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オープンダイアローグミーティング No.0:オープンダイアローグとは?


はじめに

 皆さんは、オープンダイアローグという言葉をご存じでしょうか?オープンは”開かれた”、ダイアローグは”対話”で、”開かれた対話”というそのままの意味になります。
 この概念、実は1980年代にフィンランドで生まれた精神疾患の治療方法で、特に初期段階の患者においては、薬や入院に頼ることをしないで済むため、いま世界中で注目されはじめている治療法ということです。
 私がこのオープンダイアローグと出会ったのは2024年の暮れでしたが、これまで企業内ミーティングの外部ファシリテーターなどをお手伝いさせていただいてきた経験上、その方法や内容を知れば知るほど「これは企業内コミュニケーションの円滑化に役立つ」との思いを強くしてきました。
 というのも、数年前から1on1ミーティング(*注1)など、企業内におけるミーティングの大切さやその方法について論及し実践してきましたが、そのなかでも「これは画期的な方法になり得る」との確信に至ったためです。
 この後、オープンダイアローグの手法を企業組織の中でどのように使ったらよいかなどについて、数回にわたって投稿していく予定でいますが、上記のような意味もあって、ビジネス社会でなじみのある言葉=ミーティングを付け「オープンダイアローグミーティング」(略称:ODM)としました。  
 なお、この手法を企業組織改革やHRの中で使おうとの発想を持たれているのは私だけではありませんが、それら先達の皆さんの方法などについては一切参考にすることなく展開していきますので、もし何かの機会にお目に留まり、間違いのご指摘や修正に関するアイデアなどがありましたら、ぜひご意見を頂戴いただければ嬉しく思います。
 *注1:私のアウトソーシング1on1ミーティングについてはコチラを参照

オープンダイアローグミーティングはなぜ必要なのか?

 こちらの文章を書き出したちょうどその時、Forbes JAPAN からとても興味深い記事(*注2)が飛び込んできましたので、ここで紹介します。
 それは「リベンジ退職」という聞きなれない言葉を使った記事でした。今年(2025年)になって、米国で急に流行り出したということです。日本でよく使われるリベンジには”再挑戦”という意味もありますが、欧米ではもっぱら”報復”という意味が中心ですから、何らかの報復をするために会社を辞めるという…ちょっと怖い言葉でもあります。
 同記事では、リベンジ退職は「職場でのネガティブな体験への対抗策」として行われるとしていますが、想像できるもっとも一般的なやり方は、いま進行中の仕事やプロジェクトを放り出して、いきなり辞めてしまうということでしょうか? 当然そうなると、会社や残された人々に大きな迷惑をかける形になるわけですから、”報復”として本人はそうなることを目的としているわけです。さらにもっと悪質なケースは、顧客情報などを持ち出して売りさばくといったことも考えられますが、こうなると完全に犯罪です。
 そこまでいかなくても、小規模なサービス業でよく聞く「辞めたスタッフがお客さんを持って行ってしまった」ケースなども、それにあたると思います。このケースでも、会社やお店にとっては存続にかかわる問題になるのですから、そうならないよう事前に手を打っておくことが必要になってくるわけです。
 オープンダイアローグミーティングは、まさにこういった事態を避けるために役立つ手法です。企業活動において生じる様々な問題は、まだ”芽”のうちに見つけ出して対応すれば、大きな損失は避けられるはずで、そういった”芽”を”対話”によって見出そうとするのが、この手法なのです。
 *注2:リベンジ退職に関する記事はコチラを参照

対話によって隠れている問題を見つけ、解決の糸口を探る

 企業組織の中には様々な人間が働いていますが、多様化の波は今後、さらに拍車がかかっていくものと思われます。そういった人たちが、コミュニケーションを充分に取らず(取れず)に、その人の思い込みや憶測だけで仕事を進めてしまうと、様々な障害が生じます。さらに、人間関係の軋轢やわだかまりが原因でチームの和が乱れ、スケジュールの遅延や業務そのものの停滞につながることもあるのは、皆さんご存じのとおりです。
 職場やチームで感じる、そういった「ちょっとした違和感」は、実は氷山の一角にしか過ぎないのであり、水面下にはとても大きな問題が隠れているかもしれないのです。
 「ちょっとした違和感」を感じた時に、関係する人・関係しそうな人が集まり、対話によってその原因を探り、対話によって解決へと向かっていくための手法 ー それがオープンダイアローグミーティングなのです。
 今後、その詳しいやり方やルールなどについてお知らせしていく予定ですが、最後にひと言。オープンダイアローグミーティングは、企業内で通常行われているミーティングにくらべて、”ゆるい”ミーティングに思われるかもしれません。ですが、その”ゆるさ”が、参加者の胸襟を開かせ、本音での話し合いにつながるというわけです。
 なぜか? ー それについては、次回以降の投稿にご期待ください。

 オープンダイアローグミーティングについて「すぐに知りたい」「詳しい資料が必要」という方は、コチラまでメールでお気軽にご連絡ください。


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