思考するのは難しい
「全て指示してほしいのでしたら別の主を探すのが良いかと」
あるじにこのセリフを言わせてしまったのは、私がまだまだ未熟だからです。
私にとってこの言葉はものすごく厳しく、心の中に重く、重く、響き渡りました。
別の主を探すことなど、当然考えたことはありませんし、「全て指示してほしい」なんてことも思ったことはありません。
それは、私が言葉などなくとも勝手にどんどん服従していく人間だからです。
支配を強めるための言葉は、あれば嬉しいですが、必ずしも必要なものではありません。
指示を待ってばかりではなく、自ら考えて頭を使って行動する、そんな主従が私の求める主従です。
そして、この方のもとで主従をしたい!そんな気持ちで志願した関係性でありました。
しかし今までの私の言動を振り返ると、それはそれは散々なものだったと、反省すること数え切れません。
もちろんまだ、主従関係になって1ヶ月です。
人間同士の関係性ですから、完璧に振る舞える従者などいません。
しかし、あるじの意向に従おうとする努力だけは、最低限見せなければならないと思っています。
関係性を築いてはじめての逢瀬、私は努力をきちんと見せることができていたか?
自分に問いかけると、本当に、自己嫌悪に陥りそうになるくらい酷いものでした。
はじめてだったのでどちゃくそ緊張していたのもあり、与えていただくもので頭がいっぱいいっぱいなり、本当に、なにも考えられない、努力も見せられない、最低だったと思います。
それでもあるじ様は、「楽しめましたよ」と言ってくださりました。
それが私にとって、どれほどの救いになったかは言うまでもないでしょう。
ですから次回はもっと、楽しんでいただけるよう、精進しなければなりません。
…そう思っていた矢先に冒頭のセリフでした。
経緯としては、お会いしたい、お電話いただきたい、と上手く甘えられない私が、漸く甘えられたと思ったら1ヶ月以上お会いできないことが分かりました。
本当につらくて、寂しくて、なにもかも分からなくなって、たくさんの追いLINEを送ってしまいました。
要約すると「○○様は私にどうあってほしいですか?指針をください」と申し上げた私に、あるじ様はすぱっと言い放たれたのです。
「全て指示してほしいのでしたら別の主を探すのが良いかと」
「私はただ自分が楽しめるように○○さんを使っているだけです」
ハッとしました。
私はなにも考えることができていなかったのです。
逢瀬の時、あれだけ反省したのに、すぐに答えを求めた私は本当に馬鹿でした。
別の主なんて言葉をあるじの口から言わせてしまうなど、従者としてあるまじきことだと思います。
その言葉は本当に深く、深く、私の心に突き刺さり、思い返しただけでも申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
「思考する」「考える」言うのは簡単です。
思うのも簡単です。
でも実際、あるじ様からいただくいろいろなもの(責め、施し、言葉など)で頭の中がいっぱいいっぱいになったとき、そんないっぱいいっぱいな中でしっかり思考することができるか、そこは従者としての器量の大きさだな、と思いました。
素敵な従者、立派な従者になりたいです。
自慢していただけるような従者になりたいです。
そのためにこれからも精進しつづけます。