
そのためただ濃い色がドーンと乗ってるだけの立ち絵がこの時期です。これがまあ、なんとも私的に非常にダサくてですね……すごく悩んでおりました。ちなみに反射光なんてものは存在しない。
2024年1月のお絵かき
このあたりから少しだけ意識がまた変わっていきます。
まず線を丁寧に引くこと。洋服のシワやたるみを学ぶこと。人間の筋肉のつき方を理解すること。
学ぶためにはとにかく写真を見るに徹底しました。結局資料がなければ思い込みで描いてしまうので、見ることはだめなことではない、と思いまして。
それから影の付け方に関して悩んでいたところ、フォロワーさんよりYoutubeの動画をおすすめされたので、そういったところからも教わるようになりました。
よく見ていたのはディープブリザードさんです。とてもわかりやすかった。
この月はあまり卓がなかったので、じわじわ描いては直し、を繰り返していた頃です。それでもまだまだ、の時期なのですが。
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あとは時間があったので立ち絵以外の一枚絵などもちょこちょこと。
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塗り方に対して模索しているのがこのあたりから顕著ですね。とくに左から2枚目は当時の自分では結構時間かけたはずです。布と肌の質感の違いを考え始めた形跡が見られます。
これは立ち絵じゃなく一枚絵だと背景などを考えなければいけなくなったからだと思います。オブジェクトと人物、それぞれ描けるようになりたいな、と思ったのもこの頃から。実際一枚絵の一番右は後ろの城をずっと描き込んでいたので……当時はよく描いたなー!と満足してましたが今見るとすごく雑ですね。恥ずかしい。
ちなみにまだ構図やパースの大事さなどは全くわかっていません。とにかく画面にごちゃごちゃ描けばええやろ、の時期。
2024年2月のお絵かき
2月はTRPGもKP側が多くて立ち絵はそんなにないかな? と思ったのですが、代わりに落描きを含めて一枚絵を結構描いていました。
ちなみに前回同様うちよそ絵も大量にあるんですが、ちょっと見せられないものが多すぎましたね。あからさまなものは流石に載せていません。
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1枚絵の右2枚で気づく方は気づきそうですが、パースとはなんぞや? というものを考え始めた頃です。
というのも、フローリングなんかの角度がずれると一気に絵に違和感が出てくるので……。
1枚絵を描くのであれば人物、オブジェクト以外にも構図やパースの大事さに気づき始めたのでした。
2024年3月のお絵かき
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相変わらずKPばかりしていたので立ち絵はちょっと落ち着き始めてます。
この頃は何していたかというと、
人の絵を見る
↓
どう塗っているかを分析する
↓
自分の絵にどう取り入れられるか考える
の繰り返しだったような。
自分の絵はなんぼ見たって自分の絵でしかないので、「この絵好きだな」と思う方の絵をひたすら眺めたりしていました。
いい忘れていましたがちょうど1月終わりにイラストの公開アカウントを作っておりまして。
これは、もともと絵を描くのが苦手だった理由である「恥をかきたくない」という感情に対してそろそろ克服してもいいんじゃないかな、と思い始めたからです。
あと、いつ描いたかと、ここから自分の絵がどう変化していくかを後から確認できるようにしたかったので。
https://twitter.com/kiichiro_illust
載せながら、この頃どこかで「自分より下手だと思う人がいたら、その人は自分のレベルと同じくらい、自分と同じレベルだと思う人がいたら、その人は自分のレベルよりも上、自分より上手いと思う人がいたら、その人ははるか先にいる人」みたいなことを言っている方がいたのをふと思い出しました。あくまでこの言葉の意味は、「驕るな」という意味なのはわかっています。だけど正直、人の絵を見るたびに私の描き始め当時より下手な人なんかこのインターネッツにはいませんけど……となるので、描き手側の人間で他人の絵を自分と比べて下手だと思うことはあるんだろうか? という気持ちになってしまい、今でもたまに考えることがあります。
始めるのが早かろうが遅かろうが「イメージ通りに描けない、表現できない」は創作者全員が通る道だと思うのと、そもそも他人の絵を見るときに自分軸を基準にして考える必要はないんじゃないだろうか、というのが私の意見です。
