簡単に構築できるソーラー発電システム
射程圏内になった価格
ぼくは10年位前から、家庭用ソーラー発電に興味を持ち始め、しばらく商品をウォッチし続けておりました。
長らく手を出したくても出せない価格帯が続き、商品的にも今一購入に踏み込めない印象でした。
その後、ここ数年の間に、火災リスクのあるリチウムイオンバッテリーからリスクが無く寿命の長いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに進化し、ソーラーパネルも含めて価格も下がってきました。
ソーラーパネルは元々寿命が20年以上あり、蓄電池も上手に運用すれば20年近く使えるのではないかと思っています。
自身のアマゾン購入履歴を辿ると、2022年後半からソーラー発電LEDライトを皮切りに、少しずつソーラー発電を取り入れるようになっていました。
実体験として、小規模発電から徐々に拡大していく過程で、頭の中でなくて、現場次元での知識と情報を蓄積できました。
現時点で見えてきたのは、創意工夫さえすれば、30万円以内で家庭の電気をオフグリッドまでもっていけると考えています。
いよいよ完全に射程圏内の状態になったと思います。
環境の事
ソーラーパネルやバッテリーは、その背景デメリットを上げれば二の足を踏むことになるかもしれませんが、現状のインフラの背景を考えれば、どっちもどっちの感があると思います。
電気が家庭に届けられるまでに、輸入資源・発電設備・送電線と他者依存の状態にある事、今後外国資本の参入が見えてきている事を考えれば、オフグリッドを自前で構築することに、ぼく自身はあまり違和感はありません。
一般的に、ソーラーパネルは傾斜を利用して屋根の上に設置しますが、うちの場合は庭があるので、当初は庭に架台を使って設置していました。時間帯によって架台の向きを変えるという作業もしました。
晴れた日にパネルの向きを変える手作業は面倒ですし、庭のスペースを乗っ取られることが気に入らないので、色々と工夫をしているうちに、南に向けて、垂直に設置してもそれほど発電の落ち込みが無いのを発見しました。現在は、2階のベランダの柵に垂直に取り付けています。
垂直に設置できれば、土地は要りません。
2枚のパネルを垂直と水平のL字型に設置できれば、お互いに太陽光を反射しあい、発電量が上がりますし、他者に反射光で迷惑もかけません。
最近知ったのですが、ドイツやアメリカやカナダでは、その事に気づいた人たちが、フェンスをソーラーパネルで作るという事を、すでに自作されているようです。
背景にはソーラーパネルの価格破壊があるようです。普通のフェンスより安くて発電も出来るという一石二鳥の状態です。
おりしも、先月下旬には国内の東大系ベンチャー企業が、ソーラーフェンスなるものを発売したようです。
垂直設置はマンションでの運用も容易になると思われます。
と、書きながら、ソーラーフェンスで検索すれば、結構ありました('◇')ゞ
構成について
パネルから蓄電池に充電するには、ソーラーチャージャーという部品が要ります。
また、蓄電池から家電に給電するにはインバーターという部品が要ります。
そのチャージャーとインバーターを一体化した製品がパワーコンディショナーといわれます。
いずれの部品・製品もまだまだ故障しやすいですし、国産だと価格が高くメンテナンスが必要であるというデメリットが付きまといます。
色々と頭を働かせてみた結果、パネルと蓄電池の性能を合わせれば、ソーラーチャージャーは要らないという事が分かりました。
性能を合わせれば、パネルから蓄電池に直接充電しても問題ないのです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーには安全装置のBMSというものが内蔵されていますので、必要以上の充電はなされないようになっています。
2重に安全を図るならば、蓄電池の電圧を監視して、設定電圧以上になれば、リレーが働いて充電をカットしてくれる安価な部品が販売されています。この部品を用いて、蓄電池の運用を容量の20%~85%内で行えば、耐用年数を相当引き延ばすことが可能です。
それと、性質上、電圧の高いところから低いところに向かって電流が起こりますので、夜間の暗い時は、バッテリーからパネルへと電流の逆流が起こります。その為、逆流防止ダイオード内蔵のコネクタを配線の途中に入れてやります。
若しくは、配線のコネクタを抜いておきます。
うちでは、250ワットパネル2枚を並列【開放電圧(Voc):32.5V、最大出力動作電圧(Vmp):27.0V、最大出力動作電流(Imp):18.56A】にし、それを市販の充電電圧数値制御基板(1500円ほど)を介して、直接24V-100Aのバッテリーに充電しています。
※24V-100Aのバッテリーに充電するには、出力が27V~29Vのパネルが必要になります。
晴れた日には凡そ2kw/hの蓄電が出来ます。
この構成であれば、現在9~10万円の間で構築できます。
家庭での運用を容易にするために
上記の構成とは別に、家庭での運用を楽にするために、別にポータブル電源とパネルのセットを用意します。
先ず、ポータブル電源はアマゾンのセールで買えば、2kw/hの物が約10万円で買えます。
それに、上記で書いたパネル2枚並列(29000円)を繋げて充電します。
ポータブル電源には最初からインバーターが内蔵されていて、出力口(コンセント)が付いていますので、故障しやすく高価なインバーターは考慮に入れなくて済みます。
ポタ電の容量が無くなってきたら、もう一つのバッテリーから、ポタ電に合ったコネクタを付けた配線で、直接充電すればよいです。
以上、2つの大きな構成で、晴れの日には一日に4kw/h以上の運用が可能になってきます。
4kw/hというのは、毎日が晴れと仮定すれば、月に120kw/hとなり、知恵を使えば、家庭の消費電量を賄えるレベルに持っていけることになります。
勿論、家族の構成に影響されますが、うちの場合、家族4人で、天気を気にせずに、殆どを賄えます。
※但し、エアコンは除外してます。そして、うちの特殊な事情として、24時間風呂と真空蒸留装置の2つのヒーター稼働も除外しています。
知恵や工夫の部分ですが、照明器具はやはりLED照明とUSB給電式のLED照明を、消費電力とルーメンを考慮しながら使用しています。
乾電池製品は、何百回も繰り返し充電出来るリチウムイオン乾電池を使用しています。
PCやTVは消費電力が高い家電ですが、どちらもうちでは活躍が無く、モニターでfireTV使用やタブレット使用中心になります。
まとめ
電気の事となると、どうしても専門知識が必要になってきます。
ソーラーパネルの専用配線とコネクターの種類を知らなければなりません。
電圧や電流の事を理解しないと、配線の太さ(容量)なども何を使っていいのかが分からなくなります。
電圧が高くなるほど、電流を流す線の太さが細いものですみ、安価になります。
蓄電池を構築する場合に、12V、24V、36V、48Vの4種類の構成が作れます。
それぞれにおいて、単体なのか、並列にするのか、直列にするのかで、電圧と電流が変わってきます。
それらの知識がオフグリッドを構築するハードルになるのですが、小学校や中学校の時のわずかな記憶を呼び起こして、少し勉強しなおせば理解できる事ばかりでもあります。
※30Vを超えれば、資格のある方に配線をお願いすることにはなってきます。
学校での学習と違って、リアルでの応用体験と知識は本当の意味で身に付きます。
意外な発見があり、創意工夫や考察力と洞察力の癖付けにも寄与し、電気の事だけに収まらなくなってきます。
そして、何よりも、生きる意味でのモチベーションの湧出にまで発展するものと思います。