私とワルツを

ふと現在の自分が機械染みて感じてしまうような夜には
全ての電子機器を投げ捨ててあの頃に帰りたいと思うことがある

いつかの誕生日に買ってもらったであろうMDコンポからはいつもJ-POPが流れていた。照明を消した部屋には月明かりが差し込んでコンポの電光と同居している。

僕は木製のどっしりしたベッドのうえに仰向けになっていつも何かを考えていた。

J-POPを聴きながら。
眠くなるまで。
学校の出来事を思い出したり想像したりしながら。
たまに目を開けて時計の蛍光針を確認したかもしれない。
何度か寝返りしたかもしれない。

眠れない時は違う歌手のアルバムをかけ直したかもしれない。

きみ
あなた
わたし

情報なんて本当は必要ないのだろう

家を出る前にみていた星座占いみたいなものがきっと
生きていくうえで大切なんだ

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