炬燵はいいねぇ。リリンの生み出した文化の極みだよ。

年の瀬だから?
脳内で色々と誕生してくるんだよね
と言う訳で妄想を書き出しました
スタートです!

◼️コタツ

「先輩の番ですよ!…先輩?聞いてます?」
僕はオセロ盤に視線を落としたままの先輩に問いかける
それにしてもこの人、まつ毛長いな
目も大きいし、黙ってればタダの美人なんだけどなぁ…って思ってると…

「わかってる!わかってるよ、少し黙ってて!」
眉間のシワを深くして睨んできた
怖い…
「それにしても、このコタツどこにあったんですか?」
部室に入った時から疑問だったが、有無を言わせず座らせられてオセロの勝負を挑まれたので聞けなかったのだ

「ん?あーそれね、昔居た先輩が寒がりでね、部費で買ったんだよね、このカーペットも!」
床に敷かれたオレンジ色のカーペットをパンパン叩きながら言った
確かにこれ敷いてないと普通に木の床なので寒いよね!
ナイスだ!知らん先輩!
と言うか…
「先輩にも先輩が居たんですね」
「失礼だね後輩くん!ベイブレードは大人気コンテンツだよ!」
ちょっと得意気に胸を張って言う
可愛い

「まぁ今年卒業しちゃったけどね」
あー僕と入れ替わりだったのか、会ってみたかったなぁ
「卒業後、遊びに来ないんですか?」
「うーん、多分来てないんじゃないかなぁ…来づらいのかもね」
少し語尾が小さかった

「なんでですか?遠くの大学とか行っちゃったんです?」
「ううん…怒っちゃったんだよねぇ…」
「その先輩が?」
「私が!」
その時の事を思い出したのか先輩の瞳から色が消えた…

「な、なんでなんです?…」
恐る恐る聞いてみる…
「はぁ…このコタツ、部費買ったって言ったよね?」
「はい」
「それで買えなかったのよ…」
「何が?」
「対戦スタジアムが…」
先輩の目から更に光が消えた!?
こえー!
しかしベイブレードをするサークルなのに…
その為の部費なのに…
対戦スタジアムを買わずにコタツとカーペットを!?
その先輩、面白い!!!
なんか気が合いそう!

「今度、連絡取って呼んでくださいよ!会ってみたいです!」
精一杯、目を輝かせながらお願いしてみたが…

「え?やだよ!」
うわっ!めっちゃ冷たい目で否定するじゃん!
「会いたかったのになぁ〜」
「いや、私は会いたくないから!スタジアムが買えなかったお陰で、どうしたと思う?」

急な問いかけ…
うーん、スタジアム見たいなスリ鉢状の何かがあれば行けるか?
何かあるか?うーん、思いつかん!

「はい時間切れ!正解は”園芸部から一輪車を借りた”でした!」
あー確かにそれっぽい!

「それ中々面白いですね」
「面白くない!」
よっぽど嫌だったんだろうなぁ
目の光は戻ったが遠い目をしてる
それにしても人間の目ってこうもハイライト変えられるの?
先輩凄くね?

「あーもうヤメヤメ!オセロやめ!」
急に盤上の石をぐちゃぐちゃにしたよ、この人!
「後輩くんが嫌な事を思い出させるからだよ!」
えぇ!俺のせいなの!?
「責任とって!」
こりゃまた凄いこと言ってきたな!

「ど、どうすれば?」
怖いので上目遣いで聞く…
「温めて!」
「へ?」
「コタツに入ってても冷え性で足が冷たいの!」
「それで?」
「後輩くん体温高いし足も温かいでしょ?だ・か・ら!」
「!?」
先輩の足が伸びてきて僕の足にくっつけてきた!
冷た!?ん?素足!?
めっちゃコタツの中で押してくるじゃん…
ちょっと恥ずかしいんだけど…
あれ?

「先輩、耳まで赤いですけど?」
「見るな!」
両手で耳を押さえて下を向いた
いや、そんなに恥ずかしいならやらなきゃいいのに…

「じゃ!もう一戦やりません?オセロ!
この前、ネットで見たんですけど自分のターンにサイコロ振って出た数だけ石を置いていい奴とかどうです?」
この前、推しの声優さんが番組でやってて、逆転要素が、かなりあって面白そうだったのだ!

「よーし!受けて立とうじゃない!負けたら罰ゲームね!」
先輩は嬉しそうに顔を上げてそう言った
照れ顔も良いけど、先輩の笑顔が1番好きだな…

そんな冬の放課後だった…


終わりだよ〜

コタツの中での攻防戦っていいよね!
密室と言うかブラックボックスと言うか…

皆さん
良いお年を!!

では〜

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