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✨nostalghia📖東京文フリ39📖ね‐31✨
2016年12月27日 00:12
わたしはいま、あなたの隣に沈黙のまま伏してあなたの、ついばむ詩の断片を聴いているやすらかな吐息に死に向かう眠りと生への静かな待機がどうかあなたにわたしではないだれかのことばが降りかかればいい-------------------------------12/24生後半年になる子のそばに寝転がって、彼の穏やかな寝息を耳元で感じていると、私は父親でいられるのか不安になっ
2016年12月20日 21:34
薄氷のうちに閉じ込められた枯れ葉を、ネイルの先で葉脈のちぎれないように取り出す。叔母は短い言葉と白い息を吐き出し、街灯の明りにその小さな桜の葉を透かして見る。雪に覆われて機能を失った貸駐車場の上。ダウンジャケットを着た彼女は、葉を持つのと反対の手で、幼い甥の手を引いている。葉は、静かに指先で回転した。叔母は身をこごめると、冬枯れを閉じ込めたその葉に口づけ、そして少年に口吻する。それから甥は、ひと