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2023/9/19火 バイト話 幕の吊り上げ

2020年3月埼玉に住んでいた頃、イベントスタッフの単発バイトで群馬県伊勢崎市の市民会館のステージの幕を取り替えて吊り上げるというバイトに行った。春は取り替え時期らしく何年かに一回は幕を一新するらしい。その為、各地でこうゆう仕事が多かった。

これを同じ施設内でいくつか吊り上げるので1日では終わらず3日間でやる事になった。埼玉から伊勢崎の現場まで電車で2時間かかるのでネットカフェに泊まる事にした。

仕事が始まる前に現場系の人達に混ざってラジオ体操から1日が始まり、依頼してくれたえらい人にその時のイベント会社の名前で呼ばれる。「おい、○○これあっちに持っていって」ここでは本名や苗字を呼ばれる事はないのだ。でもイライラはしなかった。もう慣れたというのもあるし、何よりこの時自分は芸人になる為にマセキのタレントゼミナールに応募して4月から授業が始まるのでワクワクの方が強かったからだ。

仕事内容は今ついてる古い幕を外して、新しい幕を取り付ける。そして20人くらいで一斉に吊り上げる。単純だが物凄く力仕事だった。これを何回も繰り返しで3日間やり続けた。唯一の楽しみは仕事終わりの飯とネットカフェ近くの銭湯に入るくらいなものだが半分バイト半分観光くらいな気持ちで楽しめた。

楽ではなかったが、3日間のバイトが終わり給料は手渡しの為、大宮のイベント会社に行きお金を頂いた。このお金は遊びには使わずタレントゼミナールの入学金に当てようとめずらしく銀行に預けて家に帰りさすがに疲れたので2日休みを取ってゆっくり過ごした。

そして数日後コロナが猛威を奮って4月のタレントゼミナール延期の連絡が入り、俺はまた別の施設で幕を吊り上げていた。


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