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いじめられた理由が約10年越しに分かった話


「いじり」といういじめ


 私はいじられキャラと言われることが多い。いじめられる経緯には何パターンかあると思うが、私の場合は「いじられ」が加速していじめに発展した。中学時代は気づけば友人にいじめられていて、人間不信に陥った。大学生になった今でも引きずっている。

 「いじり」とは恐ろしい行為だ。今まで楽しく会話していたのに、理由も分からないうちに「いじめ」の標的になっている。

 あなたにはその恐怖がわかるだろうか。言動の不審な点や気にしているコンプレックスをなぜか私だけ公表されて笑いの対象となって嫌な思いをする。自分の言動が可笑しいのかと悩み、かえって人前で挙動不審になってひとり部屋で泣く。

 いじる人間は決まって「笑っていたから嫌だと分からなかった」「反応が良かった」と言い訳をする。好きでいじられる人などいないのに、どうしてこんな悲劇が起きるのだろうか。


いじられる理由

 20年以上も悩んできて最近分かったことで非常に腹立たしいのだが、はっきり言おう。

 いじられやすい人間は頭の回転が遅いんだよ!!お前らの基準で「いじる」でないこの大馬鹿者が!!!それはいじりじゃなく卑劣な言葉の攻撃なんだよ気づいてくれ!!

 私の人生の中で、いじりの中心にいる人間は、決まってテレビ番組の司会者をしている芸人のような性格だった。頭の回転が早く小さな笑いの種を素早くキャッチし楽しい話に変える。見極めが早く相手が怒るか(傷つくか)どうかギリギリのラインで鋭いつっこみを入れ、会話を賑やかにさせる。

 そんな人は頭の回転が早いため、素早くユーモアのある回答をして尊敬を集める。

 悔しいことに、そういう人は自分の弱みや可笑しな挙動を見せない。気づかせる前に次の話題に変えてしまうのだ。なんと小賢しいのだろうか。(これは悪口ではなく、羨ましくて僻んでいるのです。)

 対する私は頭の回転が遅い。じっくり物事を考え、言葉を丁寧に選んでコミュニケーションをとる。切り替えの早い会話をすると疲れてしまう。また、相手を「いじる」ことは失礼な行為に思えて実行できない。これは自身の特質と家庭の躾が重なって染みついたものなので、なかなか変えられない。

だからこそ、何度も悩んでしまう。



いじられないための戦略2つ

 そんな人はどう生きれば良いのだろうか?せめてもの救いは、人類の大半は頭の回転が中間くらいだということだ。大半の人は頭の回転が早くも遅くもない。「いじり」エンターテイメント(非常に嫌だが)の視聴者として、である。

 それならば①「いじり」の標的にならない大勢の人を真似るか、または②「いじり」をしてくる人を避ければいいのである。

①大勢の人を真似る方法

 幸いにも最近、10年ぶりの「いじられ」に直面し、普通の人間の反応を見ることができた!(私は回避できず帰りに泣いて過ごしたのだが無駄な犠牲ではなかった。)

 なんと、普通の人は「やめてよ〜」とじゃれるように言うらしい!!!

「やだ〜☆」「ひどい〜☆」「言い過ぎ〜♡」でも結構だ。

 ☆や♡は盛りすぎたかもしれないが、とにかくじゃれ合うように否定の意思表示をすることが大事らしい。相手に自分が嫌がる基準を示しておくことが良いらしい。

……え??当たり前だって???


②「いじり」をしてくる人を避ける方法

 そうなのだ。①を改めて文字化してみると、当たり前すぎて驚く。

 なんと、私は嫌という意思表明ができないのではなく、その場で「嫌だ」という判断ができなくて困っていたのだった。

  頭の回転が遅いゆえに、嫌という感情をとっさに判断できない。普通の相槌を打ってしまい、嫌だと気づいた頃には話がパッパと切り替わって今さら意思表明ができない状態になっている。普通の人間はさりげなく嫌だと言うが、私のような遅い人間は早い人のスピードについていけずに乗り遅れるのだ。

 結果的に、私だけが「否定の意思表明をしない奴」となり、いじりは続けられ、そしてエスカレートしていく。

 最善策は、いじりをしてくる人と出会ったら距離を置くことなのではないかと思う。(これは②。)また、もし避けられない人だったら、相手がいじりを掘り返したときに否定の意思表明をする。(これは①。)2つの方法を交互に使って自衛することが、いじられやすい人の生存戦略ではないかと思う。もし他に何かいい方法があれば是非教えていただきたいです。


さいごに

 これは私の初投稿です。拙い文章でしたがお読みいただきありがとうございました。

 補足すると、いじられる人を「頭の回転が遅い」と書きましたが、コミュニケーションの受け答えにおいてのみで、決して人格や知能が劣っているということではありません。

 あくまでも自分の感情に気づく速さが遅いという意味です。本エッセイでは、「頭の回転が遅い」=「自分の感情を整理したり相手の様子を把握したりするスピードが遅い」という意味で使用しておりました。今までの人生で情報を処理する速さで困ったことはありませんので、ここでいう回転の速さは知能というより性格によるものだと思っています。

 泣いた夜に書いた文章をそのまま使ったため、口調がきついかったかもしれませんが、後悔はしていません。このような苦しみがあることを知っていただけるだけで書いた意義があると思いました。いじられやすい皆さん、生きやすいコミュニケーションができるように頑張りましょうね。何か良い対策があれば今後もシェアしたいと思います。ありがとうございました。


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