M.R.LABO業務紹介:動画コンテンツ制作[1]
ビジネス動画コンテンツの種類
以前の記事で、クリエイティブ・ディレクション業務について書きました。今回、それと一部は被るのですが、ただディレクションするだけではない動画コンテンツの制作業務について紹介します。
企業が発信する動画コンテンツには様々なものがありますが、発信対象や目的などから、大きく下記のように分類できます。
1)商品(サービス含む)訴求動画:CMを含んだプロモーション動画
2)商品機能等説明動画:マニュアル動画等を含む
3)企業紹介動画:企業(学校や施設等を含む)そのものを訴求する動画
4)リクルーティング動画:先輩・上司の声や仕事内容等を知らせる動画
5)教育・啓蒙用動画:社員教育用から各種セミナー等の動画
M.R.LABOでは、これまで様々な動画制作に携わってきましたが、このところのインターネットとデジタル技術の進化によって、動画制作もずいぶん様変わりしてきました。
以前「CMはフィルムでしか作らない」と断言していた知り合いのディレクターが、いつのまにか大手IT系企業のCG室に所属していたりと、ここ30年の間に業界も劇的に変化してきましたが、基本的な制作方法は変わっていないと思います。以下、制作方法ごとに分けて紹介していきます。
動画コンテンツの制作方法ー1:プロを起用する
お金と時間をかけて、クオリティの高い動画を制作する場合は、専門の制作会社に依頼します。TV-CMがその典型例ですが、撮影はディレクター(場合によってはプラスAD)を立て、ビデオカメラマンと音声マン、そしてプロダクションマネージャ等とのチームで行い、編集はディレクター立ち合いのもと、専用のPCを使ってプロのオペレーターが実施。録音スタジオをを借りてナレーションを録り、音楽やSEを入れて完成…という流れで制作します。
もちろんこの前段階には、企画やシナリオ作成などの作業が必要になりますが、それらについて詳しくは前述の〈ライティングワーク[3]〉をご覧ください。
M.R.LABOとして、こういった動画制作の全体を受ける場合もあるのですが、金額が大きくなる場合は、日ごろ付き合いのある制作会社に前面に立ってもらい、私はそこから必要な部分(プランニングやディレクション、シナリオ作成など)を受けるという形にしています。
また、もっとライトな動画制作の場合は、私とカメラマンの二人で撮影に行き、ディレクターとして編集にも立ち会い、ナレ録などにも立ち会って完成させるというカタチを取ります。
また、クライアントサイドで撮影した映像素材を、企画構成して編集だけを受けるというケースもあります。今や社内のPCやスマホでも編集できなくはないのですが、やはり一定のクオリティを追求したいといった場合に、このような依頼をいただきます。そしてご要望によっては、YouTubeへのアップ作業を代行するときもあります。
プロのスタッフが消えたTV番組の制作現場
話は変わりますが、最近のTVの旅番組の中にはカメラワークが酷くて、観るに耐えられないものが多くあります。制作予算の都合なのでしょうが、タレントが複数人いるのにカメラが1台しかなく、しかも現場ディレクター(おそらくそれほどカメラワークの訓練がされていない)が回しているため、話しをする人をいちいち追いかけてしまい、観ている方は船酔いをおこしそうになるというものです。専門用語で言うとカメラを「パン」(横移動)させながら撮影しているわけですが、カメラを動かすスピードが速すぎることと、タレント全員の立ち位置があらかじめ撮れていれば、誰が話そうといちいち追う必要はなく、「ズーム」(寄りと引き)もうまく組み合わせて撮影するという基本的な技術ができていないということになります。
最近はそれをカバーするためか、タレントに自撮り棒を持たせ、その先に着けた小型カメラ(場合によってはスマホ)によって、タレント自らが撮るといった手法も見受けられます。私としては、若いディレクターが一人だけでカメラを回しているということにすら驚きを感じるのですが、そのうちディレクターもいなくなり、タレントだけでカメラを回して番組を作るという時代が、遠からず来るように思います。
そしてそれは、タレント自らが発信しているYouTubeと同じということであり、その時、スポンサーはそういったレベルの番組にはたしてお金を出してくれるのでしょうか?
いずれにしても既存TVの終焉は近いように感じます。
今回の後半は少し脱線してしまいましたが、次回はもう少し簡易な動画制作方法についてお話します。
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