#137 あなたが思うより即物的です

 明日は衆院選の投票日ですね。そしてハロウィーンですね。
 それに伴って選挙運動は今日まで、各立候補者はラストスパートという意気込みでやっているのでしょうが、まぁ「うっせぇわ」でございます。
 法律の範囲内ではあるんでしょうが、やっぱり気になるわけで。リモートワークで会議をしていると演説の声が入ってきてなぁ。場所や音の拾い方とかを変えれば良いのですが、何でこっちが譲歩せにゃならんのだという気持ちにもなります。

 先に申し上げておくと、今回の選挙にあたって、どこの誰を支持するかはこのnoteでは取り上げません。そういう内容じゃありません。もっと些細な話です。
 まぁ大抵の立候補者は耳触りのいい言葉を並べていますね。綺麗ごと、お為ごかし、最低でもそれぐらいは盛り込んでくれないと票は入らないでしょう。不可能とまで行かずとも、「で、それはどうやって実現させるの?」という点に目をつぶればよぉ~。

 でも、私の中だと。そういうマニフェスト以上に普段の行いはどうなの、という所に引っかかっているように思います。
 別に明日の衆院選に関わらず、例えば知事選や都道府県議会の選挙の場合でもね。やたら大局観のあることを宣わっていたとしても、お前普段がなっちゃいねぇだろという事が一つでもあると、もうそこで応援したくなくなっちゃうのね。政を為すは人にあり、しかしその難しさたるや。

 そうだなぁ、こんな公約を入れてくれる立候補者がいるなら、考えてやらんこともないよ。
 「政治活動用事務所の立地条件の制限」を入れてくれる人がいるなら。


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 どういうことか。はっきし申し上げて邪魔なんです。
 事務所の脇に車停めてるやつ。

 お前の事務所にはロクな駐車場が無いのかと。

 政治活動するにあたって、時折外部から色んなものを運び入れる必要性がある、ということは何となく分かるのですが。
 そのために車を路上に停めている人がいるんですね。特別道幅が広いわけでもないのに。

 政治家なんだからさ、普通にお金あるでしょ? 駐車場用のスペースも確保して構えるなり、どこか別の場所に駐車場を設けるなりしなさいよ。
 せめて、一万歩譲ったとしても、寄せる努力をしろよ。特に何もなしに「ここを往来するドライバーは避けてね、エヘ」と言わんばかりに堂々と駐車しているのを見ると、シンプルに不快です。

 で、輪にかけて酷いのが、交差点辺りに事務所を設置している場合ですね。最早法令に引っかかってもおかしくないレベル。きちんと測ると交差点から5m以上離れているのかもしれないけれど、普通に邪魔。あとぜってー5分以上積み下ろししてる。
 各政治家の皆々様方においては、今一度「停車」の定義を確りと調べていただきたく存じます。弁護士上がりの政治家もいるんでしょ?

 やたら遵法精神を説く癖に、こういうことには「お目こぼしして頂戴ね、アハ」と言わんばかりに堂々駐車しているのを見ると、もー無理です。応援する気が失せます。自分の持っているイデオロギーに関係なく、コイツは駄目だと認識が固定化されるだけです。


 似たような事例だと「点字ブロックの上に立って団体活動している」とかね。あんたらにとって、大局的な問題の前では取るに足らないことのように思えているのかもしれないけれど、市井にはそれを必要とする人がいるんですわ。
 「期日前投票の会場の駐車場に選挙カーを停めている」のもねぇ…。あんたがそこを退けば一台分停められるはずなのに、何で潰すんだよって。ついでに一票が確実に潰えたぞって。
 投票率を上げるのにご執心な方もいらっしゃるけれど、まずはこういった点から直していかない限り100%まで回復したとしても勝てないよ。まさしく「そういうとこやぞ」。

 些末事だと切り捨てているものでも、印象を変えるには十分な材料であるということに、お偉方は全然気付いていない。勿論、誰しもが「即物的」とはならず、きちんと広い視野で考え票を投じる先を決める「聡明」な有権者もいるでしょう。「聡明」かはともかく、自分とて何も印象だけで決めているわけではない、そのつもりでいます。

 だけど、日頃の行いを踏まえて、平穏な日常に割り込まんとする立候補者の声に少し耳を傾けてみると、

 へ。

 としか返せなくなる時が、たまにあるのです。自分はそうです。

 道端に駐車されていたからって、事故に遭った(巻き込まれそうになった)ことはありませんよ。多分「自分がここに停めたからって大きなトラブルにはならんだろう」と考えているようにも思えます。
 でも、その程度の認識の人に任せられることって何だろう。
 少なくとも政治なんか無理でしょ。


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 そんな感じで、選挙カーやら街頭演説やらに嫌気が差すんですね。

 人の往来の妨害だけじゃ飽き足らんか、と。
 あろうことか「ぼくのわたしのかんがえたさいきょうのせいじ」を語りだすか、と。
 ハロウィーンの喧騒の方がまだマシ。いやマシではない。お家の中で大人しく連邦に反省を促すダンスでもやっててくれ。

 選挙に勝った暁には「駐車場が付いていない政治活動用事務所は交差点30m圏内に建てられないようにする」法律を制定するという方がいたら、私は「よくぞ言ってくれた!」と一票を投じるかもしれない。これって何の法の条文追加に相当するんだろう。道交法ではないよね。
 もし実現したら、全国で一体どれだけの政治家が引っ越しを余儀なくされることだか。

 それはそれとして、明日の開票が楽しみですね。
 どんな結果になることやら。
 きっと勝っても負けても、路上駐車を止めてくれることはないでしょうから、結局はこちら側が律儀に避けてやり過ごすしかない、そんな日々がこれからも続きます。忌々しい。

 政治家に清純潔白さを求めることこそ本当の夢想だ、と嗤われてしまうかな。ちゃんとやることをやってくれる方がよっぽど重要ではありますし。それでも、素直に応援できるような人が政治家になって欲しいと願って止まない。
 尤も、そうなっているのであれば、こんなことをわざわざ書こうとも思わんのですがね。