見出し画像

もやブロ #41 子どもコワーキング「ローカルキッズラボ」事業収支丸裸!

こんにちは。新潟県・湯沢町で移住促進/起業支援等に取り組んでおります、きら星(株)代表のもやです!

今週末、1月くらいからずっとずっとあたためていた弊社Webサイトがリニューアル、ドメインパワーを投げ打って(これには深いワケがあるので、気になる方はコワーキングをご利用の上お尋ねください)、新しく生まれ変わりました。

実はこちらも、ワーケーションというか二拠点居住をしに来ていた、スミさんに制作をお願いしており、ワーケーションで仕事が広がるよという実証実験の成果なのであります。これもそのうち記事化したい・・・。

さて、今回のタイトルですが・・・
私たちは、湯沢町の廃校保育園を活用したオフィスの一角を利用して、夏休み限定の民間学童サービスを立ち上げました。経緯はこちら。

7/26〜開始の前に、コロナ騒動ですったもんだなどがあり、始まる前にもいろんな学びがあったわけです。

事業収支を丸裸に!お見せします!

8/26に全部のプログラムが終わり、料金の収納も済みましたので週末に精算作業をしておりました。(本当は、どんなプログラムをやったのか振り返りなどの記事を先にあげると宣言していたんですが、気が変わりました)

はい、収支一覧はこちら!です。

スクリーンショット 2021-08-29 15.06.10

金額は全て税込みの金額になります。

パイロットのプログラムとしてはそこそこ良い収支になったんじゃないかなあと思います。大赤字にはならなかった。私の人件費と、施設利用料を加味しなければ成功の部類。

収入の部について解説

会費収入

町内:¥12,000/人
町外:¥24,000/人
単日:¥2,000/人

金額設定は、町内の子どもたちに関しては、公設学童(¥10,000+保険代+おやつ代)と同等になるように設定してみました。町外の子どもたちについても、首都圏の民間学童が3〜5万円程度ということを鑑みると「めちゃくちゃ安い」のではないでしょうか。

プログラムの満足度からすると、単価をもう5,000円くらい上げても良かったのでは?という気もしています・・・。

飲食収入(弁当代の立替)
弁当は、月・火・金は、町内のSansanYuzawaゲストハウス下でレストランをしている「クーリエ」さんから取りました。600円で、唐揚げ弁当などある程度メニューを固定化して、前の週末に発注量をお伝えし、作った弁当を配達までしてもらうというオペレーションができていたので楽でした。

水・木曜は、月に1度程度、弊社オフィスきら星BASEに来るキッチンカー「マーマーフーフー」さんに回数を増やしてもらいました。通常子どもメニューなどは作っていないんですが、大人は中華やエスニック、子どもはチャーハン弁当など融通を効かせてもらいました。

結構、弁当のオペレーションを回すのが大変で・・・
ワーケーションの家族には非常に助かったんじゃないかと思いますが、日々発注数量が違うし、来ないので急遽不要になったなども多少あったので、ターゲットによっては弁当は家庭から持ってきてねの運用で十分じゃないかなと思います。弁当とはいえ、食が絡むとリスクも高くなりますし。

事業収入
これは、ラボの中で2回ほど収益事業をコマにして回しました。

①ハチロク子どもまつり
湯沢町では8/6に温泉街で、温泉街のお店が主体となってお祭りを開いているんですが、今年は中止に。ということで、子どもたちに祭りをやってもらうことにしました。

ハチロクまつりチラシ

SNSだけでひっそりと2日前告知したものの、23名の方(ラボに参加していない子ども含む)がご来場いただきました。¥23,000の事業収入プラスになりました。

¥1,000と引き換えに、子どもたちがデザインした「現地通貨」を配り、ヨーヨー釣りや射的、手作りのガチャガチャマシーン、かたぬき、ダンスの発表などで遊んでいただきました。
屋台の設計や、値段設定なども子どもたちが完全に考えたため、スーパーボールすくいが270えんなど、一部とんでもない値付けになりました(笑)※ちなみになぜそうなったかと言うと、スーパーボールは私が仕入れたのですが、500個¥3,000くらいで、原価計算を子どもたちにさせた上で値段を決めさせたためです。

②きら星マルシェ
越後中里にあるNPO法人アースロアさんが管理されている畑へ、電車でみんなで行きました。そこで収穫した野菜を、マルシェとして親御さんやきら星の利用者に購入してもらいました。

