電子書籍配信開始、あとお金まわりの話【Kindle Unlimitedでも読めるよ】
以前コミティアで頒布した漫画の電子書籍配信を6月8日(土)から開始しました。
配信にあたって色々トラブルが発生し、それはなんとか解決したのですが、あくまで対症療法で原因がまだ特定できていないので、判明次第noteにまとめます。いやー、初めてやることはなんやかやありますな……。
さて、本noteでは、
配信した本の紹介
電子書籍化するにあたり苦労したこと
お金まわり(値段設定・配信先)の話
をまとめています。漫画の方は気になったら買ってみてね。Kindle Unlimitedでも読めますよ。
配信した本の紹介
今回配信開始した漫画は以下の2つ。
『血みどろプラネット』
試し読みはこちらから↓
『きみとエンゲージメント』
試し読みはこちらから↓
電子書籍化するにあたり苦労したこと
電子書籍化することを決めた時、
「もう漫画自体はできてるし、簡単簡単!」
と思って正直ナメてたのですが、甘かった……。以下各タスクについて苦労ポイント(という名の愚痴)を列記。
・電子書籍用に内容をアップデート
せっかく電子書籍化するなら電子限定のあとがきやおまけ要素もほしいし、表紙だけじゃなく中身も一部カラーにしたいし、とか欲が出てくると結構やることが多い。さらに少し前にペンネームを変えたので、それも反映しなきゃなど。修正点が多いとそれだけミスも増えるわけで、うっかりものには結構大変な作業でした。
・電子書籍用のデータを作成
調べてみたところデータの作り方は多種多様で、有料・無料のソフトや漫画配信サイト内のサービス等でできるそうなのですが、どこも賛否両論。Amazonが提供している「Kindle Comic Creator」なるものがあるのでこれでいいかと思いきや、これもイマイチという意見が散見されてさらに路頭に迷う(実際、目次が作れないといったなかなかのデメリットあり)。
あとファイル形式がEPUBやらMOBIやら複数あって混乱。調べた結果EPUBファイルが汎用的でよさそうだと思ってそちらで進めるも、配信後に不備が発覚し結局MOBIファイルで作り直しました。
・Amazon KDPで出版手続き
これはいろんな方が手順をまとめてくれているのでそんなに難しくない。先人に感謝。
・作品紹介と著者紹介の文章を考える
「やんなくてもいいけどやったほうがいい系」のタスク。自分自身や自分の漫画を客観的に褒めつつ紹介するのってむずかしい。
・値段設定
むずかしすぎる。詳細は次のブロックで↓
お金まわり(値段設定・配信先)の話
値段設定について
電子書籍化するにあたって最初に決めていたのは有料にすること。「内容的にお金を取るべきクオリティだ!」というわけではなく、もともとコミティアで有料で頒布していたからです。せっかくビッグサイトまで来て買ってくれた方に失礼だという理由で、ちゃんと値段はつけようと決めていました。
最近SNS発の漫画なんかは0円で配信ということも多いので、自分の漫画がそれらよりも上……!?と思うと心苦しいのですが、自分なりに誠実さを貫くとそうなるのだからしょうがない。
ではいくらにするかというと、選択肢としては
・紙の本と同じ→500円
・半額→250円
・最低価格でいいでしょ→99円
あたりで検討。その上で、
・印刷費はかかってないし500円はちょっと高いよな〜、ページ数も少ないし……
・500円で買ったものが電子とはいえ99円になってるのどうなの?
・値段は一度決めたら上げにくいから迷ったら高くしといた方がよさそう、値下げはあとからいくらでもできるから
・Kindleでロイヤリティーを70%受け取るには250円以上じゃないとだめらしい
とか色々考えた結果、
『血みどろプラネット』:350円
『きみとエンゲージメント』:250円
としました。『血みどろ〜』の方が100円高いのは、2本立てで約2倍ページがあるということと、その内1本がフルカラーであることが理由です。
配信先について
最近は電子書籍配信先も恐ろしくたくさんあるわけですが、選択肢としては大きく2つ。
・Kindle限定で配信
・Kindle以外でも配信
というのも、Kindle限定で配信するとロイヤリティー70%を選択できるようになるからなんですね。Kindle以外でも配信すると35%しか選べない。どちらを選ぶかで利益が大きく変わってきそうです。
(あとはBoothなどでPDFファイルを販売、というパターンもありますが、個人的にPDFの漫画って後で読み返しづらいかな……と思ったので選択肢から消しました)
私自身はKindleユーザーなのでKindleで読めればいい派なのですが、実際のところKindleも電子書籍サービスのシェア的にそれほど圧倒的なわけではないようです。楽天koboやコミックシーモアの層をバッサリ切り捨てるかどうかは正直悩ましいところ。
そこで判断材料としたのが、以前より配信している漫画短編集『三山くんはしゃべらない もず短編集』の売り上げ実績でした。こちらは(株)コルクによってKindle以外のありとあらゆる電子書籍サービスに配信されていたので、どこでどれだけ売れたかデータがあったわけです。
そのデータを見たところ、金額的・DL数的にも約90%がKindleという結果になっていました。
もし売上の半分がKindle以外だったら35%のロイヤリティも捨て甲斐がありますが、9割じゃあね……。ということでKindle限定配信となりました。複数のサービスで配信すると管理コストもかかって大変だし。Kindle以外のユーザーの方、ごめんなさい。
ちなみにKindleが圧倒的に多かったのは私自身がほとんどKindleのリンク先しか宣伝していないことも大きいと思います。人気作家ならどこのサービスでもそれなりに売り上げているだろうし、「お金がどうこうよりたくさんの人に読んでほしい!」というピュアな気持ちが一番にあるなら配信先は多い方がいいでしょう。どう売っていきたいかは人によるので、電子書籍化を検討されている方は上記の内容はあくまで参考程度に。
さて、そんなこんなで始まった電子書籍配信。今のところ売上はささやかなものですが、それでもお金を出してくれる方の存在が嬉しい。今後もぼちぼち宣伝しながら、じわじわ読まれていくことを願います。