映画感想〜凶悪〜

映画の感想をまたーりと。

批評ではありません。批評できるほど映画詳しくありません。

自分が観て、感じたことをダラダラと。

好きな映画は…Filmarksのアカウントをご参照あれ。

今回は「凶悪」!!

凄く考えさせられる映画で、定期的に観ては自分自身に色々な感情を沸き立たたせ言い聞かせてる。

原作は新潮45編集部、凶悪ーある死刑囚の告発ーで、所謂、上申書殺人事件のルポルタージュをもとにした映画となっている。

実話をもとにした映画ですね。

あらすじは、3件の殺人と一件の殺人未遂の罪で死刑を言い渡された須藤(上申中)から、雑誌・明潮45宛にある手紙が届く。

話を聞きに行った記者の藤井は、面会室で須藤からまだ世に出ていない殺人事件を告白される。

それは不動産ブローカーの木村と須藤が組んで、土地を持つ老人を殺し、土地を奪い転売し高額な利益を得ているといった内容だった。

上司からは記事にすることを却下され、家に変えれば認知症の母と介護をする妻、現実から逃げるように藤井は事件解明に向け取材を続けていく。

須藤と木村が行った事件もかなり凄惨たるものだが、藤井がまるで狂気にあてられたかのように事件にのめり込んでいく様に背筋が凍った。

家庭を放り出し、妻の話はまるで聞かず、風体まで変わっても事件を追いかけていく。

藤井も、須藤や木村とはまた違った狂気の持ち主だったんだろう。

後半で藤井が妻に言った言葉、「あと少しで犯人を死刑にできるんだ」。最後に木村が藤井に言った言葉「俺を一番殺したがっているのは(アクリル板越しに藤井を指差す)」。

この2つの言葉を聞いて、正義と言う名の下なら人の死は驚くほど軽いのではないかと言う事を思った。

凄く映画の話からは逸れるが、僕自身高校生くらいからずっと考えている事があり、まだ明確な答えを出せないでいる。

それは「人は性善説か性悪説か」と言う事。

木村と須藤は金のために殺人を犯し、それを娯楽のように楽しんでいた。

藤井はいまだ捕まらぬ犯人に怒りを覚え、正義の鉄槌を下そうとした。

藤井の妻のセリフで「楽しかったんでしょ?私だって読んでて楽しかった」というのがあるが、確かに人間という生き物は、自分たちが信じたものや他人の出来事には残酷な思考になるのかもしれない。

前回のアメリカンヒストリーXの感想でも同じような事を書いたが、僕達の心の中にもその残酷な影は確かにある。

その影は生まれてから持っているものなのか、生きる過程で生じるものなのか、僕はまだ答えを出せずにいる。

ちなみに映画の中では須藤は藤井をダシに使った感じになっていて何とも胸がモヤるが、原作ルポではもう少し明快になっていて、少しモヤが晴れる。

こう思っている事自体が、僕の心の影を移しているのかもしれない。


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