快く畑を貸してくださった、辻本さん、どうもありがとうございます。

画像3

ここでは、なすチーム、オクラチーム、トマトチーム、じゃがいもチームと別れて出店準備と販売をしました。MVPはこの写真に写っている少年。他のチーム員が準備を手伝ってくれないと嘆いていたものの、なんとかやりきって、ミニトマトだけで3千円以上の売上を作りました。(親御さんからは、6個で90円とかで売っていて、高い・・・という声もちらほら出てましたが)

4チーム合計で¥5,733の事業収入を得ました。
そのお金で、翌日「みんなでスーパーに行って自分のスペシャルおやつを買いに行こう」というプログラムを立てていたのですが、ある参加者が明日はいけないということで、MVPの少年が「じゃあ●●くんに、俺たちのチームの売上から、おやつ代をあげるよ!」と¥300を渡しました。

¥5,433を原資にして、翌日は1人¥300程度のおやつを自分で購入。余ったお金は「たすけあい食堂」に募金、という形で落ち着きました。

支出の部について解説

人件費
コミットしてくれる個性豊かな先生たちには、業務委託として担当コマ数分をお支払いします。
収入-経費を全コマ数で割った額を単価設定して、1コマあたり¥3,000をお支払いすることができました。一番コミットしてくれた先生たちは20コマずつ担当してくれ、¥60,000をお渡しすることができるということになります。

1コマは、午前中が9:00〜13:00、午後が13:00〜17:00とざっくりそのくらいなのですが、なんだかんだみんな見守りや子どもたちに「あそぼ〜よ〜〜」とねだられて前後の時間も先生をしてくださいました。

講師料
ほとんどボランティアのような形で、近隣に住んでいる大人の方に「講師」になっていただきました。

あのジンボラボの神保さんも!サインを求められたそうです(笑)

あと、コワーキング会員のまやさんも、お盆休みとくっつけていただいて、パラコードブレスレット作りを教えてくださいました!

ご多忙の中ありがとうございます!普段会う先生と違う先生が来ることは子どもたちにとっても脱マンネリでよかったようです。

保険料
東京海上日動のイベント保険で傷害保険として加入してました。
個人賠償責任については、弊社の方で施設賠償責任保険をかけているので、あえてここではかけませんでしたが、事業主体が建物運営者と違う場合は、個人賠償責任保険もかけておいてくださいね。建物運営者からのお願いです(苦笑)

お菓子代
1日1人50円を目安におやつを買っていました。
なおちゃんが毎日のおやつの運営は「駄菓子屋さん」をやろう、と提案してくれて仕入れもお任せしてました。
全費用の3.92%を占めているので、それなりだと思います。。。それなりにおやつ代はかかるなと。

消耗備品費
救急セット、安全管理用のロープ、長縄跳びなど遊び道具、ハチロク祭りで使うヨーヨー、名札などを購入しました。
弊社ではもともとワークショップなどを多数やっていたため、紙やペンなどへの支出がなかったことと、プールや日よけのテントを先生方の家から貸してもらったりと、あるものを活用することができたので消耗備品費が抑えられたのではないでしょうか。
普通、場所だけを借りるパターンでは絶対こうはいかない。

施設利用料
私の稼働した人件費と、収支の余りを施設利用料に当て込むということにしましたが、1日あたり¥1,800くらいという計算になりました。
夏場で、エアコンフル稼働(それでも暑いと文句が)だったり、プールで水をジャバジャバ使ったり、教室として使っていたところは¥2,200/時間で普段は貸し出しをしていることを鑑みると正直全然ペイしないです!!!!!むしろ水光熱費を鑑みると、きら星(株)としては赤字だったと思います。
冬場もやってほしい!という声があがっていますが、、、建物オーナーとしてはこの金額じゃちょっとやれない(冬場は灯油代が1日¥2,000くらいかかる)のでその辺は要相談ですね。これはメンバーにもフィードバックしたいと思います。

総合的に収支から事業性を判断する

たぶん、同じようにこういったプログラムを「やりたい」という人が多いと思うので。

・人材が確保できる
・安価に使える場所がある(駐車場などもある)
・備品や保険などもしっかりと対策ができている

というような条件が揃っていないと、正直難しいのではないでしょうか。というのが感想です。

世の中の民間学童さんが高い値段設定をしているのも、十分にうなづけます。そうしないとやっていけないよな・・・。

▼弊社のWebサイトがリニューアルしました!
ぜひご覧ください。

次こそは、、、
プログラムについての話ができると、、いいな・・・。

「魅力的なまちで溢れかえっている世界を」作り「地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす」ことをミッションに動くまちづくり会社社長。湯沢町で暮らす2児の母でもある。