#017 少しも俺には関係ないのに

 いかがお過ごしでしょうか。10月になるとようやく夏の暑さにも一段落ついてきた。少し肌に刺さるよな冷たい風が、網戸にしている私の部屋を通り抜けてこれから訪れる(はずの)冬を予期させる。

 「少しも俺には関係ないのに」、というタイトルではあるが別に一人称を「俺」に変えるつもりは全くなくて、ご存じの方も多いとは思うがa flood of circle の「ガラパゴス」の一節である。どうしてこんなタイトルにしたのか?
 それは前回の「いやぁ衝動って本当に怖いもんですね~」でのお話。家電量販店で品ぞろえがガラリと変わっててビックリ~という話をしたのだが、それもそのはず、もう業界は秋モデルとか新製品を出す時期。

 で、秋モデルを出す機器と言えば、スマートフォンや携帯電話である。先月はアップルからiPhone 8 と 8 Plus と X が発表されたが、デカいなこれ。私の手はそれなりに大きいものと自負(?)しているが、大きければいいってもんではない。まぁアメリカとの感覚の違いだろうか…

 ここまで書けば、っていうかTwitterでも度々つぶやいているからもうお分かりですね。ハイ、私未だにガラパゴスなケータイです。
 
少しも俺には関係ないのに、とあるけれど少しも俺には関係ありました。
 私の数少ないお友達はみな流行りのスマートフォンにしているというのに…周りに合わせなければいけないという決まりがある、ということではないにせよどうしても優越とも劣等とも違う、妙な感覚を覚えてしまうのである。

 そんな私の所持するガラケーはこれ。

 夢の全部乗せケータイ、docomoの「F-02D」である。そのスペックたるや、現在取り扱われているガラケーよりも高い。
 カメラの有効画素数が1630万であることを筆頭に、タッチパネルディスプレイ、Wi-Fi・Bluetooth機能、ジャイロセンサー・電子コンパス・指紋認証機能その他諸々。値段も相応だし「本当に全機能使うつもりあるの?」と言われるとちょっと考えてしまうが、とにかく「できることは全部詰め込んでみました」と言わんばかりのロマンあふれる携帯電話なのである。

 どのカラーを持っているかというと、一番右の、つまりピンクである。だって購入しようと思ったら、その色しかなかった(展示限り)のだ。仕方ない。

 これだけで色んなことができる、と言いたいところだがガラケーである以上、周囲とこういう話をよくすることになる。

 ――― お前、まだガラケーなのかよ

                         いいじゃん別に ―――

 ――― いやでもよ、LINEできないじゃねぇか

                       いや他の携帯は知らんけど
               ウチのはできるからいいじゃん別に ―――

 ――― でも送ってもなかなか返してくれないじゃん

                     だって通知がメールで来るから
              ピロリンピロリンやかましいんだもん ―――

 ――― …結局LINEやりづらい環境なんじゃねぇか

                                          …うん、まぁ ―――

 そう、LINEの問題がガラケーで発生する。スマートフォンなら通知機能があるから然程問題にはならないが、通知機能のないガラケーはどうするのかと言えば、「通知をメール形式で送ってもらう」という方法を取るしかない。
 私もLINEを始めた時はこの機能を使っていた。が、段々と通知メールが目障りになってくる。誰かからメッセージが送られてくるたびにメールが届く。メッセージを読んでいない状態が続いてもメールが届く。こうなるとメールボックスに届くのがLINEからのばっかりとなり、他の所を圧迫することになる。非常にめんどくさくなり、ついにメール通知機能を解除してしまった。

 私がTwitterを始めたのはつい最近のこと。それまで私の携帯のメールアドレスを知っている人は少数であり、友人との連絡手段はほぼほぼLINEに限定されていた。おまけにLINEアプリのようなものは私のガラケーには入っておらず、iモードを起動するしかない。手間がかかるこの作業もあって、あまりLINEをまめに見ていなかった私は、交わされていた情報を得られないままグループの会話が削除されてしまうことも度々あった。

 そのため、LINEでコミュニケーションができるようにガラケーからスマートフォンに替えてくれ、と言われることもあるのだ。しかし私はこれまで、その提案に対しあまり乗り気にはなれなかった。
 まず、数年間使っているとはいえ、なかなかに私のガラケーは丈夫だ。流石防水・防塵。サービス的に言えば、2,3年で買い替えする方が経済的(今はもうこうした方法は使えないかもしれんけど)という風に言われているが、私はどうせなら長く使いたいと思っている。上述したように、恐らく今持っているガラケー以上の性能を持つガラケーは登場しないであろう。言ってみれば貴重なのである。
 ついでに言えば、そこまでスマートフォンに魅力を感じていなかったのも理由である。例えば調べ物ができる、というのは別にスマートフォンじゃなくてもできる。私は現在パソコンを持っているわけだから、ネット環境さえあればこっちの方が使いやすい。仮にWi-Fiが通ってない場所であっても、一応ガラケーで調べることも可能である。
 …あるいはソシャゲーだろうか。これも以前「ゲームは1日飽きるまで!」で書いたことであるが、基本無料のゲームである以上、どうしてもゲームそのものが単調になりやすく飽きっぽい私にはつくづく向いていないなぁと思う。現在、最早ガラケー向けのiアプリは配信されなくなり、ガラケーで遊ぼうにもプリインストールされているものかオンラインのソーシャルゲームを遊ぶしかなくなったとはいえ、じゃあスマートフォンで遊びたいものがあるかと言われると…ねぇ。私PS4持ってるし、うん。

 と、色々難癖のようなものを付けまくったものの、やはり最近のスマートフォンの目覚ましい発展と普及を見ていると、近いうちに買い替えることになるのかなと思う。それまでガラケーで利用できたサービスも、どういうわけかいつの間にか終了してしまったりして、やはり社会全体がスマートフォンへの移行を促しているようだ。
 こないだようやくパソコンにLINEアプリを入れたことで以前よりもチェックする機会が増えたとはいえ、スマートフォン並みの手軽さはない。なるべくTwitterのDM機能を使ってほしいと友人には頼んでいるものの、やはりLINEの方が使いやすいのだろう。いつまでも自分の都合を押し付けているわけにもいかないもんな…

 現在のガラケーを購入した当時、身内が愛称をつけてくれた。携帯電話に愛称? と怪訝に思う人もいるかもしれないが、とにかくこのガラケーの名前は「キャサリン」である。ピンク色だからだろうか。
 あと何ヶ月、何年の付き合いになるのだろう。それは今後の状況で変わってくることだろう。まぁとにかくそういうわけでキャサリン、コンゴトモヨロシク…(アトラス違い)

 おっと、キャサリンが身を震わせている。誰からのメールだろう? ということで、今回はこの辺で失礼します。お疲れ様でした。