寄せ集めの自分でも

僕は，人から影響を受けやすい人間だと思う．

noteを始めたのも，友人が書いた文章を見るうちに自分もやってみたくなったからで，思い返せば，笑い方も考え方もファッションも，趣味のドラムも写真も，誰かの影響でその人の真似をして自分に取り込んでいったことが多い．

僕は自己評価が低い人間なので，所詮は人のマネでしかない自分のアウトプットに対して，心の底からいいねと思えることは少なかった．

ただ，ほかから影響を受けて取り込んでできた自分が，完全にだめであるわけではないということがこの半年程でやっとわかってきた．

そう思えた一番の要因は，写真を通した表現活動だと思う．写真は，「みんな違ってみんないい」が完璧に当てはまるコンテンツだと思うからだ．

撮った人が感じた「良い」を，カメラという機械を通して記録する．記録したその「良い」は時間的にはその瞬間で止まっているのに，写真の中には良いと感じるに至った背景とか，写っている人とその人の関係とかが写っていて，嫌でもその人らしさが表れる．

だから，どこかで見たような写真だとしても，完璧に同じ写真は２つと無いと思う．同じ機材を使って同じ場所に行っても，撮る写真は全然違う．

イイねを呼ぶ写真は，やっぱり表現として質の高いものである事が多いけど，必ずしも技術が高い人だけがいい写真を撮れるというわけではなくて，100万円するライカで撮った写真でも，コンビニで売ってる写ルンですで撮った写真でも，その人の目を通しているから，みんな違ってみんな良いモノであると思える．

これがわかってきたことで，人から影響を受けて変わっていく自分を少しずつ肯定できるようになってきた．影響を受ける相手も，受けた影響の大きさも，全てが人それぞれ違うから，自分の中に取り込んで，自分の解釈で噛み砕いて，それが積み重なってできた自分でアウトプットしていけば良いと思う．

そうやって肯定できるものを増やして，自信に繋げていければいいなと思う．寄せ集めの自分でも，ただ一人の自分だからね．