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✓とにかくうちに帰ります/津村記久子
▽あらすじ
うちに帰りたい。
切ないぐらいに、
恋をするように、
うちに帰りたい――
職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。
微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援するとき。
そして、豪雨で交通手段を失った日。
長い長い橋をわたって家に向かうとき、
それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、
小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、
働き、悩み、歩き続ける人の共感を呼び覚ます。
・職場の作法
・ブラックボックス
・ハラスメントネグレクト
・ブラックホール
・小規模なパンデミック
・バリーロチェのファン、カルロス・モリ―ナ
・とにかくうちに帰ります
▽印象に残った文章
うちに帰りたい。
切ないぐらいに、
恋をするように、
うちに帰りたい。
「おれも帰りたいです。
自分と周囲の人たちの健康を願うように、
うちに帰りたい。」
▽感想
職場で感じる、目につく、あるあるを
こまかーーーーーーく書いていた。
あぁ、わかる、いるいるこういう人
の連続でにやにやしながら読んだ。
相手を見て、相手の態度によって
仕事の遅い早いを変えるのめちゃくちゃ分かる…
相手の態度が悪ければ
ちょっと仕返ししたくなる気持ちも分かる。
だって誠実さを返してもらえないのに
誠実に対応するの嫌じゃん?
職場なのに誠実さがないのはアウトだよ!
あとは職場で自分の物がなくなって
何故か上司が持っててしかも使ってる現象ね。
上司が持ってたら余計に言えなくて
結局返ってこない…
しかも上司も別に取ってやろうとかじゃなくて
少し借りて、そからそのまま使ってるみたいな
悪意がない感じが余計に辛い。
そして前の職場にもいたけど
しんどい+体調悪い(いろんな部位が痛い)
アピールが多くて休めばって言ってるのに
休まない人とか…
あれはいったいなんの我慢なんだろうか。
うちは自分に甘いし、大事にしたいから
体調が悪かった休むし、言う。
その代わり仕事で必ず挽回するようにしている。
体調なんて予防してても、対策してても
崩してしまったらしょうがない。
仕事+その人を気遣いながら
仕事するほど余裕のある職場ではなかったな。
仕事や上司や職員のぐちが多い人もいたな。
なぜかチームを作りたがる人、
自分と同じ意見の人とだけ話す人、
それに付き合わなきゃいけないのが本当に苦痛だった。
でも職場での立ち位置を保つためには
全てを拒否するなんてこともできない。
起きた時から家に帰りたいっていうのは
ただ仕事がだるい嫌だとかじゃなくて
そういう蟠りみたいなのも含めて思うのかもしれない。
✓とにかくうちに帰ります/津村記久子/新潮社
↳文庫本
↳単行本
サンプルもありますので、ぜひ