#044 Here "h.ear on 2" Is

 …うーん、『ドラッグオンドラグーン(DRAG-ON DRAGOON)』並みに寒いダジャレと海外の人から思われそうなタイトルはさておき。


 こんにちは。「なにがなんでも」にて既にお伝えした通りこれまで愛用していたヘッドホン、MDR-100Aが2週間前に逝去なされたので、この度新しいヘッドホンを購入しました。

 それがこの「h.ear on 2 Wireless NC (WH-H900N)」でございます。ふっふっふー、オンキョーにするかパイオニアにするかオーディオテクニカにするか…色々選択肢はあったので検討していたのだが、結局SONY製にしたのだよ。よくよく考えたら、今までオーディオ機器を購入する時って大抵SONYかAIWAかのどっちかにしていたような。旧AIWAのラジカセの画像を漁っているけれど、実家に置いてあったのってどんな形状してたっけな…。うぅむ、画像検索でヒットするのはどれも記憶にないデザインだ。

 んで、購入して試聴した暁には『よもやま To-Review-To』で取り上げる予定だったのですが、この段階でそれをレビュー記事を挙げてもファーストインプレッションに近い何かにしかならないかな、と思い。ヘッドホンは使用年数の経過で音響の印象が変わるということもあるので、使い続けていかないと具体的な評価は自分の中では下せないと判断、しかし折角購入したんだし紹介ぐらいはしたいなぁ…とグダグダ考えた結果、今回は番外編あるいは出張版みたいな扱いで製品とファーストインプレッションのレポートをしたいと思います。
 私の場合オーディオ機器のみならず何に関してもトーシロの意見にしかなりませんが、購入時の参考になれば幸いです。

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h.ear on 2 Wireless NC (WH-H900N) (SONY・2017年10月7日発売)

価格:オープン価格(ソニーストア参考価格:32,880円+税)
周波数特性:5Hz-40,000Hz
対応インピーダンス:32Ω (有線・POWER ON時)
          16Ω (有線・POWER OFF時)
通信規格:Bluetooth 標準規格 Ver.4.1

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 amazonで購入しました。発売当時はほぼソニーストアとの差はあまりなかったらしいのですが、現在の販売価格は25,000円ぐらいにまで落ち着いていましたね。ソニーストアは7/30まで下取りサービスをやっているそうですが、購入当時20,000円近くしたMDR-100Aが最大500円にしかならないって言われてもねぇ…。仮にそれを適用したとしても発売当時のamazonにすら負けてますやんか。

 冒頭で貼っ付けた外箱、あと内箱のデザインはほぼほぼMDR-100Aと変わりませんね。本体の形状も"h.ear on"シリーズ共通、シンプルながらオシャレで飽きないデザイン。

 携帯に便利なポーチも付属。この辺のデザインは"h.ear on"と比べると大分シンプルになりましたね。キャリングケースの方が好み、という人にはちょっと残念かもしれませんが。イヤーパッド部分で折り畳めるので、携帯性はこのサイズのヘッドホンとしては悪くないと思います。流石にイヤホンには劣るけど。

 ワイヤレスということで重量がちょっとずっしりとしたとはいえ、その分頭部のクッションやイヤーパッドの固定感はMDR-100Aよりもあるから、疲れは感じない。装着感は良い感じ。あぁ、2週間ぶりのこの感覚。iPodのイヤフォンも悪くないのですが、長いことイヤーパッドをあてるという感覚に慣れていたせいか耳の穴に直接ぶっこむタイプはどうしても違和感が出てきてしまうのです。とりあえず今後の課題はこのイヤーパッドをいかにして保持するか…前のやつよりも値段が上がっているので尚更。お手入れも念入りにしなくちゃね。
 オーバーヘッド型なので、音漏れが気になる人も安心。ここに後述する「ノイズキャンセリング機能」を組み合わせることで、音量が小さくてもクリアに聴こえます。


