SUPERNATURALー不可思議な現象 第2話
僕は幽霊を見たことがある。
前回と同じ実家の寝室での出来事だが、小学校中学年の時の事だった。
僕の寝ていた寝室は6畳の和室に母親と弟と僕の3人が布団を並べて寝ていて、襖を隔てて板張りの廊下があり、廊下の先に木の扉の付いたトイレがあった。
ある日の夜、夢を見た。
家のトイレの扉が開きっ放しになっていて、そこに女の人の幽霊が現れた。
女の人は額に三角の額烏帽子を着け、白装束をまとっていて髪は長く、映画などで見る典型的な幽霊の姿と変わらなかった。
顔も見えたがこれと言って特徴のある顔でもなく、印象に残るような顔ではなかった。
足があったかなかったかまでははっきり見えなかったのか覚えていなかった。
女の人は動くわけでも手を動かしたりするわけでもなく、ただ扉の開いたトイレの中に立っていた。
僕は夢の中でこれは夢に違いないと思った。
そう思った瞬間、目が覚めた。
目が覚めたらその日寝相が悪かったのか、僕は部屋の開いた襖から廊下にはみ出して寝ていて、夢で見た時と同じようにトイレの扉が開きっ放しで、幽霊がいなくなっていた以外殆んど風景は変わらなかった。
ただ幽霊を見た時はぼんやりしていた風景が、はっきり鮮明に見えて現実なんだと思った。
しかし、僕が見たものが単なる夢だったのか判然としなかった。
3つの可能性が考えられた。
1つ目は、単なる夢だった可能性。
夢と現実の風景が同じだったのは、実は夢を見ている時うつらうつら眠っていて浅い眠りだったため、夢の中でも同じ風景になっていたということ。
2つ目は、幻覚だった可能性。
その時は確かに眠っていたのだが、夢と現の間で幻を見たということ。
3つ目は、本物の幽霊だった可能性。
夢でもなく幻でもなかったとすれば、そうとしか考えられない。
この3つの可能性のうち、どれが真実なのかは未だに分からない。