2024/8/4 フジファブリック 20th anniversary SPECIAL LIVE "THE BEST MOMENT"@東京ガーデンシアター
今年20周年を迎える、フジファブリックのライブに初めて行ってきた。
11年前からこの耳は彼らの声をよく聴いているのに、ライブには行ったことがなかった。本当は「やっぱり好きなバンドはライブを見に行かなくては」と発起し、UNISON SQUARE GARDEN主催で対バン予定だった、2020年4月4日のZepp Sapporoチケットをとっていた。しかしコロナ禍によって開催前に全公演開催延期が発表された。久しぶりに紙で発券したチケットを大事にしまい、延期日程を心待ちにしていた。が同年11月、主催者や運営の調整空しく、当時のガイドラインに沿った会場の確保に苦渋し、払い戻しとなってしまった。「まあ状況が緩和されれば、またライブには行けるだろうし」と軽い気持ちでその後を追っていなかった。
2024年7月3日、3人からの知らせが来た。20周年をもって活動を休止すると。
知らせを読んですぐに、今から行けるチケットに申し込んだ。それが今回の公演だった。すぐに申し込んで取れたチケットは2階後方。私が現場に行かなかったのだ、私より彼らを愛してやまない人の後ろで見られるだけでもありがたい。1か月後のライブを待った。
ライブ当日、ガーデンシアターへ向かう途中。ペンライトを使用していると知った。ライブに行ったことがなかったので、彼らのライブスタイルも知らなかったのだ。あぁ、遠く離れている気持ちだ、グッズも持たずミーハーにも見えるか…とやや落ちた心で会場に向かった。夕方に差し掛かり、西日の強い時間だった。席へ着いて汗をぬぐう。開演10分前に到着したため、息をついてすぐに始まった。
3人体制に入って初めて出したアルバム、STARから始まった。もう涙腺が緩んできている。目の前に3人がいる。ライブに来たことがない私にとって(当然だが)山内くんボーカルの夜明けのBEATを聴くのは初めてだった。暗い気持ちになる暇もなく、そうか、今目の前にいるのは20年活動を続けてきたからある姿なんだとすんなり聴こえた。その後の徒然モノクロームが実は初めて山内くんボーカルで聴き始めたアルバムだったので、単純にうれしかった。通学時によく聴いていたので、当時明るい陽射しが差し込む電車の中で揺られながら聴いていたことを思い出した。
その後の電光石火、新しいアルバムからのプラネタリア、Green Bird。よく聴いていた好きな曲をやってくれた。楽園とKARAKURIの後、センターモニターが動き出した。
山内くんが今日は志村と一緒に演奏しますと宣言。志村の声で、3人と一緒に演奏される。志村がいたであろう場所にスポットライトが当たる。志村の場所を向きながら演奏するギタリストに徹する山内くん。センターモニターには4人でのライブ映像や、ジャケット撮影の現場、楽屋で戯れている様子などが流れる。あぁ、志村がそこにいる。マスクの下が大洪水になった。拭っても拭っても上から垂れ落ちる。バウムクーヘンは私がフジファブリックを好きになったきっかけの曲だ。殊更前が見えなくなる。なんで小さいタオルを持ってきたのだろう。その後に若者のすべてが流れる。毎年夏の終わりとクリスマスに志村のことを思い出す。そんな11年を過ごしてきた。きっとこれからもそうだと思う。これからもフジファブリックが私の人生に顔を出し続けるし、音楽を聴き続けることに変わりない。
映像が終わる。山内くんから志村のご家族の協力で今回の映像ができたことが語られる。その後に演奏されたのはWater Lily Flower。水分を失った体に染み入るいい曲だ。
この言葉を紡げる山内くんはどれほど優しい人なのだろう。見守られている情景が浮かぶと同時に、自分自身にかけている言葉にも受け取れる。体温のある温かさだ。好きだ。
その後月見草、東京と続き、私が山内くんボーカルのアルバムVoyageを聴くきっかけになった、アニメ「銀の匙」第二期オープニング曲のLIFE。ノイタミナで銀の匙を見て、素敵じゃん!!となって、志村のアルバムばかり聴いていた1年から、ようやく新体制のアルバムを聴き始めた。4人でいた昔も、3人でいる今も、フジファブリックらしさを感じて(フジファブリックとして曲を作っていたから当たり前なんだけど)、恐る恐る聴いたアルバムにほっとしたことを覚えている。
ミラクルレボリューションNo.9はノリが良くてちょっとセクシーで好き。ダッダッダッダーダン(ニュアンスよ)のところで首を横に振るのが気持ち良いです、はい。あと個人的に男の人が「~わ」「~よ」とか言う歌詞も大好物です。あとPVが面白い。加藤くんのお顔よ。貼っとこ。
Fevermanのお祭り感好きだったな。両手を上に上げて踊ったり。星降る夜になったらは、TEENAGERの表題曲前の曲でこれもまたよく聴いていた。覚めた夢の続きに期待をしているとか、言葉の先を待っているとか、こっちのセリフなんですけど。ラストの曲はショウ・タイム。曲振りが迷走していたね笑 帰ってもショウ・タイムらしいです。
アンコールは志村ボーカルの茜色の夕日から始まり、破顔、SUPER!!。しんみりからそこを突き抜け、今を生きている・ここに立っているフレーズへつなげていくアンコールのセトリ。悲嘆に暮れて帰らなくて良いように、考えてくれたんじゃないかなって思ったよ。2025年2月までを星のように駆けていく彼らを見守らなくちゃ。
あとがき
今年20周年を迎えるバンドの結実を2バンドも見ることができた。同じ20年でも過ごしてきた日々は当たり前に違い、当たり前に未来の方向も違う。同じなのは過ごしてきた年の数字と、祝福される存在であるということだ。
寂しいことはまだ言わない。フジファブリックのベストモーメントを魅せてくれてありがとう。続けてきてくれてありがとう。
フジファブリック結成20周年、本当におめでとう。