見出し画像

ライブ機材20240817@UberYs

なんか音の評判が良かったり、打ち上げで聞かれたりしたので、機材解説してみる。

ライブ映像。上手(映像だと右側)ギターが私。
このバンドはみんな機材が多い。



概要

機材写真を取り忘れてしまったので、ライブ中の写真より切り抜き。
(写真は@empty_set_Pさん)

アンプとエフェクターボードとギター

基本的に全部持ち込んでいて、なかなかのボリューム。
メンバーだけでなく、ライブ当日は対バンの方に持ち運びを手伝ってもらった。ありがたい。

  • アンプヘッド JP2C

  • キャビ 1X12 Mini Recto

  • マルチエフェクター Axe2

  • ギター×2

    • トムアン

    • レスポール

  • エフェクターボード

  • パワー・コンディショナー Furman

  • マイク MD412U

今回のライブは、日本ファルコムのゲーム作品、Ys(イース)のBGMのカバーバンド。
日本ファルコムの公式バンドであるjdkBANDに2013年頃まで参加していた、アンジェロ寺前こと、寺前甲さんを強く意識した機材になっている。(2013年以降も、日本ファルコム作品にはレコーディングで参加している)


配線図

全体的な流れ。

  • アンプの前段のエフェクトを担当するエフェクターボード

  • アンプヘッドでメインの音作り

  • 空間系を担当するマルチ

の三段構成で、スイッチャー経由でアンプヘッドもマルチも音色を切り替えている。(アンプヘッドとマルチはMidiで切り替え)

物理的にはでかいが、今どきのアンシミュ付きマルチエフェクターでやっている事と基本的には同じ。特別な事はあまりしていない。

ギターは2本使ったが、ABスイッチ等は使わず、普通にシールドを抜き差しして持ち替えた。

音色

  • クリーントーン

  • クランチ

  • ディストーション(バッキング)

  • ディストーション(リード)音量小

  • ディストーション(リード)音量大

の5種類。
スイッチャーで単純に切り替えるだけで、個別にコンパクトエフェクターをON/OFFしたりはしていない。

ギター

トムアン

寺前さんと同じ、TomAndersonのDropTopClassic。3年前くらいにメルカリで買った。
94年製なので、結構古め。もはや30歳なのでヴィンテージ。BoraBoraBlueという鮮やかな青の塗装なのだが、経年で緑がかった色に変わってきている。


寺前さんの使っているギターの細かいスペックは不明だが、ブリッジのピックアップはH3+を使っている という事は明らかで、自分もH3+に交換している。
ハイパワーなピックアップなので、激しい曲向けな音になっている。が、とムアンならではの使い勝手の良さは残っていて、ドメタルなサウンドでは無く、中域が結構出る。

その他、

という改造を加えている。

レスポール

ぼっち・ざ・ろっく!の結束バンドの中の人、三井律郎さんの機材を意識して入手。メルカリで買った。
Gibsonの、Les Paul Classic Premium Plus。多分。
見た目はぼろぼろ、ヘッドも修復履歴ありで相当安く入手できた。
こちらも94年製。

ピックアップはBurstBuckerの1と2に交換している。

マーシャルにつなぎたくなる見た目をしているが、今回MesaBoogieにつないで見たら思いの外相性がよく、ライブ初登場となった。
トムアンと比べるとレンジが広いく、良い意味でハイファイじゃない。

バッキングでは一歩引っ込んでくれる。リードでは音は太くて最高、チョーキングかましてロングトーン弾けばOK!という音を出してくれる。
レスポールなので弾きにくいのだけど。

アンプとキャビ

MesaBoogieのジョン・ペトルーシモデル、JP2Cと、

https://guitarsele.com/article/news/mesaboogie-jp-2c-head/

同じくMesaBoogieの一発キャビの組み合わせ。

ヘッドはヤフオク、キャビはメルカリで買った。

ヘッドアンプ

寺前さんはMesaBoogieのMark5をメインとしていて自分も持っているのだが、JP2Cが便利すぎてメインで使っている。
Mark5とJP2Cは、違うところはたくさんあるが、概ね方向性としては同じ、と自分は解釈している(JP2Cは、Mark2の魔改造版なので、Markシリーズで同じ)