 さて、それでは音楽をざざっと聴いてみましょう。アコースティックや打ち込みなど、音色の違いでどれだけ変わるか。実は私、これが初めてのワイヤレス(かつノイズキャンセリング機能付き)。デビュー機器の実力は如何に?
 どうせならハイレゾ対応曲も欲しかったところだけれど…そこは「DSEE HX」のアップスケーリング機能(こちらも後述)を試す機会だと思って、今回は普通の音質のコンテンツで我慢。

 まずは本体の電源をOFFのまんまで付属するケーブルを使って有線接続。読者の皆様も分かっているとは思いますが、この状態が一番音質が良くないです。最初にソレ? と思うかもしれませんが、初めに一番いいものを体験してそこからテンションが下がるように紹介しても全然面白くもなんともないので、お楽しみは最後まで取っておきましょう。

 聴いてみた。うん、聴けないこともないけど…何か篭ってる感が凄いなぁ。音の重なりがあると何かゴチャゴチャしていて折角のサウンドの魅力も失われてしまっている。まぁ、これはあくまでも最終手段。電源が使えないとか、残量がないとか、そういう時でも音楽が聴けりゃいいのだという時にでも。音楽を楽しみつつ聴きたいのなら、有線にしろ無線にしろバッテリーの充電は欠かさず行うことを強く推奨します。幸い、本製品は電池の持ちも良いですからね。充電できる時にはしっかりフルで充電しましょう。

 続いては電源をONにして無線接続。Surface君のBluetoothをONにしたら、あっ…コイツ久しぶりにブルスク吐き出しやがった! なんだっそら。

 このヘッドホンは両側にボタンやら接続端子やら、いろいろ詰まっているのですがこれらは追々語るとして。

 気を取り直してPC再起動も完了、さっそく試聴。
 ほほう、この価格帯のヘッドホンに見合う音質の良さ。ボーカル曲はリードを中心にクリアに聴こえるし、低音と高音のバランスもGOOD。音の解像度に関してはコスパを考えれば申し分ないでしょう、とことんなまでに音にこだわるならばWH-1000XM2など上位モデルの購入を視野に入れているでしょうし。
 アコースティックなサウンドだとデジタリック(造語?)な感じがしますが無線ですしね、それに聴き続けていればこの辺は大して気になりません。

 どちらかというとBluetooth接続で気になっていたのが音の遅延。…何だったら分かりやすいかな。とりあえず最近視聴を継続しているアニメでも観てみましょう。うーわー、今私非常にこのヘッドホンの無駄遣いをしている気がしますが、そんなの気にしない。
 まぁ、結論から言って遅延はありますね。ワンレスポンスほどの差。そりゃそうだ。アニメとかを観ている分には大したことない程度ですが、音ゲーとか音のタイミングが重視されるような作業だと気になるかなぁ…。まぁそういった用途のときには有線でやれということですね。電源を入れておけば音質は遜色ないですし。あ、ただ無線から有線に切り替えると当たり前ではありますが若干音量が上がって聴こえるので、気持ち少し小さくしておきましょう。

 さて、ここでWH-H900Nの機能にもいくらか触れておきましょう。
 1つ目はヘッドホン右側のタッチセンサーコントローラーパネル。手のひらや指で触れることで直感的な操作が可能で、ボタン操作が必要ないので煩わしさはゼロ。これは上位モデルで既に搭載されていた機能でしょうか、この価格帯でも実現したのは非常にありがたい。
 まずは中央部分を指でダブルタップして再生と一時停止の切替。左から右、または右から左になぞって曲送りと曲戻し。下から上で音量を上げて、上から下で音量を下げる。このぐらい直感的です。
 続いてクイックアテンションモード。右側の中央部分を手で覆うように触れると(2本以上の指を当てるだけでもOK)ヘッドホンの音量を下げて、外音の取り込みができます。音楽を聴いているときでも外の方で注意を向けるべきアナウンスや人の声を聞き漏らしたくない、という時に重宝しそうです。これとは別に左側のボタンにアンビエントサウンドモードという、音量はそのままに外音の取り込みができるモードへの切替ができるのですが、基本的にはクイックアテンションモードを使うことになると思います。さっと切り替えができる点ではこちらが勝っていますし。

