扁桃摘出術 入院の記録① 〜最期の別れと、始まりの日〜

↑こちらの記事の続きです。

2024年12月17日。
私の人生において最も非日常な一日となった。

1.突然の祖父との別れ

元々17日の朝から入院する予定で、1週間くらいかけてゆっくり準備すればいいだろうとタカをくくっていたが、12月12日に祖父が突然亡くなってしまい、バタバタの一週間に。
更に16日が友引の関係で、葬儀の日取りがまさかの入院当日の17日になってしまったのだ。

入院の日にちはずらせないけど、どうにか祖父のお別れの場には参列したいので、病院に相談。

病院は私の気持ちを汲んでくれて、式が終わり次第向かうでいいですよーと言ってくれた。



祖父は私が幼い頃からよく可愛がってくれた人だった。
週末やお祝いの日には祖父と祖母と家族、従姉妹たちが集まって食卓を囲むのが楽しみだった。
あまり多くは語らない人だったが、いつも別れ際にはきつく抱き締めてくれて、頑張れよ、またな。と手を握りながら言っていたのが印象に残っていた。

棺の中で眠る祖父に花を手向けながら、今までありがとうねと伝えることができて本当に良かった。




2.さぁ、病院へ


式が終わったら急いで車の中で着替えて病院に向かう。
到着したのは17時前になってしまった。
そこからは入院の手続きをして、病室に入る。
初めての大部屋での入院なので、緊張する。

そこからは看護師さんから入院中の過ごし方を聞いたり、看護師さんが席を外してる間にまた次の看護師さんに質問され、その看護師さんが行ったかと思えば麻酔科医の先生がきて挨拶したり、もう何人に会ったか分からないくらい取っかえ引っ変えで説明をされた。

看護師さんに着いてくるように言われ、病院内の案内をしてもらった後、流れるように処置室に通されて寝かされた。

『点滴のルート確保しますね〜』

明日朝一番に手術なのもあり、予め点滴の針を刺しておくらしい。

(え、今からずっと針刺されてるの?!)

私は注射がかなり苦手で、いつも緊張してしまう。
大丈夫だよ〜とは言ってくれたものの、私は意識的に水分を摂るのが苦手だったり血管があまり表面に出ていなくて刺せる場所がないようで、

『ここはどうかな〜?』

『ここかな〜』

『ないな〜』

と、2名の看護師さん(1人だったのにいつの間にか増えてた)に腕を撫でられながら言われた
その間刺される?どこ刺される?とか色々考えていたら怖くなってしまって、ガタガタ震えだしてしまった。

全然寒くない処置室なのに、歯をガチガチ鳴らしながら震えて怯えていたので看護師さんもタジタジ。。

ごめんね、チクッとするね〜と刺された後も血管を探すためにグリグリされてしまい、痛いのなんの。。。

痛い、痛いです……と、今にも泣きそうな感じで震えながら言っていたら無理だと思ったのか、明日麻酔が効いてからルート確保することに。

あー怖かった。

18時に食事が来るのでそれまで病室で休んでてくださいと言われたので、休むことに。

3.友人と奇跡の同室入院


病室に戻ると、聞き慣れた声で名前を呼ばれる。

実は幼稚園の頃からの友人が、全く同じ内容の手術で入院していたのだ。しかもベッドも隣!!
手術が奇跡のかぶりをしていたのは先日一緒に食事した時に判明して散々笑った。
まさかの病室までも一緒とは、奇跡だ。

彼女は1週間前に手術して、明日退院する。
針グリグリから開放された直後だったので、見慣れた顔に安心して抱きついた。
腕の針グリグリされて痛かったよーと泣きつくと、『わたしも!!!』と元気よく青アザだらけの右腕を見せてくれた。
彼女の明るさにはいつも元気づけられる……

夕食を食べたらまたお話する約束をして、
これから1週間過ごすベッドの周りを整理していたら、夕食の時間になった。

今日は普通の食事


葬儀の時に結構しっかり食べたので、あまりお腹がすいていない。
でも食べておかないと明日は丸1日食べられないので、おかずは全部食べることにした。

病院食の感想だが、個人的には味付けがとても薄くて驚いた。
私は老健で栄養士をしているが、老健はそこまで塩分制限が厳しくないので、味見して薄かったら調味料を足して調整する。
だが病院は治療が必要な方が集まるので、塩分制限はかなり厳しくなっていると聞いた。
私自身薄い味付けを好むが、本当に素材の味!って位薄かった。
なるほどこれが病院食か。ふむふむと感心した。

魚を食べ進めると骨が出てきたのも驚いた。
私が勤める老健は、高齢者のために骨取り魚を使用する。
逆に骨が入ってたら報告書を書かなきゃいけないくらい魚の骨には厳しい。
なので病院食含む全ての給食は骨取り魚しか使わないと思い込んでいた。
病院食は骨取り魚を使うとは限らないのだ。またひとつ勉強になった。

食べ終えて落ち着いたら、ニコニコの友人が顔を覗かせる。
病院内のコンビニまで喋りながら散歩して、水などを買う。

コンビニの前に大好きなスターバックスがあったので、抹茶クラシックグリーンティーラテを買って病室に戻る。

病室でスタバを飲みながら、友人と消灯時間まで話した。

祖父の話もしていたので、大変だったねぇと抱き締めてくれた。
そして手術までの流れや、それからあった出来事を話してくれて、大丈夫だよと励ましてくれた。
明日は手術まで一緒にいるねと笑顔で言われて、頑張れそうな気がした。
消灯時間になって、おやすみなさいとそれぞれの場所に戻る。

本当は今日は病院でお風呂に入れる予定だったが、病院に着くのが遅れたのでお風呂は無しに。
代わりに持ってきたドライシャンプーで体を拭いて着替えた。

それから母に明日持ってきて欲しいものを伝えたり、友人に今日の出来事をLINEで話してだいぶ落ち着いてきた。
祖父との別れからの入院と、非日常な一日だったが、なんとか穏やかな気持ちで一日を終えることができた。

友人が近くにいて良かったなー。
1人だったらきっと色々考えちゃって落ち込んでしまっていたからありがたい。

明日は朝早くから手術なので、とりあえず頑張りたいと思う。

では、また明日。


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