ナンバーガールの『IGGY POP FAN CLUB』と小梅ちゃんについて
どうもMr_noiseです。僕はナンバーガールというバンドが好きで、よく聞いています。とくに『IGGY POP FAN CLUB』の四畳半での生活感が好きなのですが、歌詞の「君の顔見つめていた俺はまさに赤色エレジーだった!!」部分はよく意味を飲み込めていません。ファンの人はみんな何で赤色エレジーなのかわかっていて聞いているのでしょうか。
赤色エレジーとは
『赤色エレジー』は1970年から1971年にかけて漫画雑誌『ガロ』に連載された林静一先生の劇画です。アニメーターの一郎と幸子が四畳半らしき狭い部屋で同棲中、一郎はアニメーターだけでは食っていけないから漫画を描きはじめるというお話。コラージュの様にディズニーの白雪姫のカットが挟まったり、突然畳の目がアップで1ページ描かれていたりとかなり実験的な作品になっています。貧乏であることや二人が悩んでいることなどは伝わってくるのですが、わかりやすくはない。林誠一さんがデビューしたころ、『週刊朝日』に紹介記事が載ったそうですがタイトルは「わからない漫画が流行る」だったそうな。焦燥感のある悲しい恋の話であることはわかるのですが、劇画中のセリフをそのまま歌詞にしたあがた森魚の『赤色エレジー』の方がストーリーがわかりやすい気さえします。
僕はこの劇画を2008年の復刊時に読み、その後にナンバーガールを知り、『IGGY POP FAN CLUB』を聞きました。そのとき思ったのは、見つめている君の顔はたぶん横顔なんだろうなということでした。『赤色エレジー』の作中の登場人物はほとんど横顔で描かれており、一郎の同棲相手、幸子の横顔が1ページ丸ごと使って2度にわたり描かれてもいます。また2008年に大学生だった僕からすると、林静一さんはロッテの飴の『小梅』のパッケージ絵を描いた人というイメージが強いです。歌詞を描いた向井秀徳が意識されているかわかりませんが、僕の中では林誠一は横顔の人です。
『IGGY POP FAN CLUB』は文字通りIGGY POPの曲が好きで、『赤色エレジー』も好きという向井秀徳の趣味と世界観を反映した歌詞なのでしょう。『赤色エレジー』は貧乏で儚い恋と同棲生活を印象付ける言葉として効果を持っているとも思います。僕にとっては林静一の絵の横顔とあがた森魚のかなしげなフォークの音色も想起させる言葉でもありす。ただそれでも僕はまだこの歌詞よくわかんねえなとも毎回思っています。
『赤色エレジー』は向井秀徳が歌っているように「あかいろエレジー」ではなく「せきしょくエレジー」って読むはずだけどなと。
あかいろエレジーの方が響きがいいからなのかね。この曲を聞くとき、皆さんはどんな情景を想像しているのでしょうか。
それではナンバーガールが復活して嬉しいMr_noiseのサブカルクソ野郎っぽい話でした。
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