 ノイズキャンセリング機能は…まだ色んな場所で使っているわけではないので具体的には評価しづらいですが、室内でエアコンを回しつつ音楽を聴いていると、エアコンの送風音が全く気にならない。パソコンのキーボードとかは流石に聞こえますが、ノイズキャンセリングの効果はあると思います。クイックアテンションモードを使って外音を取り込んだ時と比べるとその差は歴然。使用している他のユーザー曰く上位モデルにはいくらかその性能に順位を譲っているが、本製品の音漏れのなさもあって遮音性はそれなりであるとのこと。初めてノイズキャンセリングを使った私は、あまりにも自然にキャンセリングしていたので、外してみて「あ、実際はこんな環境音が出ていたのか」と普段なら大して気にしない音がやけに目立って聴こえるぐらいにはなかなかの性能なんじゃないのと思いますが、そこはどのぐらいの遮音性を求めるかにも依るでしょうね。ちなみに電源をONにしておけば、有線でもこれらの機能が使用できます。成程ノイズキャンセリング。これ、一度味をしめると戻れなくなるやつだ。
 なんでも本製品のノイズキャンセリングは風に弱いとか。今はエアコンのそよそよとした送風音だから気にならないけれど、外に出て強めの風とかになると難しいのかな。一応本製品に対応しているアプリを使用して「風ノイズ低減」してくれるように設定することも可能だけれど、アプリを通さずに本製品だけで出来るようにしても良かったんじゃないかな。まぁあんまり風が吹いてるような外で音楽を聴くということは私の場合あまりしないんですけれどね。高層ビル群とかで聴くならともかく。

 バッテリーは最長6時間のフル充電を行うことで、28時間の連続使用が可能に。わざわざ切る必要性は無いですが、ノイズキャンセリング機能をOFFにすれば34時間持ちます。何にせよ充電時間がちょっと長く感じるけどその分持ちが良い、1日以上使用できるのであれば十分なもんです。先ほども言ったように、このヘッドホンを使って良い音質で音楽を聴きたいのならば電源は必須条件。付属するマイクロUSBケーブルを使って時折パソコンから電源供給しておくのが良さそうです。

 ん、「DSEE HX」てなんぞやというと、これは非ハイレゾ音質の音楽でもアップスケーリングを行うことでハイレゾ並みの高音質を実現できるというものだそうです。公式サイトによると、圧縮音源(MP3など)をSBC/AACコーデックでBluetooth再生する際、最大96kHz/24bitまで拡張できるんだとか。…それってどのぐらいスゴイんだろうか。あまりこの辺には詳しくないのでよく分かりませんが、何はともあれ音質の向上を期待できるというわけです。
 ちなみに左側はNFC機能が搭載されており、スマートフォンなどの機器をここにタッチさせると自動的にペアリングしてくれるとのこと。まぁ私は繁松くんと実繁くん、どっちもiPod touchだし一応Bluetoothとおサイフケータイを搭載しているキャサリン(ガラケー)は…NFC接続は無理か。あ、普通に機器登録すればキャサリンでも使えましたよ。でも今後使う機会は、多分そんなにない。基本マナーモードにしているから余計に。


 使ってから3日ぐらいですし、紹介できるのはこのぐらいでしょうかね。コスパの良さを筆頭にして、いたりつくせりな本製品は十分にお薦めできると思います。値段はそれなりにしますが、そこら辺の通販サイトで購入すれば安く手に入りますのでね。
 何より"h.ear on"シリーズの強みとして、色んな場面で違和感なく使えるカジュアルなデザインであるという点が大きい。若者のプレゼントにも最適。なんかこう書くと私が若者じゃないように聞こえますが、私も若者…のはずです。ウォークマンやXperiaなどのソニーの製品ともマッチしやすい5色のカラーバリエーションが存在するので、お気に入りの色を見つけてみましょう。


 というわけで、以上『よもやま To-Review-To』出張版でした。
 今後も扱いに困ったらこっちの『うわのそらもよう』で今回のように出張版をやるかもしれません。形はともあれ、感想とかは残しておきたいので。
 はぁー、こいつは何年持つかなぁ。とりあえず家宝のごとく大事にして、できるだけ永く愛用できるようにしたいものです。