Review-#024 『2019年春アニメを観たので感想を書く』Vol.02

 7月に入りましたが、引き続き例のショートレビューです。放送開始時は平成だったけれど、5月に入ったことで時代は令和に。ということは、2019年春アニメは平成最後かつ令和最初のTVシリーズ作品ということでいいのかしら? 跨ぐのはダメ? やっぱり夏アニメが令和最初??

 それはともかく。Vol.02でございます。Vol.03は何時出せそうかなぁ…。ちょっぱやで更新できたとしても、七夕の後?? 何を言っているのかは観ている人ならすぐに分かるかもしれない。お品書きの項目を見ると分かるかもしれない。

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<このページのお品書き>

世話やきキツネの仙狐さん
超可動ガール1/6

《PREV
(『どろろ』
『さらざんまい』)

NEXT》
(『川柳少女』
『八月のシンデレラナイン』)

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世話やきキツネの仙狐さん

(2019年4月-6月)

アニメーション制作:動画工房
監督:越田知明
シリーズ構成:中村能子

<TVアニメプロモーション映像>

<☟原作コミックもどうぞ>
世話やきキツネの仙狐さん (コミックNewtype連載・2017年10月6日~)

作:リムコロ

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注:バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさんのアニメではありません


 ほほう…動画工房、次なるジャンルはそう来たか。「監禁した少女に狐のコスプレをさせていい様にしているおっさん」の図に見えますが逆です、逆。「800年生きている狐が社畜のおっさん宅に押しかけて何かと甘やかそうとしてくる」という図です。
 私の場合、以前シャープの公式ツイッターアカウントで紹介されていたのがきっかけで知りました。「のじゃの魅力に憑かれた」と評判の本作、果たしてその実力とは如何ほどか。

 ブラック企業勤めな所為で心身ともにボロボロのおっさん、中野(なかの)は何ともまぁ羨ましいことに、家に帰ると「おかえり」と言ってくれる存在がいるのです。神使の仙狐(せんこ)さんはあれやこれやと彼に尽くします。
 料理や洗濯といった家事はお手の物、耳かき・添い寝といったサービスも充実。中野のためなら恥ずかしいモフモフもさせてくれます。
 しかし中野は相当のモフリストと見受けられる。目の色を変えて仙狐さんに迫るその絵面は…やっぱり犯罪臭するよなぁ。仙狐さんの方が遥かに年上だと分かっていても。ていうか、これ見方によっちゃあ…何でもないです。
 あと個人的には仙狐さんの中の人も相俟って、何か某2018年夏アニメ作品のイメージが…あっちは猫だけれど。

 仕事に疲れた貴方に…観せたいところではあるけれど、危ない気もします。コレ観たら明日、仕事に行きたくなくなっちゃうんじゃないかなぁ?
 「現実には仙狐さんが居ない…」ことに絶望して最悪のケースに至る…というのは考えすぎですかね。現実なら一線を越えても転生できませんからね。多分。愉快な仲間と学園生活も送れませんよ。多分。

 ですがご安心を。こんな羨まシチュエイションを中野の独り占めにはさせません。各エピソードのCパートでは、一人称視点で仙狐さんとのトークを堪能できるのです。題して「スーパー仙狐さんタイム」。VRコンテンツとして売り出せば…ワンチャン行ける?? て、制作中なの? まじで??

 でも何で毎回アパートの外の一枚絵で締めくくられるんでしょうか。締め出されるようなこと、私何かしました!?

 中野と仙狐さんの関係は1話で概ね確立されているので、12話通して仙狐さんがあの手この手で中野を癒す話になっています。アパート住まいなので、お隣さんの高円寺安子(こうえんじ やすこ)も登場しますが…この人は仙狐さんにメイド服を着させて喜んでいるお方です。
 動画工房、まさかの変態淑女ハットトリック達成。
 他には神使のシロといったキャラも出てきますが、基本的には中野と仙狐さんのお話。ちなみに終盤は例によってアニオリ展開ではあります。あぁ…このアニメも終わりに差し掛かっているんだなぁと。ただ、アニオリを含めてもストーリーの起伏自体は少なめです。この作品においてはそれが一番ニーズを満たしているのかもしれないですが。
 そうそう、動画工房なので作画は安定の出来です。いつもの妙に動くアニメーションもありますよ。『稲荷少女ヨーコちゃん』の方で。

 でも仙狐さんはあくまでも癒すってだけで、中野が負のオーラを抱える根本的な問題は解決してくれないですよね(どうもブラック企業勤めということだけが原因ではないようですが)。そこに触れたらホラーになりそうだが…「お金も周りのことも心配せずとも、ずぅっとわらわに甘えておればよい」…あかん、これじゃ九尾の狐だ。それはそれで面白そう、と思っちゃうのは私だけ?