3chあって、

  • Ch1: クリーン

  • Ch2: クランチ

  • Ch3: リード

となっている。Ch2のクランチは、はっきりってクランチではなく荒い歪のディストーションなので、実質歪チャンネルが2つある。
自分はCh2がバッキング、Ch3をリードとして使っている。

EQの設定は、通常のアンプのイメージで見ると混乱しそうな設定になっているが(MiddleとBaseがほとんど0)、Mark系は歪ませた時にMiddleとBaseをあげると音がぼやけるのでこうする、とジョンペトルッチも言っていた。
ここらへんのつまみの間隔は実機ならでは、だと思う。

また、JP2CはMarkシリーズの特徴のポストEQ(グライコ)が2つ用意されており、バッキングとリードで設定を変える事ができる。自分は、バッキングはかなりドンシャリ、リードでは比較すると少しミドルを上げる、という設定にしてある。

キャビの許容容量に合わせて、60Wモードで使っている。
本当は60Wモードでもちょっと危ないので、マスターボリュームを上げすぎないようにしている。

キャビ

スタジオやライブハウスに置いてあるキャビは、4発か2発。特にマーシャル系は4発しか無い。

4発キャビは小規模のスタジオやライブハウスで使うにはでかすぎると思っている。余計なローが出すぎるので、扱いにくいのだ。

その点、一発キャビはローが比較的控えめになり、音のレンジが良い意味で狭い。なので、今回のような楽器隊が多いバンドでは音作りがしやすい。他の楽器の音と被りにくいのだ。
逆に、3ピースのようなギター一人がカバーする帯域が広い場合にはちょっと物足りないかも。

スピーカーはVintage30。定番だけど、定番になる理由がある音がする。スピーカーもこだわり始めると沼なので、今は手を出さないようにしている。

マイク

MD421を持ち込み。メルカリで買った。
MD421は現行品のMD421Ⅱではなく、MD421Uの模様(買ってから気がついた)。

自宅の防音室で普段からマイク立ててレコーディングしているので、ポジションも調整済。

普通にバンドをやってると意識する機会は多くないが、マイクの種類とセッティングによって最終的な出音は大きく変わる。
特に今回は配信もあったので(ライブではアンプ本体からの音も聞こえるが、配信ではマイクからの音がメインで流れる)、持ち込んだ。

本当は寺前さんのようにマイクプリも持ち込みたいところだが、セッティングの時間を考えて今回はskip。


エフェクターボード

配線大好きなメンバーのあだっちに配線してもらった。(自分はこういう作業が苦手、、、)

EP Booster

寺前さんが使ってる(た)ので使い始めて気に入っている。(寺前さんは今はあんまり使っていないとの事)

常時ONにして、バッファー的に使っている。気分で昇圧する事もあるが、今回は9V。
良い意味でちょっとレンジがせまくなるので、アンプのセッティングとの調整が必要。無くても良いかなと思う時もあるが、なんやかんやONにした時の音作りに慣れているので、ここ5年くらいはずっと使ってる。

MXR ( エムエックスアール ) / M76 Studio Compressor

コンプ。クリーントーンで使ってる。
家で録音している時に、DAWで1176系をかける事が多く、こちらも1176を意識しているようなので使ってみた。
かかり具合をLEDで目視できるのが使いやすい。ギターの違いや、ピックアップの位置によって音量が変わってかかり具合も違う事がわかる。

肝心の音色はちょっと好みじゃないかなーという印象なので、VELVET COMPに戻すかも。

JanRay

クランチで使用。アンプはクリーンにして、これで歪ませてる。
JanRayは原音がかなり残るタイプの歪みエフェクターなので、歪ませる前の音の質が重要。
JP2Cはクリーントーンも全然イケてるので、結果として太いけどジャキジャキ、という良い感じの音になった。