絵の練習だって決してしなければならないものではないのだから、他人に対して「もっと上達するために人体や構図、パースを練習すべきだ」という言葉をなげかけるのはおかしな話で、好きなものだけ描き続けることだってその人の自由だと思うのです。その逆も然り。
練習で描くことも好きなものだけ描くことも全部自由です。
ただ、私は絵が上達したいという理由で板タブを買ったので、練習する方を選んでいるだけの話です。
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なんだかつまらない話をしてしまいました。すいません。
楽しくやることが創作の醍醐味だと思っているからこそ、その気持ちは誰にも邪魔されてはいけない、なんてことを当時思ったりしたのでした。
ちなみにこの時期は特に新しい気付きなどもなくただひたすら淡々と描き続けていた気がします。1日1回はどんなものでもいいから描く、みたいなことしていて、これは今でも続いているルーティーンです。
2024年4月のお絵かき
実は私、ちょうど4月が誕生日でして。
塗り方を1月くらいから試行錯誤し始めていた私に、兄からこんな本が誕生日プレゼントとして届いたのでした。
結局のところ、困ったときは教則本ですね。一番わかりやすくて理論整然としている。ありがたいです。
読みながら何度も塗り練習をしまして、出来たのがこちら。
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ブラシ塗りを覚えました。実は2月頃から似たようなことはやっていたのですが、しっかりとそのやり方というか感覚がわかったのがこの絵になります。1ヶ月ですでに「わー! 色々と未熟……!」という気持ちにはなるんですが、今までの絵よりは塗りが少しましになったな……、とは思いますね、やっぱり。
で、立ち絵。塗り方について、こう、わかった! みたいな気持ちよさがあったため、いつも以上に盛り上がってしまっていっぱい描きました。
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まあ、線画まではしていたものもあるので、4月に色塗っただけ、というのもあるのですが、ここからだいぶ塗り方が変わりました。
ただ前より馴染んでいるけれど、その分だけぼやけた印象になりやすい気がしていて、その辺りは改善が必要だな、と思っているのが4月です。
とはいえ今までのもやもやした悩みが一気に晴れて嬉しさがすごかったですね。
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現在
ちなみに妹と姉からの誕生日プレゼントはこの本たちをもらったのでこちらも紹介します。
どちらも構図やパース、光源と色など、今知りたくなっていることが載っていたのでとても助かりました。色と光のマスターガイドはまだじっくり読み込んでいないのですが、知識として持っていて損はないことだらけで非常に勉強になります。
またもともと男女ともにドレッシーな衣装が好きだったので、とあるフォロワーさんにおすすめしていただいたこちらもとても参考にさせていただいています。
上記の本を読みながら描いたのがこの一枚絵たちです。これが現時点の最新絵です。
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最新絵は、前回から登場している、初期赤ペン先生をやってくださったSさんが配布していた塗り絵をきっかけに、線画と塗りのバランスに気がついて練習がてら描いたものです。
線を活かしたいのであればフラットに、色と面を活かしたいのであれば厚塗り(情報量の多い塗り)に、ということがここ最近でようやく分かった感じです。
ここにほんとうの意味で気づくのに1年半かかりました……奥深いですね、絵というものは。
2024年前期お絵かきのまとめと後期への抱負
合計枚数ですが、今日の時点で12月1日~5月10日までで127枚でした。去年(152枚)との通算では279枚描いたことになります。よく描きましたね。
平たく言ってしまえば線画と塗りのバランスに試行錯誤した半年間でした。まだまだブラッシュアップ出来るところがかなりあると思うので自分の満足行くところまで頑張りたいと思います。
それからずっと苦手意識を持っている「顔の描き方」です。
もともと身体から描き始めたのもあって、顔を描くことがおざなり気味だったのですが、ここにきて「美しい顔」というものをきちんと描けるようになりたいと思っています。美しさは比率で表せる、とSさんから教わったので。
これが今年後期の目標かな。
前回よりも勢いに任せて書いた文章ですので非常に読みづらいと思います。
後ほど推敲して修正するので許してください……。
以上、おわり。