M.R.LABO業務紹介:ライティング・ワーク[1]
ひさしぶりに業務紹介記事を追加しますが、今回は広告・SP(セールスプロモーション)業務の中でも、比較的重要な位置を占める「ライティング(writing)」についてです。ただ、ひと口にライティングといっても、対象となる範囲はそれなりに広いため、たぶん3回くらいに分けてご紹介することになると思います。
まずはコピーライティングから。
その昔(そして今も?)、コピーライターという肩書の人がもてはやされた時代がありました。某I・S氏とか某N・K氏とかがその代表格で、ウソかホントか知りませんが、売れっ子になるとキャッチコピー1本のギャラが100万円(!)と言われていた時代です。
ちょうどその頃、私もコピーっぽいものを書く仕事に就いてはいたのですが、社会人になったばかりの身では「コピーライターをやってる」などという意識は毛頭なく、ただただ目の前の仕事をこなしているという状況でした。
ただ、その後フリーランスになってしばらくした段階で、「ちゃんとしたコピーを書かなくちゃ!」と思わざるを得ない時があり、その時にはじめてコピーライティングというものを意識した記憶があります。
その時の案件は、海外のヘアケア製品メーカーの広告一式を作るというもので、私は全体のディレクション(制作管理)を任されていました。制作チームには、デザイナーとコピーライターが一人ずついましたので、私がコピーを書くなどということは夢にも思っていなかったのですが…。この時のコピーライター氏、クライアントとの打ち合わせに半ズボンで来るなど、はじめから「ちょっとなぁ~」な感じの方だったのですが、上がってきたたコピー(ボディコピー)もやっぱり「どうかなぁ~」という感じの出来で、何度書き直してもクライアントからOKがもらえません。この商品ならでの特長が表現できていないのは、傍で見ている私にもわかりました。で、このままでは埒が明かないと思った私は、受注元と相談した上で自分でコピーを書き、それがクライアントに気に入られて採用されたというわけです。
そんなことから、その後はコピーライター的な仕事も意識しながら受けるようになりました。ただ、自身で「コピーライター」と称したことはこれまで一度もありません。初めてのクライアントに「コピーは私の方で担当させていただきます」とお伝えしたことは何度もありますが。
キャッチフレーズやキャンペーンタイトルも手がけるように。
その当時の仕事の大半は、SPの企画書を書いたりイベントの現場手伝いをしたりといった業務でしたが、なかには展示会イベントの告知用ツール(ポスターやパンフレットなど)の制作を任されることもあり、そこでキャッチフレーズ作成などにも携わるようになりました。
個人的に印象に残っているのは、ソフトウェアの総合展示会で、キャッチフレーズとアートディレクションを私が担当したのですが、そのためのアート作品(オブジェ)をわざわざ作り、それを撮影したメインビジュアルとそれにふさわしいキャッチを入れ込んだポスター作りは、本当にワクワクしながらの作業だったと記憶しています。
また、SPキャンペーンの企画~制作・運営などにも携わっていた関係で、キャンペーンタイトルを考え、ビジュアルとともに様々なツールに落とし込むといった仕事もありました。新聞広告に載るようなオープンキャンペーンもあれば、購買前提のクローズドキャンペーンもあり、コンセプトにふさわしい賞品類をセレクトしたり、手配したりといったことまで手がけました。
なお、こういったケースでは、全体のアートディレクションを誰がやるか、という議論が度々起こるものですが、私の経験としては、デザイナー出身者よりもコピーライター出身者がディレクションする方が、全体をうまくまとめられるように思っています。
キチンとした教育を受けていなくても。
40年近く前からの話をしてきましたが、実は私の場合、コピーライティングに関しては、キチンとした教育(?)を受けていません。当時でもすでに宣伝会議の[コピーライター養成講座]はあり、コピーライターを目指す人はその門をくぐるというのが当たり前といった風潮はあったのですが、私はあえてそうはしませんでした。
というのも、そもそもコピーだけで食べていくつもりがなかったということもあるのですが、一方で「原初のコピーライターは、誰にも教わることなく自分で切り開いてきたはずだから、自分でも出来るはず」という自負があったからです。
それでも、良いコピーを作るために関連するノウハウ本を読んだり、先達の作品に触れたりと、それなりの勉強はしてきたつもりです。その結果として私の仕事がある程度評価され、皆さんがご存じの企業や商品の新聞広告や雑誌広告、PVなどまでお任せいただけるようになったのではないか、と思っています。
ここまで書いてきたところで2,000字近くになってしまいましたので、続きは次回に持ち越したいと思います。次回は、ネーミングなどCI・VI関連のワークについてお話したいと思います。