#018 ジェットコースターは憧れとともに

 そろそろ世間は、というかもう秋の行楽シーズンに入ろうとしているのだろうか。この3連休を使って、どこかへ遊びに行こう! と計画をねりねりしている方々も多いはずだ。
 さて一方で、とある坂の上に暮らす独り暮らしのこの人ときたら、全く外に出ようともしないで、こうして画面の前で油を売っているのである。おかげで商売繁盛、秋なのに商い、こんなところを他人に見られた日には「下らねーこと言ってねーでたまには外出しろ!」とどやされそうな気がする。

 と、言われてもねぇ。あいにく周囲には大して遊べそうなスポットがあるわけでもない。ゲームセンターやらカラオケやら、まぁその手のものは置いてあるわけだが1人で遊びに行こうという風にはあまりならない。一人カラオケは楽しいけれどね。特に同級生と行ってみたら、まったくアーティストの趣味が合わないせいで微妙な距離感が生じてしまい、今でもそのことを若干引き摺ってるところがあるから尚更理解できるんだけれど。でも同じ趣味を共有できるからこそのカラオケなんじゃないの、という考えもあって。ゲームセンターもね。1000円札、500円玉を崩してクレジット投下するわけであるけれども、何故かこの時に虚無感があるというか。ゲームの成績が良くても悪くてもこの100円玉は入れたらもう戻ってこないんだなという。当たり前である。
 そうそう、こないだのコンサートの後に色々あってプリクラを撮ろう! という話になったのだが、如何せん十数年ぶり、しかも多分メーカーの想定よりも多い人数での撮影ということで全く自分が写っていないという珍プレーをやってしまった。皆慣れてんだなぁ…。とにかくTwitterでのアカウント名に「見切れ上手」を入れたのはこの日の出来事からである。実際は「プリクラ下手」とするのが正解なのにね。

 さて、プレイングスポットの代表格と言えば遊園地。ここ十数年間、ずぅっと行けていない。前に来たときはまだ中学生にすらなっていなかっただろうか。何を隠そう私は「未だにジェットコースターなるものに乗ったことがない」人である。今までに遊園地には2,3回訪れたことがあると記憶しているが、どの回においてもジェットコースターに乗っていない、あるいはジェットコースターらしきアトラクションが見当たらなかったのである。あ、ジェットコースターって後楽園ゆうえんち(現・東京ドームシティアトラクションズ)の商標らしいね。まぁエスカレーターみたいに普通名詞化しているようだけど。

 初めての遊園地は意外にもTDLであった。ハハッ、このブログ記事がD社(O社?)から消されないことを祈り綴っていくが、当時の私は未就学児であったため、まぁ当然っちゃあ当然だがジェットコースターの類は乗れるはずもないわけで。もう記憶がほとんどないが、残っている写真から想像するにお菓子ばっかり食べていたんかね。まぁやることはそのぐらいしかなかったのかも。
 それで2回目が地元の遊園地。今どうなっているんだろうか、不良債権化していないだろうか。敷地面積確保のためだろうか、田舎の方に建てられたそこでも、やっぱり私は未就学児だったのでやっぱりジェットコースターの類は乗れなかった。でもその代わり、観覧車に乗ることができた。そもそも何であのタイミングで遊園地に行ったのかは覚えていない。色んな所を見て回った記憶もないが、観覧車に乗るころにはもうすっかりと夕方になっていた。きっと何か別の所に遊びに行ったついでに来たんだったか、どうだか。物心がついたかそうでないかの時期ではあったが、やけに印象に残っている。それまで高い所から風景を眺めるということをしなかったためなのか、最高点近くから広がるオレンジ色の田舎は幼い自分にとって、まるで異世界のような光景に見えたのだろう。

 何にせよ、一種のステータスでもある「ジェットコースター未体験」という話はなかなかタネになるのだ。これを教えるとみんな揃って「ええーっ!」と驚く。おそらく、私の周りにいた人たちは小学生のころ、何かのイベントか企画で遊園地に行ってジェットコースターも乗っているのである。私はそのイベントがあること自体は知っていたのだが、残念ながら参加することはできなかった。それからというもの、どこかへ遊びに遠出するということは時々あっても遊園地にいくということはさっぱりと無くなった。経験が少ない私にとって、最早遊園地が「子供が楽しむスポット」と化していたせいでもあった。子供の頃の私は遊園地の50%分も楽しんでいなかったとは思うが。

 とは言え、十数年前の経験と現在は大分異なり、大人でも十分に楽しめるのが遊園地なんだそうだ。はぁ、行ってみたいなぁ。TDLじゃなくてもいい。私はそういう想い出を他者と共有したいのだ。1人で内緒にしておく楽しみもあるけれど、折角大層な場所に行くんであれば誰かを連れていきたい。出し惜しみする必要は全くないのだ。

 もしどこか、遊園地に行く機会が生まれたなら私は真っ先にジェットコースターのある所に向かうだろう。特集で度々大きくアピールされる、スリルと爽快感は乗ってみなければ分からない。絶叫系とかいろんなジャンルが存在しているようだけれども、果たして私だったらどんな風にコースターを体感するのであろうか。ひょっとしたら、そこまで大したことのないアトラクションなのかもしれない、それでも構わない。ずっと「憧れ」であったジェットコースターに乗ることができる、それだけでもありがたく思えるだろうから。

 まぁ、今はそこまでの余裕が無い(?)んだけれども。いつかまとまったお休みが入ったら、周りを見習って私も計画をねりねりしよう。「ジェットコースター未体験」という話はもうできないけれど、「こないだ初めてジェットコースターに乗りました!」と言えば、きっと「今更~??」と笑って返してくれる、新たな話のタネになると願いつつ。なんてね…。