 観終えたら、明日も頑張って出掛けて、必ず帰ってきましょう。「帰る」からこそ、仙狐さんは癒しを提供してくれるのですから。…ところでOPの「好きなだけ甘えてよいのジャー」は、いつになったら発売されるのでしょうね? それこそシャープとかが出してくれたり、とか?

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超可動ガール1/6

(2019年4月-6月)

アニメーション制作:studio A-CAT
監督:元永慶太郎
シリーズ構成:日暮茶坊

<TVアニメプロモーション映像>

<☟原作は全4巻。結構揃えやすい?>
超可動ガール1/6
(コミックハイ!/月刊アクション掲載・2012年7月21日~2015年11月25日)

作:ÖYSTER

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オタクの世界の『トイ・ストーリー』がここにある?


 漫画、小説、アニメ、ゲーム。現実ではない、お話の世界のキャラクターが初恋の人…という方にとって、『超可動ガール1/6』は魅力的かもしれません。
 古き良きオタク・房伊田春人(ぼういだ はると)は、かつて放送されていたアニメ『少女⇒惑星探査』のヒロイン、ノーナの大ファン。そんな彼がついに手にした、ノーナの1/6スケールフィギュアが…なんと動き出した! そして繰り広げられる夫婦的生活。
 羨ましいと思う人もいるんじゃないですか? 夢中になっていたキャラクターと共同生活を営めるだなんて。

 原作は全4巻。連載が開始されたのが2012年で、作品の世界と同じタイミングだとすると、その7年前に放送されていた(という設定の)『少女⇒惑星探査』は2005年。ちょうど『ロックマンエグゼ』のアニメがやっていた頃でしょうか。原作者のÖYSTER氏がかつてロックマンの漫画を描いていたこともあってか、デザインがそれっぽいのです。
 うーむ、ついに「平成感漂う」というワードが普通に使われるようになったのか…。令和時代になって早2ヶ月、もう抵抗感のような何かすらも感じなくなりましたね。

 動くフィギュアはノーナだけではありません。春人をときめかせた、印象深いキャラクター(もちろん女の子)も次々と動き出します。何かと浮気性な彼にノーナが焼きもちを妬きつつ、それでも息の合い方は1番の、1人と1機(?)のラブコメディ。終盤では彼女たち「超可動ガール」誕生の秘密も解き明かされますよ。「な・・・・なんだって――!!」となるけど。

 放送前はノーマークでしたが、第1話を観てみたら意外と面白かったんですね。1話あたりの尺は12分と短めですが、あまり展開を引きずらないし。
 例えば第1話では、自分の身に起こった出来事が全てフィクションであると彼女に悟られないよう、知識をフル活用して会話をノーナに合わせ、グッズから可能な限り遠ざけようとする春人ですが、努力空しく第2話であっさりとバレます

 テンポが良いのが評価点…ではあるのですが、本作ではテンポが良すぎて色々とかっ飛ばしすぎている印象を受けます。勇者ベルノアが出てきた辺りから、端折っているのが原作を読んでいなくても何となーく分かる感じ。原作からシーンをかなりカットしているのに、セリフやシチュエーションはそのままなのでちぐはぐ感が残っている。中盤の展開が特に顕著。まぁ、原作の段階で唐突感はあったんだけれど、それだけに猶更。

 最終回までやるからこそのハイペースなんでしょうけれど、尺が圧倒的に足りていない。2倍は必要だったよね。だから本作の最大のミスは「ふたばにめ!」枠で放送、というか制作したこと。双葉社作品を3作、30分枠で流す(本作は『ノブナガ先生の幼な妻』と『女子かう生』と連結)こと自体はいいのよ。問題なのはそこに収まるような内容じゃなかった、てコト。
 まぁ、カットしたことで終盤の11話と12話には余裕があったか…メインは春人とノーナだもんね。そこをピックアップした構成と考えれば、寧ろ短い時間の中でうまく纏めたなとは思います。

 ノーナ等3Dモデルで動かしているキャラクターは結構違和感がなかったし、ノーナの声(cv.木下鈴奈女史)も…(まぁ井口裕香女史と南央美女史を足して2で割って風邪をちょっとこじらせた感じの声質ではあるけれど)…聴き続けていると癖になるし。
 制約がかけられた中でも評価できるポイントが確かに存在するだけに、ただただ惜しいのが時間。もっと色んなシーンを観てみたかったぜ…。

 原作の販促アニメではありますが、私はこのアニメを通じて作品への興味が湧いたので、知ることができたというのが一番良かったのかもしれませんね。ちなみに漫画の方は、本作の続編である『超可動ガールズ』が連載中なのでそちらも是非。

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 Vol.03は多分2週間後辺りになりそうですかね。ただ今回は観ながら文章を書いていまして、最終回を観終えたらちょちょいと加筆修正すればいいので、公開までに大して手間取らなくて済む…と信じたい。
 ということで、また今度。


©2019 リムコロ/KADOKAWA/世話やきキツネの仙狐さん製作委員会
©ÖYSTER /双葉社・「超可動ガール1/6 」製作委員会