【言葉日記】三国志の「奸雄」曹操とは
新型コロナウイルスの休校対応で、子供たち向けの対策としてアニメや漫画の無料施策が展開されています。その中で横山光輝の「三国志」全60巻が無料という何とも胸熱な情報をゲット、早速読み始めたわけです。
実は小学生の頃、吉川英治の「三国志」を小説で読んだことがあるのですが、まったく詳細覚えてなくてびっくりするわけですよ。まあ、そもそも横山版と吉川版で結構違うんでしょうね。それにしても細かな差というレベルではない感じで覚えていないわけですが・・・。
ちなみに横山光輝は「魔法使いサリー」とかの作者で手塚治虫などと並ぶ巨匠なわけですが、流石に登場人物の多い三国志は顔が同じになってしまうので「誰が誰だか全然分かんない」という話をよく聞きました。
三国志というのは文字通り、後漢が滅びて世が乱れていた頃にそれぞれが統一を目指して歴史的争いを演じた頃の話で、三国の一つ「魏」を作った曹操が、人相占いをした際に
「なんじは治世の能臣、乱世の奸雄なり」
と言われるわけです。「能臣」(のうしん)というのは日本では使われないですね。これは「有能な臣下」みたいなことでいいかと思います。ですので、これを口語にするならば
「あなたは平常時は優秀な大臣ですが、世が乱れた時は「奸雄」となりましょう」
ということですね。「奸雄」(かんゆう)もそんなに使われないですし、「奸雄」と出てくれば、「曹操のこと」くらい概念が紐づいている気もします。
この「奸雄」というのは、「まっとうに優秀なだけでなく、野心に富み、場合によっては味方をも欺きながら、時に仁義に反する行動をしながらも世の中をまとめていく英雄」的なことなのかなあと。
他に歴史上の人物で「奸雄」がいるとすると、日本だと織田信長とか世界だとナポレオンとかなのかなあ。よく分かんないですけど。でも、どちらかというといいイメージは少ないですよね。なんか、ヒトラーとかも奸雄なんじゃないかとか、トランプとかも奸雄なんじゃないかとか思ってしまう次第。
ということで、曹操も日本ではあまり人気ないんじゃないかな。私も劉備や諸葛孔明のファンでしたし・・・。