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詩作品

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#詩

えいえんにいきる(詩)

歯を磨くには目を合わせなくてはいけない……あなたも、私も、そうすべきだ。魚類の恋人たちから学ぶべきことはたくさんある。たとえば、恋の位置、キスの無秩序さ……𓆡こういう魚がいる。こういう魚から学ぶことはけっこうある。あるんじゃないかと思われる、そう、魚は歯を磨かない。匂うのではないか、口腔が……それでも捕食するときには内側の顎をつかって、じょうずに獲物をつかまえる「いただきます」。そう、魚は「いた

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きみのことばで(詩)

きみのことばで(詩)

きみのことばで
きみのお母さんの苦しい午睡を揺り起こすといい
 
きみがとてもやさしいということが
やさしいことばで
びっくりするくらいやさしくつたえられるといい

きみのことばで

※引用文中のことばはすべて、作者の子供の言葉です。
 いつもありがとう。

眠れないあなたはテレビをみていい(詩)+(エッセイ)

眠れないあなたはテレビをみていい(詩)+(エッセイ)

不安で眠れない、眠れない夜は、テレビ……テレビをみるといい。えっと、テレビにはいろんなものが放映されていて……宝石を売る。夜は、アニメーション。髪の色がカラフルな女の子たちが、遊んでいる……いいな、すごく、いいな……髪は、カラフルで、宝石は、カラフルだ。いい。すごくいい。
 
クォーツが、いい……しろい。パールも、しろい……アメジストは暗くて、ダイヤモンドは……とてもカラフルだ。アニメーションだっ

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あなたは花の名前をきめて寝ていい(詩)+忘れたくない(エッセイ)

あなたは花の名前をきめて寝ていい(詩)+忘れたくない(エッセイ)

不安で眠れない。不安で眠れない夜は…花の名前にもたれかかると、いい。それは、いいことなのか、どうか、わからない。わからないけれど…やってみることは、いいこと、なのかもしれない。なにがいいことなのか、わからないけれど…。

花の名前をきめるのは、いい、ことだと思う。すべての名前のない花は名前をつけてほしがっている。名前をつけてほしがっている花にはかたちがない…花の名前がつけられていないすべてはかたち

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あなたは寝ていい、音楽が寄り添うといい(詩)

あなたは寝ていい、音楽が寄り添うといい(詩)

不安で眠れない、不安で眠れない夜は、音楽が寄り添うといい…いいな。それはすっごくいいな…。

ピアノの音で始まるといい。かんたんな、よっつの音のくりかえしが、リズムと予兆をつくってくれる、いい…それはいいな…寄り添うみたいにコントラバスのピチカートが…いい…ピチカートがおなじようによっつの音をはじいて…いい…あそばせて…寄り添うと…いい。それはいいな…すっごくいいな…。

ビオラがピアニッシモで歌

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白い、あなたは寝ていい(詩)+個人詩誌(日記)

白い、あなたは寝ていい(詩)+個人詩誌(日記)

不安で眠れない、不安で眠れない夜は、いいことがたくさんあると、いい…いいな。すごく、いいな。なにがいいことなのか、わからないけれど…白いもので充ちていると、いい。すごく、いい。
 
シーツや、ろうそくや、壁紙や、シロアリや、冥王星とか、チンアナゴのクッションとか、子供の抱き枕とか…そういう…白いもので充ちていたら、いい。きっと、まぶしくて寝れないだろうけれど…いい。きっと、いい、ということにして、

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今年は幸せだった(詩)+ごあいさつ

今年は幸せだった(詩)+ごあいさつ

 
今年は幸せだった。
 
あなたも、わたしも、それは許されている。わたしとあなたは幸せだった。あなたたちは幸せだった。なにもかもが充ち溢れていた。ほとんどのことは大丈夫だった。
 
大丈夫だった、大丈夫だった。
幸せで、充ち足りていて、なにも――おそろしいことはなかった。
なかった、幸せで、充ちていて、大丈夫だった。それは大きな声でいってもいいし、子供たちの耳元でささやいてもいい。
 
それは許

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Mantell(詩)+現代詩について考えること(エッセイ)

Mantell(詩)+現代詩について考えること(エッセイ)

息子が印刷用紙に描いた恐竜のスケッチがある。背骨がしっかりと感じられるのがとてもいい。すっごくいい。皮膚の色は恐竜研究のなかでいちばん特定が難しい部分だというが、息子の選んだクレヨンでまず間違いはないだろう。
なによりもいいと思うのは、恐竜のそばに書かれた三行の文章だ。幼稚園児らしい硬さをもった字はこう告げる。
 
「人々は恐竜を信じています。
 信じているということは、姿の見えないものを愛すると

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金木犀(詩)

金木犀(詩)



私は偶然男に生まれ、偶然体格がよく、偶然声が野太いです。

偶然母性よりも父性を持つとされ、偶然家事よりも仕事をこなせと世間から言われ、偶然出産の苦しみを得ない性別に生まれました。

偶然性のなかで与えられたことをすべて放り出してしまいたくなることがあります。特に、偶然苦しみを与えられた人々を前にしていると。

詩を作るのが難しくなってきました。正解がわかりません。

水脈(詩)



母が父と別居を始めたとき、私は3歳だった。兄は6歳。阪神・淡路大震災の朝だったと聞いている。母方の祖父母の車に乗せられた私は、遠ざかっていく父の姿を泣きながら見つめていた。

先日、私の息子が4歳になった。私の父が見ることのなかった年齢の私。もちろん息子と私は違う。息子氏には父親のいない家庭があるなどということは想像もできないことだろう。それでも、ここまでそばにちゃんといられたというそのことだ

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階段(詩)



イメージはウンベルト・エーコ「ヌメロ・ゼロ」のある語りから。タルコフスキーの映画を思い出すとき、私は「希求」ということについて深く考えさせられます。「サクリファイス」で世界の救済を担うのは魔女ですが、主人公の男は正当な対価を払わなければいけないという意思に突き動かされ、最終的に家を燃やしてしまいます。私はあのシーンを見ると憧れに近いものを感じるのです。きっと私にはあそこまでの強さがないからなの

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唯(詩)



最近のボカロの曲を良く聴きますが、ボカロ流行り出しの頃と比べて歌詞の内容が移り代わってることに驚きます。直接的な言葉ではもはや語れない領域にまでボカロの音楽が踏み込んでいるのだなあと。

今まで書いてきた自分の詩、実のところあんまり好きじゃなくて。小説と比べるとそこまで詩という表現に確信を得て書けてるわけではなくて。
でも、歌詞のつもりで書くと、どこか好きになれるなあと最近思いました。

いつ

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縮図法(詩)

 おまえの目を覗き込んだとき
 虹彩と水晶体に滲んだ
 火花の煌めきにだけ興味があった

 弾けてふるえるいくつもの光が
 青白く閉じられたおまえのまぶたに隠されるとき
 あの知覚していたはずの空虚がひずみのように
 やわらかな口蓋の奥のほうからやって来る
  (オレンジジュースのにおいとともに)
 硬く、厳かな冷たさを持つそれは
 まるで無謬のように
 掬いあげた砂粒のひとつに投影された春の日の

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