ES8

スイッチャー。以前までES5を使っていたが壊れてしまったので、これを期に8にアップグレード。

ES5と機能的には変わらないのだが、1BANKで切り替えられるプログラムの数が多いので、安心感がある。

JP2C(MIDI対応してる)と、AXE2をMIDIでコントロールする事で、これ1台でコントロールできるようにしている。便利。

あとは、USBやBluetoothでPCと繋げられたら最高(MIDIケーブルでつなぐのはできるけど不便)

Ceriatone/Centrua

本物じゃないですw

このバンドでは使ってないけど、オーバードライブ系の音を出す時に使いたくていれてる。(三井律郎さんイメージ)

MXR ( エムエックスアール ) / MC404 CAE Wah

このバンドでは使ってないけどワウ。
ワウはそんなに使わないのであまりこだわりが無いのだけど、設定できる項目が多くてデジタル系のワウと近い使い方ができるのが気に入っている。


マルチエフェクター

FractalAudioのAxe2。
アンプのsend/Returnに挿して、空間系と音量のコントロールに使っている。

以前はアンシミュとしてバリバリ使っていたが、AX8、Kemperを手に入れた事から売却。最近買いなおした。

アンプの実機で、アンプで歪ませた時に音量をどうコントロールするか、というのはなかなか悩ましい問題。エフェクターで歪ませるのであれば、エフェクターのボリュームで調整すればよいのだが、歪ませたアンプの手前でエフェクターやボリュームペダルで調整しても、音量には変化が無い。(歪量が変わるだけ)

実はsend/returnでボリュームが変えられるので、ここに何かしらエフェクターを挟んで調整するのが良い。
というわけで、Axe2でソロの時の音量をブーストしている。

空間系は、ReverbとDalayしか今回は使っていないが、とりあえず挿しておけば良い音になるくらいの安心感がある。

Axe2の音色切り替えは、パッチで切り替えるのと、シーンで切り替える方法があるが、後者でやっている。パッチだと、音が一瞬途切れちゃうので。

シーンをMidiで切り替える時はCCで送らないといけないので、メモ帳を作って管理している。

最新のAxe3の方がおそらく音は良いのだろうが、物理的に大きくなってしまうのとお値段も高いので、一世代前のAxe2は個人的におすすめ。

配線

free the toneで統一している。
シールドに関しては、ギターから出てるところの一本(最初のエフェクター通るまで)が一番音への影響が大きく、他は種類が揃っていればいいかなという考え方をしている(シールドは音を削る事しかできないので、種類がまざると違った帯域が削られていき、音が細くなる)。

というわけで、パッチケーブル込で手に入りやすさ、統一のしやすさからfree the toneにしてる。

最初の1本については気分で変えたりすることもあるが、長めのシールドが他になかったので今回はfree the toneになった。

スピーカーケーブルは、ギターシールドと揃える必要ないのだけど、好みでやっぱりfree the tone。

運搬

これだけ機材を多いと困るのが運搬。

軽自動車ながら圧倒的な積載量を誇るN-BOXで、頑張って運んでいる。
後部座席を潰すことになるが、積載量にはまだ余裕があるので、機材はもう少し増やせる、、、すごいぞN-BOX。

今回のじゃないけどこんな感じ

とは言っても重たいし、量が多いので、バンドメンバーに手伝ってもらう事も多い。いつもありがとう。

一つごとの重さは20kgはいかないので、両手で持てば持ち運べる。重たいけど。今のところは筋トレだと思って頑張っているが、一歩間違うと腰をやってしまうので注意が必要だ。

というわけで、こんな機材を持ち運んでバンドができるのも、色々な前提条件があってこそ。というわけで今しかできないと思ってこんなアホみたいな機材を持ち込んでバンドに臨んでいる。

いいなと思ったら応援しよう!