〜肉屋のメンチカツ〜 2024/11/24
今日、人生で初めて肉屋のメンチカツを食べた。
夕方16時頃、薬局とスーパーに買い物に行って帰り道き肉屋があったのでふらっと立ち寄った。
道路に面したショーケースの中にある170円のメンチカツを頼んで片手には買い物の荷物片手にはメンチカツを持ち帰路につく。
右手にメンチカツの温かみが伝わってくる。せっかく買ったのに家に帰るまでに冷めてしまいそうだ。行儀が悪いとは思ったけど歩きながら口にした。
熱すぎず、体に染みるような温かみ。噛んだ瞬間、サクッという気持ちの良い音が聞こえるその直後にジュワッと肉汁が口の中に流れ込んでくる。
濃厚な肉の味、衣の感触、肉汁の旨味が体に染み渡る。気温が下がってきた寒空の下、肌寒さとメンチカツの温度のギャップが心地いい。
ポロポロと衣が服と地面に落ちる。行儀が悪いし汚い。でも、このメンチカツから温度を奪うくらいなら他人からの評価を犠牲にしてもいい。
そんな魔力と重みをこのメンチカツは持っている。
人生で初めての肉屋のメンチカツ、全てが体と心に染みる。
小学生の頃学校の帰り道で寄った駄菓子屋、友達と一緒に自販機で買ったジュース、近所の公園でおじいちゃんに買ってもらったセブンティーンアイス。
決して高価なものではないけれど、そういうものからしか得られない感触がある。
ノスタルジーだろうか。いや、それ以上の何か、特別感、その時そのものでしか感じることができない美味しさがある。
こういうものが自分の思い出になって自分の食の嗜好、趣味、人生に影響を及ぼすのかもしれないと思う。
次はこういう経験いつするのだろうか。こういう経験をするたびに、過去の価値が上がる気がする。
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