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【ギターの科学】 ブリッジの役割とギターの音が鳴る仕組み
こんにちは、ギターの音が鳴る仕組みって不思議ですよね。
弦を弾いただけではすごく小さな音しかならないのに、ギターのボディがあるだけであんなに大きな音になるんですから。
実はこの音が鳴る仕組みにブリッジの上下運動が大きく関わってるって知ってました?それを理解するとなぜダブルホールのギターブリッジがあるのか、ブリッジにつけるクリアトーンのようなパーツが存在するのかきっとわかってもらえると思います。この記事ではそんなギターの音が鳴る仕組みについて解説してみたいと思います。
弦を弾くと波が伝わっていく
こんな模式図を考えてみましょう。横から見たギターですね。紫色の弦がナットとブリッジで固定されています。
弦は引っ張られているので真っ直ぐに戻ろうとする力が働き、ブリッジとナットには下向きの力がかかることになります。
さてここで弦の真ん中あたりを弾いてみましょう。
弾かれた場所は弦が引っ張られて山のようになります。
この山は弦に沿って進んでいきます。水面を波が進んでいくような物ですね。
本当は右と左の両方に波が進んでいくのですが、ここでは話を簡単にするために右方向に進んだものだけを考えていきます。
波はどんどん進行していきます。
ブリッジに到着した波
ここで波が右端のブリッジに到着しました。
ブリッジは今まで弦によって強く押さえつけられていたのですが、この上向きの波の山がブリッジに重なることによって、ブリッジを押さえつける力が少し弱くなります。
そして次の瞬間波は折り返していきます。ブリッジは固定端なので波は下向き(逆位相)になっていきます。すると今度はブリッジにかかる力が強くなります。
そしてまた波は逆方向に進んでいきます。
この波は左端で折り返して、やがてまたブリッジにやってきます。この繰り返しでブリッジにかかる力が強くなったり弱くなったりと周期的に変化していきます。
ブリッジにかかる力が表面板を揺らす
このブリッジにかかる力がギターの表面板を押したり引いたりする上下運動につながるのです。それにあわせて表面版はへこんだり出っぱったりという運動をします。
そしてこのような表面板の動きは空気を押し、それが音となって耳に届くのです。太鼓の膜が空気を押すのと同じ原理ですね。
つまりブリッジの働きは弦の波を上下運動に変えて表面板を振動させていたのです。
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