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SUPERNATURALー不可思議な現象 第1話
僕は小学校1年生の時、幻覚を見た。
ある朝のことだった。
僕が寝ている部屋は6畳の和室でそこに母親と弟と僕の3人が布団を並べて敷いて寝ていた。
その日、僕はいつもより早く目覚めた。
天気の良い日でレースのカーテンから柔らかい光が部屋に差し、外から小鳥の囀りが聞こえた。
母親は既に起きており、朝食の支度をしていて部屋にはいなかったが、弟は隣で寝ていた。
僕は目が覚めてから仰向けのまま天井にある丸形の蛍光灯を見ていた。
豆電球にはオレンジ色の明かりが点いていた。
その明かりを10分位ずっとぼんやり凝視していた時だった。
言葉では表現しづらいが、様々な形の立体の図形が色々な動きをしているように見えた。
球体、角錐、立方体、長方体、円柱、円錐など。
そして、線のようなものも見えた。
それらは三次元の空間の中で上下左右に色々な動きをしていた。
そして、それらは自分が普段見ている外の世界、つまり外界よりも三次元的に見えた。
まるで自分が今いる次元と別次元にいるようだった。
立体が目の前に迫ってきたりして、今まで経験したことのないようなとてつもない恐怖感に苛まれた。
それは自分の感覚では5分程度続いたように感じた。
僕はその日からしばらくその光景と恐怖感を忘れられずにいた。
何かの拍子にふと思い出す度、恐怖感で胸が苦しくなるほどだった。
誰かにそのことを話してもどう説明していいか分からないし、もし説明できたとしても信じてもらえるかも分からない。
そのことを他人に話すという発想はなかった。
そのトラウマ的な体験から発作的に度々恐怖感に苛まれる現象は半年以上続いたように思う。
しかし、それ以後は思い出そうとしてもその時の光景がリアルに思い出せなくなり、次第に忘れていった。
今考えてみてもあれは一体何だったのか不可思議だ。
断定はできないが、幻覚だったのかもしれない。