Review-#020 『2019年冬アニメを観たので感想を書く』Vol.03

 今日はこのVol.03まで。明日Vol.04以降を投稿する予定です。どんだけ紹介するんだ、と自分でもびっくりしています。
 1ページ作るのに相当時間かかるから…。やっぱりこまめに準備しておかないとこういうことになっちゃうんですね。

 まぁ、それは置いといて。Vol.01を公開する際に、最初間違って『うわそら』の方に公開しちゃったうっかり者ではございますが、落ち着いて紹介していきましょう。

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<このページのお品書き>

上野さんは不器用
えんどろ~!
 五等分の花嫁

《PREV
(『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』
 『私に天使が舞い降りた!』
 『同居人は、ひざ、時々、頭のうえ。』)

NEXT》
(『荒野のコトブキ飛行隊』
 『ガーリー・エアフォース』
 『ぱすてるメモリーズ』)

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上野さんは不器用

(2019年1月-3月)

アニメーション制作:レスプリ
監督・シリーズ構成: 月見里智弘

<TVアニメプロモーション映像>

<☟原作コミックもどうぞ>
上野さんは不器用 (ヤングアニマル連載・2015年2月27日~)

作:tugeneko

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一途な想いが閃きを生む『オゲレツ大百科』?


 『ベルセルク』や、ここのマガジンでは『あそびあそばせ』を取り上げたヤングアニマルからの刺客です。科学部部長の上野さんが(ノーベル賞獲得間違いなしの)発明品を使って、彼女が想いを寄せる後輩の田中くんにセクハラする。そういう話です。

 上野さんは田中くんに一途なのです。ただ、タイトルにもあるように不器用なのです。だから発明品で想いを伝えるのです。その結果が第1話の「濾過した自分のおしっこを飲ませる」…そうなるかなぁ。天才というのは、やっぱりどこかズレるんだね。
 一方の田中くんは超朴念仁。というより、中学生だというのに全然目覚めていないらしく、ラッキースケベにも一切動じない。下心すら見せない彼の前では、上野さんの思惑は悉く外れます。
 時々デリカシーがあるんだかないんだか分からない言動を取り、特に序盤は(実験に付き合っているとはいえ)女子のお尻を容赦なくぶっ叩いたりと鬼畜な一面を見せます。これには観る側もドン引きするかも。うん、まぁ、後のエピソードだと大分大人しく(?)なっているんですが。

 10分ちょいのショートアニメということもあって、テンポは良好。声優、というか上野さん演じる芹澤優女史のどっから声出してんだろうか、迫真の演技も光ります。収録語に喉を傷めてそう。

 評価はGOOD。基本的には「上野さんがセクハラしようとして空振りするコメディ」なので、当然ですが人を選びます。田中くんも田中くんですが、そこにビタっとハマれば楽しい作品だと思います。あと、原作エピソードは例によって「マンガPark」でも一部配信されているので、興味のある方はこちらから入るのもいいかもしれません。

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えんどろ~!

(2019年1月-2019年3月)

アニメーション制作:studio五組
監督:かおり
シリーズ構成:あおしまたかし

<TVアニメプロモーション映像>

<☟コミカライズ版もあるでよ>
えんどろ~! (コミックファイア掲載・2018年8月9日~2019年2月15日)

原作:い~あ~るぴ~!
漫画:いづみみなみ

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ナラル島は今日も平和だった…


 オリジナルアニメですが、ジャンルは「きらら」を思い起こさせる日常系。確かに「ありそでなかった」かもしれません。
 剣と魔法のファンタジーRPGのような世界にて、ユーシャたち4人のパーティが魔王を討伐しそうでしない日常を送るというストーリーです。

 ゆる~いですが、戦闘もします。剣なのに打撃武器になっちゃってるのは、流石にバッサバッサ切り倒すとゆるくなくなっちゃうからでしょうね。このジャンルで血腥いバトルやられても困るし。…日常系に見せかけてた血腥い作品あったけど。何とは言いません。

 魔王と勇者の関係など、この世界における謎が劇中で提示されているため、それが一体何なのか、どのように決着をつけていくのかというポイントに注目する人もいるとは思いますが、この作品では難しいことはあまり考えない方がいいかと。
 関係の決着は最終回でつきますが、ネタバレすると「ありそでなかった」展開ではなく、「わりとよくある」デウス・エクス・マキナです。

 色々と謎が残る終わり方だったので、その為に物足りないなぁと感じた所もあります。が、ファンタジー世界になってもお約束はキッチリと守っているし、ストーリーも重くならない(シリアスが入ってもすぐにギャグでいつもの空気に戻る)ので、日常系を求める人には程よいバランスじゃないでしょうか。

 なにより大団円だしね。めでたしめでたしの、評価はGOODです。

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五等分の花嫁

(2019年1月-3月)

アニメーション制作:手塚プロダクション
監督:桑原智
シリーズ構成:大知慶一郎

<TVアニメプロモーション映像>

<☟原作コミックも五等分なんです>
五等分の花嫁 (週刊少年マガジン連載・2017年8月9日~)

作:春場ねぎ

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リアルでもフィクションでも"五等分"は手のかかるもの


 恋人候補が五つ子とは、これまた思い切った設定だねぇ。成績優秀、でも貧乏生活を送っている主人公・上杉風太郎と超セレブ、でも揃って勉強はダメダメの中野5姉妹が繰り広げるラブコメ作品です。

 アニメになった本作で突っ込まれそうなのが、「可愛さが五等分できてないやん!」ということ。同期に『どろろ』も制作していた手塚プロダクション。リソースの都合からか、作画が酷く崩れていたわけではないのだけれど、それでも違和感はあったか。少なくとも可愛さ500%…ではないですね。
 風太郎なんか、色んな人が交代〳〵に同一のキャラクターを演じているかのようで。個人的には二乃が一番不憫な扱いだと思う。可愛く描かれているシーンも他と比べると多くないし、序盤ということもあってツンツン目の高いキャラだし…。描くの、難しいのかな。

 そんな中、何故か一番安定しているのが三玖。5姉妹の中では早めに風太郎に好意を寄せるキャラということもあり、可愛い仕草も他と比べて多め。
 ストーリー面でも作画面でも優遇されています。スタッフは揃いに揃って三玖派なんですか? 後半になると他の花嫁候補にも見せ場は出てくるけれど…。
 髪の色は…漫画的表現だからね。「判別できるだろ」と風太郎君に突っ込みたくなる気持ちも分からんでもないですが。キャラクターが判別しづらいという意見もあった『ブギーポップは笑わない』とは真逆の反応です。

 中盤、物語のキーパーソンである、中野5姉妹に似た女の子の存在が提示され、果たして誰がその人なのか、誰が風太郎をオトすのか…。そうしたミステリアスな要素が、五つ子設定を盛り込んだ本作のポイントですね。
 アニメだと一通り登場キャラクターに触れた辺りまでで、「こっから…」という所でエンディングを迎えてしまうのが惜しい。野暮なことを言うと、本作の円盤の売上はなかなかに好調だそうで。2期に期待できそうかも。

 良くも悪くも原作の販促アニメという感じは否めませんが、ユニークなストーリーと各々のキャラクター、アニメ化された範囲でも楽しめる部分はあると思います。続きが気になる人は原作、あるいは2期待機ということですかね。評価はGOODです。さて、花嫁は誰なんでしょうね…?

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 ここまで来て、「あれ、ここで折り返しか?」と気づきました。Vol.04に続きます。もう少しだけ続きます。


© tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
©ERP/えんどろ~製作委員会!
©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁」製作委員会