【化学】水を電気分解すると、水素は酸素の2倍量発生する
水を電気分解すると、水素と酸素が発生します。
2つの電極を水につけて、電気を流すと、マイナス側では水素が、プラス側では酸素が発生します。
この水素と酸素の発生量に違いはあるのでしょうか?
結論を先に言うと、水素は酸素のぴったり2倍量発生することが分かっています。
実際、電気分解してみると、マイナス側(水素側)の電極のほうが、気泡の量が多いことが分かります。
では、なぜ電気分解で発生する水素は、酸素のぴったり2倍量なのでしょうか?
この理由について分かりやすく説明します。
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それぞれの電極で起こっている反応を見ていきましょう。
まずプラスの電極では次の反応が起こっています。
2H₂O ⇒ O₂ + 4H⁺ + 4e⁻
この反応式を訳すと、
H₂O(水)2個が分解されて、O₂(酸素)1個と、H⁺(水素イオン)4個と、e⁻(電子)4個になる、です。
※言葉の意味が分からなくても大丈夫です。
次にマイナスの電極を見ましょう。マイナスの電極では、先にプラスの電極で発生した4H⁺と4e⁻が移動してきて、次の反応をします。
4H⁺ + 4e⁻ ⇒ 2H₂
同じように訳すと、H⁺(水素イオン)4個とe⁻(電子)4個が結びついて、H₂(水素)2個になる、です。
この二つの反応をまとめると、結局、酸素が1個できると、水素は2個できることが分かります。
つまり、水素は酸素の2倍の個数が発生するということです。そして、個数が2倍あれば気体の体積は2倍になります。
図にまとめると、このようになります。
ちなみに、H⁺は水中を移動して、e⁻は電気回路を移動します。
以上、水を電気分解すると、水素は酸素の2倍量発生する理由でした。
ミスター水素
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2023/8/28 内容を見直し