![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154220475/rectangle_large_type_2_4b3a8349d848fc436743e8ca7710946e.jpeg?width=1200)
残暑厳しい東京湾で探鳥:シギチは冬羽に衣替え
休日の早朝。
一度訪ねてみたかった探鳥地に行くため、早起きした。
鳥枯れの時期でも野鳥たちで賑わっているという。
まだまだ残暑厳しく、朝のうちに探鳥を終わらせたい。
その場所は干潟のため、早朝と干潮とが重なる日を狙って訪れる。
京葉線に乗り東京駅から26分。二俣新町駅で降りる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726114212-ZDwBhF3uLQRxcI2blYjk0spd.jpg?width=1200)
駅から徒歩20分余りの所にある三番瀬。
バーダーの間でとても有名な探鳥地だ。
東京湾の奥、千葉県の海岸沿いにある。
この時期、シギチたちに会うことができる。
シギチとは、チドリ目に属するシギ科とチドリ科の仲間の総称だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726114913-Hz7x6mefJOPhIrdL3oZ0Ssjy.jpg?width=1200)
海岸までは徒歩数分。
目の前に広々とした干潟が広がる。
この日の干潮時刻は4時半。
潮が満ちる前に鳥を探そう。
![](https://assets.st-note.com/img/1726115218-HDapG1PZgXNvnFeAiLkdMWRo.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726115404-s9BJ7N2KEUa0LkSF1MAxOPfg.jpg?width=1200)
これほど多くのダイサギが集まっているのを見るのは初めて。
安全地帯なのか、皆くつろいでいる。
干潟のあちこちでウミネコが佇み、ニャーニャー鳴いている。
近づいてもあまり逃げない。
人馴れしているのかな。
![](https://assets.st-note.com/img/1726116637-SxeiUC5p3G0OXMP4HWVLZuny.jpg?width=1200)
干潟を見渡すと、水際に小さなシギチたちが集まっている。
早速一羽が目の前をトコトコ通り過ぎる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726177590-1SUHOkgKfXmWpM6aYlvG9x5d.jpg?width=1200)
初めまして。
くちばしが少し下へ曲がるチュウシャクシギ。
旅の途中に日本に立ち寄ってくれたんだね。
いきなりのライファー(初めて観察できた鳥)登場に、心躍る。
![](https://assets.st-note.com/img/1726251818-WyEcCglkb9jDiuXtx7pSdQ3L.jpg?width=1200)
既にバーダーさんが数名集まっている所に近づいてみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1726118726-M3kaPHNQtjnIq6YhgfBc7TSl.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726116135-E851qQoNMgu09vOhwAiY6rPW.jpg?width=1200)
初めまして。
くちばしが反るからソリハシ。
採餌しやすいように進化した。
長いクチバシが邪魔じゃないのかな。
それにしても特徴ある外見ならともかく、集まるシギチたちが私には皆同じにみえる。
それもそのはず。
越冬のため南に向かう途中で日本に立ち寄った旅鳥の彼ら。
繁殖期の夏羽から冬羽に衣替えが始まっている。
みんな地味な茶色や灰色だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726177623-Da3Qhqc1R6YLgOyFJ9wpbGsr.jpg?width=1200)
シギチ初心者には見分けがつかない。
とりあえず写真に残して、あとで本やGoogleレンズ先生で確認しよう。
彼らは餌探しに夢中で、私たち人間が近寄っても逃げない。
水が引いた砂浜に生き物たちがうごめいている。
夏は潮干狩りで賑わう三番瀬。
彼らの餌となるゴカイやカニが豊富にいるらしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1726177771-4GJqBbEKOeUNZF1PfyXCMa3m.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726251869-ZM2eKa6rx4gqDAhu9YFJn7GE.jpg?width=1200)
初めまして、オバシギさん。
名前の由来は諸説あり、尾羽が白くて目立つからだとか、見た目が地味で動作がゆっくりなため「姥(おば)」シギと呼ばれたとか。
大阪のおばちゃんが聞いたら「ちゃうちゃう」と反論しそうだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726251897-NW9cq1rskwIdCV6mUgSEQuKF.jpg?width=1200)
ハマシギも初めまして。
彼らもくちばしが少し下に曲がっている。
繁殖期は赤茶色になるらしい。
この日多かったのはこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1726118225-vDuazW5R4oSxJhC9GEjAmdyw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726118499-SLg8BjCIqOM2t0mpHUeaoPKv.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726118100-x7yoI1uXthiaF6WUSgYVkfqe.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726118361-xqGmtIByokwT7V6HJ2FMSNle.jpg?width=1200)
