フィリピンに研究留学してます-調査準備編
どうも、もよです。フィリピンは毎日雨。雨のおかげで幾分か過ごしやすいけど、デング熱には気をつけないといけませんね。かく言う私も腹痛が続いています笑
さて、7月末にフィリピンについてから2ヶ月が経とうとしていますが、やっと、調査地に行ってきたので、ちょっとした報告をここに書かせてもらえれば!
そもそも、私は何を研究しているのか?(ちょっとだけ!)
今回フィリピンに留学したのは、フィリピンについて研究するためです。フィリピンだと、広すぎますね笑、ルソン島北部の棚田、と言いましょう。
私が研究対象としているのはコルディリェーラの棚田、イフガオの棚田と呼ばれる世界遺産に指定された棚田です。専攻は生産基盤管理学と呼ばれる分野で(これまた分かりにくい笑)、私は土壌について学んでいて、棚田の土壌保全の研究をしています。
なぜここを研究できるようになったのか、や、研究の詳細については別の記事に書くとして、今回は、調査をするまでの前準備について書いておこうと思います!もちろん、先生が全部やってくれるとか、人のコネを使ってうまくスキップできる人もいるとお同じような境遇で研究する人たちのために…!
part0と書いたのは、今回は本調査ではなく、調査のための準備で現地入りしたためです。事前調査兼打ち合わせのようなものです。
研究調査するまでに必要な手続き
例えば、私の場合では、現地の農家さんにインタビュー、そして棚田から土を採取する(土壌サンプリングとか言います)をすると言うのが今回の調査の目標です。ですが、どのような調査についても基本的には同じ手順を知っておくので誰かの参考になると嬉しい!ちなみに、フィリピンでの調査です。日本の調査でも似ている部分があるとは思いますが、指導教官が手続きを済ませているので自分でやったことはない、と言う人もいると思うので、国内調査でも多少参考になります。
手順としては、以下の通りです。
1. 大学の指導教官に許可をもらう
2. 調査したい地域のある市の市長に許可をもらう
3. 調査したい地域の町長(村長)に許可をもらう
4. 協力者とインタビューやサンプリングの打ち合わせ
5. 調査準備!
簡単にそれぞれ説明しますね。
1. 大学の指導教官に許可をもらう
海外では大学のヘッドレター(大学のロゴが手紙の上部に入っている公式の文書)が公式書類として用いられます。ヘッドがついていることで初めてこれは大学の活動の一環で、正式な依頼だと相手に理解してもらえます。先生の署名付きであればなおよしです。レターの書き方については、別の記事で!
レターが書けたら、それを5部程度印刷して、旅の準備に取り掛かりましょう!
2. 調査したい地域のある市の市長に許可をもらう
じゃあ次は調査地に!と早まっては行けません。次は、市です。フィリピンでは市長はMunicipality Hall(市役所)で基本お仕事をされており、日本の市長のイメージとは違い、直接訪ねることができます。
私の場合はアポも取らずに行きましたが、時間に余裕のない場合は、先に市役所に電話をして、アポをとるといいでしょう。
「私は○○大学の〜〜です。現在、研究をしていて、○○で△△をしたいので、市長の許可を頂きたく伺いました。」と言う風に、
自己紹介
会いに来た目的
市長にしてほしいこと
を説明して、取り次いでもらいましょう。
この時に、持ってきた書類も見せます。そして、1部は役所に保管されるので、コピーも渡すことを忘れないでください!コピーにも許可しましたのハンコを押してもらう必要があります。
市長に会うことができれば、ハンコを押してもらえます。
会えなくても代わりのアシスタントの方がハンコを押してくれることが多いでしょう。基本的に学生の研究といえば、拒否することはないです。怪しまれないように、
3. 調査したい地域の町長(村長)に許可をもらう
まだ調査はできません!次は、村長です。フィリピンでは村や町はBarangayと言われます。市役所と同様Barangay Hall(町役場)に行って、村長を探しましょう。やることは同じ、自己紹介と事情を説明して、協力してもらえないかお願いしましょう。そして、市役所でゲットした、ハンコ付きのレターを見せましょう。市役所のOKがあれば、町でのOKが出ます。
