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『あさになったのでまどをあけますよ』

あさになったのでまどをあけますよ
 
やっぱりそこにいて
やっぱりここにいる
だからぼくはここがすき

それぞれの目覚めと様々な風景。それは”自分”の風景。
その場所と、そこにいる自分を全肯定するような安心感。
この本の企画段階で東日本大震災が起こり、作者の荒井さんがその後のワークショップを通じて感じたことが表現されているそう。

被災地でワークショップをすると、水が怖い、暗いのが怖いっていう子どもたちがいたんですよね。だから、夜ではなく、朝の連なりみたいなものを描こうと思いました。海を描くことに後ろめたさみたいなものはありましたけど、海って人間が生まれる前からあるものだから、それはあえて風景の一つとして描きました。震災のことは人間としては揺れ動いているんだけれども、この絵本を作るにあたっては「震災」をビジュアルに出してしまってはよくないと、肝に銘じていましたね。やっぱり、長い間読み継がれるものにしたいし、長く愛されるものでなければ2011年という奥付の意味も効いてこないですから。

荒井良二『好書好日』インタビューより

世界と自分がそのままで繋がるような気持ちになれる本です。

新井良二・作
ページ数:32ページ
対象年齢:3歳から
2011年12月

2012年社会保障審議会推薦文化財
2012年日本子どもの本研究会選定図書
2012年全国学校図書館協議会・選定図書
2012年日本図書館協会選定図書
2012年産経児童出版文化賞・大賞
2012年MOE絵本屋さん大賞1位

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