ダイゼンも初めまして。
チドリ目に属し、春と秋に見られる旅鳥だという。
体長29㎝、ハトほどの大きさだ。
その名の由来は平安時代に遡り、宮中の食事を作る「大膳職」がこの鳥を美味と評したことにあるらしい。
味に興味はあるが、こんなかわいい鳥を食べようという気にはなれない。
餌探しに疲れたのか、あちこちで座るシギチ。
可愛らしい様子にキュン死する。
![](https://assets.st-note.com/img/1726119136-Q9Be6x4KIMptCh1nTV5gdwbS.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726176070-IEvXuUDVjwkMhsiR9mK1NPTo.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726255432-3aBzPjYn4olG18RMTXuOSepq.jpg?width=1200)
可愛すぎやせんか、君たち。
可愛いライファーが続き、暑さを忘れて干潟を歩き回る。
干潟をトコトコ歩く小さい鳥を見つける。
![](https://assets.st-note.com/img/1726118803-TH8cA02i3mRtrxkMNfFYEuhC.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726117987-2G5mlyIsW0ZfdMecFCBTqQbu.jpg?width=1200)
まだ若いのかな。色が薄い。
チドリ目の中でも目が小さいとされるが、クリっとした目が可愛い。
少し離れて、お腹の白が目立つ小さな鳥が餌を探している。
![](https://assets.st-note.com/img/1726118973-6zuGDRAaigIw8V59nvX3UjsY.jpg?width=1200)
初めまして。
トウネンもチドリ目シギ科の仲間。スズメくらいの大きさだ。
名前の由来は、体が小さく「当年生まれの子」と思われたのが由来らしい。
名付けがテキトーだ。
もう少し可愛い名前を付けてあげても良いのにね。
同じようにお腹の白色が目立つ小鳥が集団で歩いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1726177713-7oU6cBMWupg3aPdknl51OLSi.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726177751-ArFmwVHWpsKhutIgRjQdcelz.jpg?width=1200)
ミユビシギさん、初めまして。
後ろ指が無く3本指だというミユビシギ。
恐ろしく足が速く、トトトトトと目の前を駆け抜けていく。
波打ち際を走り回り採餌するらしい。
こちらもとても可愛い。
一度、冬のモフモフ大集団を見てみたいな。
こんなやつ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726254548-adxgBTjANnEYpel0LKC174sV.jpg?width=1200)
少し離れた水辺に黒っぽい鳥が一羽降り立つ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726116933-sqOzeNh60wvBVmDgpQGYAC3d.jpg?width=1200)
初めまして、ミヤコドリさん。
こちらもチドリ目に属し、越冬のためユーラシア大陸からやってくる冬鳥だ。
古くからユリカモメが「都鳥」として作品に読まれていたが、江戸時代にこの鳥が都鳥だと言い張った人がいて、結果的にこちらがミヤコドリと命名されたとか。
いつも思うのだけど、鳥の命名については色んな事情や歴史があるんだね。
ウミネコ集団に交じる、一回り大きな鳥を見つける。
![](https://assets.st-note.com/img/1726117344-yj4Zs9GC3t1dhJWH6OMv8IEz.jpg?width=1200)
オオセグロカモメも初めまして。
体長61㎝、羽を広げると150㎝を超えるらしい。
普段は東北地方より北に住んでいる。
ウミネコに混じり1羽ぽつんと佇んでいる。
群れからはぐれてしまったのかな。
初めましての鳥が多すぎて、私の頭はもはやパンクしている。
もちろん、おなじみの鳥も健在だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726117144-QbFUeEyZlN8GqHmjcBIJutkS.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726116402-oMuFjXIz50k68fcqdZStQ7Vm.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726177680-ch6SUajyCGb07BmFtLOKWR5u.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726115476-U62dS5D3Z0Ka8vmclfMCkgW1.jpg?width=1200)
時刻は9時。
この日も熱中症警戒アラートが出ている関東地方。
気温は既に30℃を超えている。
干潟は日を遮るものが無く、汗だくになっている。
もっとバーダーさんが多いと思ったが、この暑さで10名程度しかいなかった。
今回滞在時間は2時間だったけれど、たくさんのシギチに会えた。
ライファーは10種類、結果に大満足。
前日仕事でショックな出来事があり気分が滅入っていたが、鳥を夢中に追っかけているうちにどこかに飛んで行ったようだ。
また季節を変えて、今度は涼しい季節に来てみよう。
三番瀬を後にする。