またここでは、市役所の時よりもさらに具体的にやりたいことを説明する必要があります。私の場合は、インタビューをするための会場や、通訳、そしてインタビュー会場に農家の人を何人集めてもらいたいと言うことを伝えました(正確には同行してもらっていたフィリピン人の友達に伝えてもらいました笑)
また、連絡先も交換しておくと良いでしょう。フィリピンでは電話番号のショートメッセージで連絡を取り合うのが普通で、電話番号を聞いても向こうが驚くことはありません。
4. 協力者とインタビューやサンプリングの打ち合わせ
村長も忙しいので、さらにその詳細については他の人と話すことになります。例えば、私の場合であれは、村長に勧められたインタビューの会場はレストラン、ここではご飯も出してくれるので自分でお礼のご飯を作る必要もなくて好都合でした。ついでにイン(ホテル)も隣接しているのでそこに泊まることにしました。フィリピンの村は電波の届かないところも多く、またオーナーが協力的な人かどうかはわからないので直接行くのがベストだと思います。インタビューのお礼ではお金か料理を出すのが良いです。レストランであれば料理についても、その場でメニューやかかる費用を確認しておきましょう。メモに残しておけば確実です。
このような協力者についても同様に、どのような目的で、何をするのかを伝えましょう。そして、連絡先の交換です!
写真は、インタビュー会場のレストランを訪れてるところ。開放的なレストラン!笑 とっても素敵な女性のオーナーの方で料理もディスカウントしてくれました。
5. 調査準備!
いよいよ、調査の準備です。必要なもの、必要なアシスタント人数、お金などを今一度整理しましょう。もし変更があればすぐに連絡、調査の4、5日前には予定の確認と挨拶を改めて関係者の皆様に送るようにしましょう。海外ではフォローアップが大事です。うっかり忘れてた!ってことも大いにありますので、うざいかな…ぐらいフォローアップすればOKです。また、向こうから返事がこない場合、電波、ネット環境の関係で連絡がそもそも届いてないこともあるので、テキストメッセージではなく電話、など別の手段を使いましょう。
確認が多いのは日本人の特徴と言われてますが、限られた留学期間や調査期間の中で成果を出すならそのような手間は惜しむべきではありません!
確実に調査が実施できるようにしておきましょう!
まとめ
と言うことで、今回は、調査に行く際に自分が準備したことを時系列にまとめてみました。現場が遠いと時間もかかりますが、予定は時間的余裕を持ちましょう。会いたい人に会えなかったり、天候が悪かったりで、調査準備、本調査がうまく進まないことは往往にしてあります。それでもなんとか押し込もうとすると、夜遅くに出歩くことになったり、協力者の方に迷惑をかけたり、普通とは違う移動手段を使うことで事故にあいやすくなったり、弊害が出てきます。また、現地では必ず現地人、その国の知人と行動するようにしましょう。アシスタントでも手伝ってくれる友人でもいいですが、海外調査では、相手にとってのヨソ者と認識されることを忘れてはいけません。たとえ研究という大義名分があっても、それは大義名分であり、嫌だと思う人は必ずいます。
私の場合では、フィリピン人の知人がいれば、コミュニケーションが円滑になるのはもちろん、この人には協力してもいいと思ってもらえるようになります。(フィリピンでは人間関係が重要です)だからこそ、自分の身元を証明してくれる、その国の知人を見つけましょう!フィリピンのような多言語な国では、現地の知人を見つけるのがいいです。同じ国でもコミュニケーションが取りづらい場合がありますので!
最後に
海外研究はそう簡単ではありませんが、問題の深刻な地域にアプローチできることや、違う文化の中であっても、人のあたたかさを感じたり、人から喜ばれたりするということは大きなやりがいになると思います。国によって、うまくいかないこともありますが、初めてしまえばなんとかなりますので、ぜひ!アクティブに研究を進めましょう〜:))